ホッ!とお茶しませんか?

ホッ!とした時のひとりごと・・

絵本から 「バケツの水」

2009-09-21 | Weblog

(千歳市の農道で 可愛い小屋をみつけました)

 

 

冊子をめくっていたら 絵本作家 森野さかなさんのお話がのっていました

 

 「バケツの水」

 

はげたか山のボーボー森には、ゴロゴロ岩の洞くつがあって

夜になるとだれかの泣き声が うぉ~んうぉ~ん と聞こえてきます

泣き声は日ごとに大きくな 困り果てた村人が

勇者マヌエルに頼みました。

「きっと怪物がいるのです。どうか退治をして下さい。」

マヌエルが鎧に身につつみ、ボーボー森に入って行って

よくよく洞窟をのぞいてみると・・・泣いているのはクマでした。

 

「ナンダ、クマくん。 泣いていたのは君だったのか」 

クマはボサボサの頭をはげしくふって、ドサドサと足をふみならしました。

 「水がほしい。水がほしいよ!」 クマはバケツをかかえていました。

マヌエルはあわてて山をおり、村の井戸に走って行って、

水桶に水を なみなみと満たし、クマのところまで運びました。

 

「その水をバケツに入れておくれ。 ただ入れるだけじゃ泣きやまないよ

おいらを ほめながら水を入れて」  

マヌエルはちょっと困りました。

誰かをやっつけたことはあっても 誰かを ほめたことはなかったのです。

 

 「・・・クマくんは、どうしてほしいのかを、はっきり伝えたのでとても えらい!」  

そういいながらバケツに水をザンブザンブと入れました。

 

.「まだまだ足りない。 まだ足りない!」 クマがうぉ~っと叫びました。

ヌマエルは井戸まで走って行って再び水を汲んできました。

 

「クマくんは大きな目がかわいい」 ザンブ!ザンブ!  

「クマくんは虫歯が1本もない」 ほ~ら、ザンブ!ザ、ザ、ザンブ! 

 「クマくんは好き嫌いなくなんでも食べる!」 ザンザン、ザンブ!

 ザ、ザ、ザンブ!  10回も往復したでしょうか?

 

 マヌエルはヘトヘトになりました。バケツのなかがいっぱいになり、

クマはちょっぴり笑いました。 

翌日、朝からクマが泣いています。   

「なんだよ! クマくん。バケツの中には水をいっぱい入れてやったろ?」   

「だけど今日はからっぽなんだ。 昨日、いっぱいでも、今日はからっぽ!」

 

クマが大声を出し始めたので、マヌエルは慌てて走って行って、

水をくんでもどってきました。  

今日もクマを ほめながら バケツに水を注ぎました。  

翌日も翌日も その翌日もバケツがいっぱいになるまで

水を注いでやりました。

 

そしてある朝 クマのバケツは マヌエルが注いでやらなくても、

たっぷりの水がみちみちていました。  

 「マヌエル 本当にありがとう。 おかげでバケツが泉になったよ」

 

そうです!  バケツは泉に変わり、

もう注いでもらわなくても、水をわき上がらせる能力が、

きちんと備わっていたのです。 

「今度はボクが 誰かのバケツ 愛情でいっぱいにしてみせるよ」

 クマがにっこりと笑いました。

 

    

 

読み終わった あと・・

私の携わっている人たち (夫・子供・両親・友人・知人・同僚・患者さん・愛犬)

に マヌエルのように

どれだけ たたえながら バケツに水を注いでやれていたか

自分が泉をもっていないと あたえられるものではないけれど

後悔の念にかられながら 指針にしたいと

考えさせられた おはなし でした 

 

 

 

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