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モデルナのワクチンも「94.5%の予防効果」―新型コロナ、克服への道に光は差したか

2020-11-17 18:44:34 | 日記

[ロイター]米モデルナは11月16日、同社の新型コロナウイルスワクチンが94.5%の予防効果を示したとする後期臨床試験の中間データを発表した。予想をはるかに上回る高い有効性が報告されたのは、「90%超の予防効果を確認した」と発表したファイザーに続き、米国の製薬企業としては2社目となる。

米国では、12月にファイザーとモデルナの2つのワクチンが緊急使用許可を得て、年内に6000万回分のワクチンが使えるようになる見通し。米国政府は来年、これら2社から10億回分以上のワクチンを調達できる可能性があり、これは米国の人口(3億3000万人)を上回る。
両社のワクチンはいずれもmRNAを使う新しい技術で開発されたものだ。世界中で5400万人が感染し、130万人が死亡したパンデミックと闘う上で、強力な武器になると期待されている。モデルナのスティーブン・ホーグ社長は「私たちはパンデミックを止めることができるワクチンを手に入れようとしている」と電話インタビューで語った。
モデルナの中間解析は、ワクチンまたはプラセボを投与された被験者のうち、95人が発症した時点で行われた。発表によると、ワクチン接種群で発症したのは5人だけ。英インペリアル・カレッジ・ロンドンのピーター・オープンショー教授は「モデルナのニュースは非常にエキサイティング。今後数カ月のうちに良いワクチンが実用化されるという楽観的な見方を大きく後押ししている」とし、「モデルナの発表は、多くのハイリスク者や高齢者を含む3万人の米国人を対象とした試験に基づいている。これは、新型コロナウイルスによるリスクが最も高い人たちにも関連する結果であるという確信を与えてくれる」と話す。
モデルナは米国での承認に必要な安全性データが来週にも得られるとみており、向こう数週間のうちに緊急使用許可を申請する方針だ。
重症例はすべてプラセボ群
モデルナのワクチンは、ファイザーのそれのように超低温で管理する必要がなく、流通が容易になることがメリットだ。モデルナは、普通の冷蔵庫(2~8度)で30日間安定しており、マイナス20度で最大6カ月間保存できるとしている。一方、ファイザーのワクチンはマイナス70度で出荷・保管しなければならず、普通の冷蔵庫では最大5日間、輸送用の箱でも最大15日間しか保存できない。
モデルナが発表した中間解析結果では、ファイザーの発表ではわからなかった重症化を予防する効果も明らかになった。モデルナの試験では発症者95のうち11人が重症化したが、いずれもプラセボを接種された人だった。
モデルナは、年内に米国向けとして約2000万回分を生産する予定。うち数百万回分はすでに生産を終えており、緊急使用許可が得られ次第、出荷する準備ができているという。同社のホーグ社長は「緊急使用許可が得られれば、『ワープ・スピード作戦』を通じて数時間のうちに出荷できるようになる。すぐに配布を始めることが可能だ」と話している。
モデルナの発表によると、発症者95例には、65歳以上の高齢者15人、人種的に多様なグループからの参加者20人、など重症化のリスクが高いとされるいくつかの重要なグループが含まれている。ロンドン大衛生熱帯医学大学院のスティーブン・エバンス教授は「ワクチンによる恩恵がすべてのグループ、特に高齢者でも一貫して得られるかどうかを確認するには多くのデータが必要だ」としつつ「今回のモデルナの発表は、間違いなく心強い進歩だ」と指摘する。
このワクチンを含む、現在臨床試験中のすべてのワクチンに共通する問いは、それらが新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるのかということだ。
エジンバラ大のエリナー・ライリー教授は「発症を予防するワクチンは、感染の持続時間とレベルを低下させ、結果として感染を減少させる可能性は高い。しかし、こうした効果がコミュニティ内でのウイルスの拡散に意味のある違いをもたらすほど大きなものになるかどうかは、まだわからない」と話す。

