桜桃生存日記

桜桃が気ままに書きたいことを書く日記。
日常のこと、趣味のこと、思ったこと、など。

瀬尾まいこ『強運の持ち主』

2021-04-14 | 本棚

※表紙画像は版元ドットコムより。

営業の仕事を半年で辞め、
恋愛も習い事も長続きしなかった吉田幸子は、
一人でできる仕事というだけで、占い師の門を叩いた。
「ルイーズ吉田」という名で占い師を始めて早3年。

しかし、真面目に占っていたのは最初だけで、
客の人となりや、話し方、相談内容などから
直感で占うようになり、話術を活かして
人気占い師にまで上り詰めた。

この吉田は腹黒いし、正直性格が悪い(;´Д`
1回20分占って3000円をもらう事を、ちょろいと思っている。
適当に話を合わせ、的確な言葉を投げかけて、
客に納得して帰ってもらえばいいという方針だ。

しかも強運の持ち主の男、通彦(ルビが振ってなかったので、
未だに何て読むのかわからない。みちひこ?)を当時の彼女から
強引に略奪している(爆)。

そんな吉田に、一筋縄ではいかない客が現れる。
まずは小学生の男の子。続いて女子高生。
前者の客も、後者の客もしつこく店に通い詰めるし、
吉田も真剣に世話をする羽目に。

更に吉田自身や、通彦にも危機が。
占い師としての実力を発揮して、危機を回避できるのか!?


まず、小説に関しては読みやすかったです。
瀬尾まいこさんの小説を初めて読んだんですが、物語に入りやすかった。
連作短編集で、第3話の「おしまい予言」という回に
関西弁の登場人物が出てきて、ここで瀬尾まいこさんが大阪出身
という事を知りました(それまで、著者紹介を見てなかった)。

ユーモアもあるんだけど、個人的にはあまり笑えず(^^;
あまりにもサラサラ読めちゃうし、主人公の性格もサバサバしてるし、
個性的な登場人物も出てくるけど、どうにもクセがないというか。
全体的に平凡で、のほほんとしてる。
やっぱり主人公を好きになれなかったっていうのが大きい。
主人公の人を冷たく突き放す事ができない面とか、
熱心で面倒見のいい点はあるのだけど、
どうも”いい人柄”っていうのが読んでて伝わってこない^^;

で、占い師を信じてる人も、元々占い師に対して懐疑的な人にとっても、
この作品で「やっぱり占いって気休め程度なのね」って思うと思います。
特に占い師にお金を払って占ってもらうのって、
よっぽど誰にも相談できなくて悩んでるか、
軽い気持ちで相性や将来を占ってもらうカップルくらいでしょう。
有料で占ってもらうくらいなら、自分で占いの本を読んだり、
雑誌の占いページを読んだり、ネットで検索したりする。
今までそうしてきた。

私だって彼とは誰にも相談できない関係だし、
今度いつ逢えるのか、彼とどれくらい先まで続いていけるのか、
知れるものなら知りたいですよ(;´▽`
でももしも占い師に良い事を言われたらいいけど、
不倫だし悪い事なのは百も承知だし、
悪い事を言われても納得できないと思う。
悪い事を言われて別れるくらいなら付き合ってないしね。

結局状況を受け入れるか、変化を求めて自分で行動するかしかないよ。
他人も環境も変わる時は変わるけど、変わらない時は変わらないし。
占いは人の背中を押すだけで、良い事を信じて、
悪い事は信じないか気をつける程度でいいと思う。
私も夢占いやおみくじなどではそうしてる。

そう。この作中でも、「(占いは)いつも当たるわけじゃない」
って言ってますし。
主人公は占いよりも直感を信じてるし(笑)。

ここまで長々と書いてきましたが、
瀬尾まいこさんの小説は読みやすかったので、
他の作品も読んでみたいと思いました。

♥diarynote時代に相互だけ読めた秘話(/∀\*)
(前略)
私も人の話聴くの好きだし、一人で仕事するのが向いてると思うから、
案外占い師に向いていたのかも^0^;
(中略)
生まれ変わったらにしよう。
(中略)
ま、本当は男に生まれ変わりたいけどね。


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