「ラオス豊かさと『貧しさ』のあいだ」 新井綾香著
国際NGOでの3年8ヶ月にわたる自らの経験をもとに、綿密な記録に基づいて書かれており、ラオスの農民、貧困層の視点から、
ラオスの置かれている実情がヒシヒシと伝わってくる。
中国、ベトナム、日本などの企業が進出し、ラオス政府による開発事業が急増、その結果、森林や農地の収用の問題が発生する。
保護林が伐採され、ダムが建設されることで、魚が獲れなくなり、洪水がひどくなり稲作をあきらめざるをえなくなる。
田んぼには米以外にも魚、カエル、イナゴ、タニシ、ウナギやナマズが生きていて、村人の生活を支えていたのに獲れなくなる。
灌漑水路の土崩れがひどくなり補修に費用がかかり、電気代が高くなり、電気代が増え続けることなどで生活が成り立たなくなる。
村人が長年築いてきたセーフティーネットが崩れていく。
森林や農地の喪失、川の汚染や流れの変更により漁獲量の減少など事業のツケは村人に長期化にわたり悪影響を及ぼす。
巨大開発事業や投資事業により特定の人には利益をもたらすであろうが、村人が得られる利益はごく僅かである。
ラオスは豊かな自然資源に恵まれ、人々はお互いに助け合って暮らしてきた。村人同士の助け合い、分かち合いの精神が息づいてきた。
村人は物質的に豊かに暮らしているとは言えないが、飢餓や戦争のない社会で、心豊かな生活を営んでいた。
貧困削減という名目のもとで、開発事業が進められ、村人が追い詰められ、さらに貧困は深刻化していく。
「貧困は外部からの開発によってもたらされている」というタイトルの文言が良く理解できる。
2010年に初版発行で、ここ10年が過ぎ去った、環境破壊、貧困はさらに進んでいると考えられる。
『ラオス豊かさと「貧しさ」のあいだ』 新井綾香著
発行所 コモンズ 1700円+税
国際NGOでの3年8ヶ月にわたる自らの経験をもとに、綿密な記録に基づいて書かれており、ラオスの農民、貧困層の視点から、
ラオスの置かれている実情がヒシヒシと伝わってくる。
中国、ベトナム、日本などの企業が進出し、ラオス政府による開発事業が急増、その結果、森林や農地の収用の問題が発生する。
保護林が伐採され、ダムが建設されることで、魚が獲れなくなり、洪水がひどくなり稲作をあきらめざるをえなくなる。
田んぼには米以外にも魚、カエル、イナゴ、タニシ、ウナギやナマズが生きていて、村人の生活を支えていたのに獲れなくなる。
灌漑水路の土崩れがひどくなり補修に費用がかかり、電気代が高くなり、電気代が増え続けることなどで生活が成り立たなくなる。
村人が長年築いてきたセーフティーネットが崩れていく。
森林や農地の喪失、川の汚染や流れの変更により漁獲量の減少など事業のツケは村人に長期化にわたり悪影響を及ぼす。
巨大開発事業や投資事業により特定の人には利益をもたらすであろうが、村人が得られる利益はごく僅かである。
ラオスは豊かな自然資源に恵まれ、人々はお互いに助け合って暮らしてきた。村人同士の助け合い、分かち合いの精神が息づいてきた。
村人は物質的に豊かに暮らしているとは言えないが、飢餓や戦争のない社会で、心豊かな生活を営んでいた。
貧困削減という名目のもとで、開発事業が進められ、村人が追い詰められ、さらに貧困は深刻化していく。
「貧困は外部からの開発によってもたらされている」というタイトルの文言が良く理解できる。
2010年に初版発行で、ここ10年が過ぎ去った、環境破壊、貧困はさらに進んでいると考えられる。
『ラオス豊かさと「貧しさ」のあいだ』 新井綾香著
発行所 コモンズ 1700円+税