欧州ではローリング・レビュー開始
モデルナの発表によると、ほとんどの有害事象は軽度から中等度だったが、被験者の多くが2回目の接種後により激しい痛みを経験した。被験者の10%は日常生活に支障をきたすほどの倦怠感に見舞われ、9%は激しい体の痛みを訴えた。モデルナによると、こうした有害事象のほとんどは短期間で収まったという。
モデルナのワクチンが採用するmRNAプラットフォームは、免疫を誘導する特定のウイルスタンパク質を体内で作らせる。いわば、人体をワクチン工場に変えてしまおうという技術で、有望だがこれまで実用化されたことはない。
トランプ政権のパンデミック対策は、主にワクチンと治療薬の開発に頼ってきた。モデルナは米国政府から10億ドル近い研究開発資金の提供を受けており、15億ドルで1億回分を供給する契約を結んだ。米国政府は、さらに4億回分を購入するオプションを持っている。
モデルナは21年に5~10億回分を製造したい考えで、需要によっては一部を海外で生産する方針だ。米国政府は、健康保険への加入の有無に関わらず、国民に新型コロナウイルスワクチンを無料で提供するとしている。
欧州の規制当局は11月16日、モデルナのワクチンの「ローリング・レビュー」を開始したことを明らかにした。ファイザーとアストラゼネカのワクチンでは、同様の審査がすでに行われている。
中国やロシアなどでは、すでにワクチンの接種が始まっている。ロシアは8月、大規模試験のデータが公表されていないにも関わらず、国内向けに「スプートニクV」を承認した。ロシアは11月11日、同ワクチンの大規模臨床試験で、20人の発症に基づく解析の結果、92%の有効性が確認されたと発表した。

下記の記事には日本経済新聞オンラインから借用(コピー)です。

【ニューヨーク=野村優子】製薬各社が開発中の新型コロナウイルス向けワクチンで、高い有効性が相次ぎ示された。16日に米モデルナが94.5%の有効性を発表。9日には米ファイザーが90%の有効性を発表した。当局の審査を経て早期の実用化にこぎつければ、経済活動にもプラスとなる。
2社が開発するワクチンはともに「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝子を使ったもの。ウイルスの遺伝子情報の一部を体内に取り入れ、人の細胞でウイルスの部品をつくり免疫反応が起きる仕組みだ。
 人への使用実績が無い一方で、開発や製造がすばやくできる利点がある。有効性に課題があるとされてきたが、90%を超える有効性が続いたことで実用化への期待が高まっている。
 モデルナのワクチンの強みは扱いの容易さだ。ファイザーの場合、セ氏マイナス70度程度での保管が必要だ。一方モデルナの場合、一般または医療用冷蔵庫の温度で対応できることをアピール。2~8度で30日間保管できるほか、マイナス20度では最大6カ月保管ができるという。
追記・モデルナワクチンの日本での製造販売権は武田薬品工業です。


