「最後の恋」
奇跡を手放した
その奇跡は私には重すぎた
好きで大切で宝物で守りたかった
だけど私には荷が重すぎた
抱え込んで抱えきれなかった
ずっと心臓が痛くってキリキリして
幸せなのに不幸だと
みんなみんな不幸だと
寂しさも苦しさも見えない世界も知らない世界も
全部あなたにぶつけた
どうしようもないことも全部あなたのせいにした
こんな思いをするなら離れた方が楽だと
もう傷つかないと
希望の光は絶望だった
私が背負った罪も悲しみも背負いきれなかった
私は知らないことが怖かった
知らなくてもいいことがあるってわかっていたのに
あなたとどう付き合えばいいかもうわからなかった
壊れた自分が 恋を壊した
奇跡の関係を崩した
この手で言葉で
もう人と両思いになることはない
愛し合うことはない
最後の恋だったから
自分に自信がないし 人を信じられない
自分がどれくらい尽くしても無駄になってしまう
時間をかけて忘れてゆこう
あなただって忘れるでしょう 忘れたいでしょう
手放した恋はもう実らないから
涙で枯らしてしまったから
あなたが望まない限り連絡も来ないし
会うこともないんだとわかった
私はもう何も望めないし 求めることはできない
あなたを好きだから
あなたにこれ以上嫌われたくないから
行動しない アクションを起こせない
きっとこれが最後の思いやり
私にできる最後の
西加奈子の『白いしるし』を読み終えて、
自分の心の中を正直に綴ってみた。
詩っていうより、心の文章やな。