とはずがたり

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サッカープレイヤーと認知症

2020-03-13 17:41:02 | 神経科学・脳科学
アメリカンフットボールプレイヤーで慢性外傷性脳症(Chronic Traumatic Encephalopathy; CTE)が多いのは有名で、ウィル・スミスが主演で映画にもなっていますが(『コンカッション』https://eiga.com/movie/83790/)、この論文では元プロサッカー選手の死因をretrospective cohort studyで検討しています。元サッカー選手の死因として虚血性心疾患(hazard ratio, 0.80; 95% confidence interval [CI], 0.66 to 0.97; P=0.02)および肺がん(hazard ratio, 0.53; 95% CI, 0.40 to 0.70; P<0.001)は少なかったが、神経変性疾患が有意に多く、元サッカー選手の1.7% 対照群では0.5%であった(subhazard ratio [the hazard ratio adjusted for competing risks of death from ischemic heart disease and death from any cancer], 3.45; 95% CI, 2.11 to 5.62; P<0.001)。神経変性疾患の中ではAlzheimer病のhazard ratioが最も高く(5.07; 95% CI, 2.92 to 8.82; P<0.001)、認知症治療薬の処方率も有意に高かった(odds ratio, 4.90; 95% CI, 3.81 to 6.31; P<0.001)とのことです。今後prospective matched-cohortで検証が必要としていますが、ヘディングなど脳にダメージを与えるようなプレイを(特に若年者では)制限するというような動きが出てくるかもしれません。 
N Engl J Med. 2019 Nov 7;381(19):1801-1808. doi: 10.1056/NEJMoa1908483. Epub 2019 Oct 21.
Neurodegenerative Disease Mortality among Former Professional Soccer Players.


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