統合失調症 幻覚や妄想などの「急性期」でも通院治療のケースも〈週刊朝日〉

2020-11-17 14:54:14 | 日記

下記の記事はAERAオンラインからの借用(コピー)です

およそ100人に1人がかかり、精神科の病気の中でも頻度が高い「統合失調症」。幻覚や妄想などの症状が強く現れる急性期は、薬物療法に重点をおいた治療になる。急性期を乗り越え、次のステップにつなげることが大切だ。 【統合失調症のデータはこちら】
*  *  *
 統合失調症は長期にわたって治療に取り組む必要があるが、十分な回復が期待できる。治療の両輪となるのが「薬物療法」と、カウンセリングやリハビリテーションなどの「心理社会的療法」だ。症状や経過に合わせ、両者の比重を変えながら組み合わせていく。  幻覚や妄想などの激しい陽性症状が現れる「急性期」は、薬物療法に重点をおいた治療がおこなわれる。京都大学病院精神科神経科教授の村井俊哉医師はこう話す。 「患者さんは幻覚も妄想もすべて現実に起きていることだと思い込み、これまでに体験したことのないような恐怖を感じています。幻聴に『死ね』と命じられて、自殺を図ろうとしてしまうことさえあります。幻覚や妄想は、薬で抑えることが可能です。つらく危険な状態から早く脱するために、できるだけ早く治療を始める必要があります」  主に使われるのは「抗精神病薬」だ。脳の中で情報を伝達している神経伝達物質の一つ、ドパミンの活動を調節することで、幻覚や妄想を改善する。近年は陽性症状だけでなく陰性症状も改善するなど、さまざまなタイプの抗精神病薬が使えるようになった。  抗精神病薬は効果が高く、幻覚や妄想を抑えるには欠かせない薬だが、からだの震えや筋肉のこわばり、口のもつれ、からだがそわそわして落ち着かないといった「錐体外路症状」と呼ばれる副作用が出ることもある。  同じ薬でも効き方や副作用の出方は人によってさまざまなので、多くの薬の中から一人ひとりの状態に合った種類と量を細かく調整していく。 「つまり錐体多くの場合、薬を服用後1~2週間ほどで幻覚や妄想は弱まり、次第に落ち着きを取り戻していくという。 また、治療を成功に導くには「休養」も欠かせないと村井医師は言う。 「患者さんは幻覚や妄想で疲弊し、音や光などの刺激に敏感になって十分な睡眠を取れていません。病気が重い時期に不眠や過労でさらに無理がかかれば、症状の悪化を招いて治りにくくなってしまいます。『今は休養の時期』と割り切り、必要に応じて睡眠薬や抗不安薬なども使いながら、静かな環境でゆっくり休むことが大切です」 ■入院か外来か 選択も重要になる  症状が強く現れる急性期はとくに、入院か外来か「治療の場」の選択も重要だ。村井医師は言う。 「急性期だからといって必ずしも入院が必要となるわけではありません。近年は薬物療法の進歩などで症状をコントロールしやすくなり、以前に比べると通院で治療するケースは増えています」  一方、入院は仕事や家事などふだんの生活から離れることになるが、そのぶんしっかり休養をとることができ、治療のプラスになる場合もある。医療者側も、病状をつぶさに把握でき、薬の種類や量を調整しやすい。  とくに「症状が重く、日常生活が維持できない」「服薬や休養など治療に必要な最低限の約束を守ることが難しい」「本人が入院を希望している」「支える家族がそばにいない」という場合は、入院を選択したほうが、安心して療養に専念できる。
 難しいのは、入院が必要なのに本人の同意が得られないケースだ。統合失調症では病気が始まってしばらくは本人に病気だという自覚がほとんどなく、幻覚や妄想が出ていても治療に応じないことが多い。しかたなく家族が何とか病院へ連れていき、医師の判断で閉鎖病棟や保護室に入院になることもある。精神科の入院は、閉じ込められる、自由を奪われるというイメージが強く、それも必要な治療にたどり着けない一因となっている。村井医師はこう説明する。
外路症状のような副作用を起こさず、一方で幻覚や妄想といった症状を抑えることができるような、ちょうどよい薬の量を見極めることになります」(村井医師)
多くの場合、薬を服用後1~2週間ほどで幻覚や妄想は弱まり、次第に落ち着きを取り戻していくという。  また、治療を成功に導くには「休養」も欠かせないと村井医師は言う。 「患者さんは幻覚や妄想で疲弊し、音や光などの刺激に敏感になって十分な睡眠を取れていません。病気が重い時期に不眠や過労でさらに無理がかかれば、症状の悪化を招いて治りにくくなってしまいます。『今は休養の時期』と割り切り、必要に応じて睡眠薬や抗不安薬なども使いながら、静かな環境でゆっくり休むことが大切です」 ■入院か外来か 選択も重要になる  症状が強く現れる急性期はとくに、入院か外来か「治療の場」の選択も重要だ。村井医師は言う。 「急性期だからといって必ずしも入院が必要となるわけではありません。近年は薬物療法の進歩などで症状をコントロールしやすくなり、以前に比べると通院で治療するケースは増えています」  一方、入院は仕事や家事などふだんの生活から離れることになるが、そのぶんしっかり休養をとることができ、治療のプラスになる場合もある。医療者側も、病状をつぶさに把握でき、薬の種類や量を調整しやすい。  とくに「症状が重く、日常生活が維持できない」「服薬や休養など治療に必要な最低限の約束を守ることが難しい」「本人が入院を希望している」「支える家族がそばにいない」という場合は、入院を選択したほうが、安心して療養に専念できる。  難しいのは、入院が必要なのに本人の同意が得られないケースだ。統合失調症では病気が始まってしばらくは本人に病気だという自覚がほとんどなく、幻覚や妄想が出ていても治療に応じないことが多い。しかたなく家族が何とか病院へ連れていき、医師の判断で閉鎖病棟や保護室に入院になることもある。精神科の入院は、閉じ込められる、自由を奪われるというイメージが強く、それも必要な治療にたどり着けない一因となっている。村井医師はこう説明する。

「閉鎖病棟は病状が不安定なときなどに入院する病棟で、出入りが制限されています。保護室は自殺のリスクがあるなど、いっそうの安全確保が必要な人のための病室で、出入り制限だけでなくきめ細かく観察できるような態勢がとられています。一時的に患者さんを危険から守るための場所で、治療で陽性症状が落ち着けば、一般病棟に移ることができます」 ■急性期の終わりが退院の目安  急性期の期間は数週から数カ月。適切な治療を受けることで幻覚や妄想といった激しい陽性症状はおさまり、入院治療をしている人は、急性期の終わりが退院の目安になる。村井医師は言う。 「その後の回復の経過には個人差がありますが、このころになると、薬がどのくらい効いているか判断できるようになり、順調に職場復帰できそうだとか、少し長引きそうといったある程度の見通しがつくようになります。病気になったとたんにあわてて大学や会社を辞めてしまいがちですが、病気が始まったときは、まだ進路を変えるような判断をする段階ではありません」  また若い世代がかかりやすい病気だけに、「この先、どんどん悪くなっていくのでは」と心配する人も少なくない。 「統合失調症は進行性の病気ではありません。残念ながら徐々に悪くなってしまう方がいらっしゃるのは事実ですが、最も症状が重いのは最初の数年間で、その後は完治とは言えないまでも良くなっていくことが多いのです。また患者さん自身も、病気と上手に付き合っていけるようになります。治すべきときはしっかり薬を飲み、必要に応じて入院もして急性期を乗り越え、次のステップにつなげることが大事です」(同)


