とはずがたり

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ストレスによる脱毛のメカニズムが解明された

2021-04-01 22:15:13 | 発生・再生・老化・組織修復
長期間のストレスにさらされると脱毛が生じることが知られており、新型コロナウイルス感染症患者の1/4に脱毛が見られることが報告されています。この論文で著者らは、ストレスによって副腎皮質から分泌されるコルチコステロンが毛乳頭細胞(dermal papilla cell)に発現するグルココルチコイド受容体に作用し、細胞増殖因子GAS (Growth arrest-specific)6の分泌を抑制することで毛包幹細胞 (hair follicle stem cell, HFSC)の増殖を抑制するとともに休止期 (telogen)のHFSCを増加させ、毛の脱落を促進させることを報告しています。アデノ随伴ウイルスベクターによるGAS6発現によってストレスによってHFSCの増殖が促進することも明らかになりました。GAS6投与がストレスによる脱毛の治療薬になりそうです。朗報ですね!〇▲×君!!
Choi, S., Zhang, B., Ma, S. et al. Corticosterone inhibits GAS6 to govern hair follicle stem-cell quiescence. Nature (2021). https://doi.org/10.1038/s41586-021-03417-2  


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