「セックスレスで人生を終えたくない」コロナ離婚を決意した夫の言い分

2020-11-17 09:02:06 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

コロナ禍をきっかけに離婚する人は、何を考えているのか。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「これまで浮気をしたこともなかった“マジメ夫”たちの離婚相談が増えている。コロナを機に、生き方を見つめ直した結果だ」という――。
「マジメ夫」たちが離婚したがっている
当初、新型コロナウイルスの影響で危機を迎えた夫婦の多くは、そのきっかけがステイホーム期間の長期化によるものだった。「夫と長時間、一緒にいるのは耐えられない」「家事や子育てのストレスに加え、夫へのイライラが募り爆発寸前」といった妻からの悩みもよく聞いた。最悪の場合、夫との生活に見切りをつけ、“コロナ離婚”を決断するケースもあった。
ところが最近では、同じ“コロナ離婚”を考える夫婦にも変化が見られるようになった。というのも、これまでは夫との生活に辟易している妻側からの相談が圧倒的だったのに比べ、最近は夫側からの相談が目立つようになってきたのだ。
しかも、“コロナ離婚”で相談に訪れる男性たちは、至ってマジメな雰囲気を漂わせているのも特徴的。「妻と別れ、愛人と暮らしたい」といった明確な理由もなければ、ギャンブルやDVといった離婚事由にあたる癖が本人にあるとも思えない。いわゆる“マジメ夫”が離婚したいという悩みを抱えているのだ。
なぜ、“マジメ夫”が離婚を考え、実際に行動に移しはじめているのか。具体的な相談例から検証してみよう。
※登場人物のイニシャルと年齢は変えてあります
結婚生活15年、浮気経験ゼロの夫が下した決断
【CASE1】セックスレスのまま終わりたくない夫
「妻には申し訳ないけれど、今は離婚して第二の人生を歩むことしか考えられない」と静かに心の内を話すのはKさん(46歳)。大学卒業後、就職した会社で2歳年下の妻と知り合い、6年間の交際期間を経て29歳で結婚。子どもはなし。マジメを絵に描いたような性格のKさんは、これまで浮気の経験はゼロ。
「妻以外の女性と二人で食事に行ったこともなければ、誘おうと思った相手もいなかった」
そんなKさんが妻との離婚を考えたきっかけは、「セックスレス」と向き合ったことだった。
「コロナの影響で仕事のペースがゆるやかになった分、夫婦の時間に余裕ができた」というKさんは、コロナの騒動がはじまるまでは会社からの帰宅後も、夜は疲れて寝るだけの毎日。結婚前の付き合いも長く、結婚生活も15年以上になる妻とは、だいぶ前からセックスレスの関係だったものの、特に気にしていなかった。
「このままセックスをせずに人生を終わりにしたくない」
コロナによって家族の絆を見直す機会を得たKさんは、『もっと妻のことを大切にしよう』と思い、積極的にスキンシップをとろうと考えた。そこで、久しぶりに妻をセックスに誘ったところ、「いまさら無理でしょ」と笑いながら拒まれてしまったという。それから何度か妻に誘いかけても、「無理」「ありえない」「どうしちゃったの?」と応じてもらえることはなかった。
何度も妻にセックスを断られ続けるうちに、Kさんは自分がこれまで忙しさを理由に怠けてきた夫婦関係を深く後悔するとともに、コロナをきっかけに自分の将来を真剣に考えるようになったとのこと。
「このままセックスをせずに人生を終わりにしたくない。かといって、妻とはもうそういう関係が望めないのなら、身勝手は承知で離婚するしかないんじゃないか、と」
現在、Kさんは妻にどうやって離婚を切り出すべきか悩んでいる。
謝料と養育費を払ってでも手に入れたい生活
【CASE2】稼いだお金を自由に使いたい夫
「妻に離婚を切り出したものの、納得してもらえない」と相談に訪れたのはOさん(39歳)。Oさんもコロナをきっかけに自分の人生を見直したひとり。その結論として、3カ月前に「人生をやり直したい」と妻に離婚を提案したのだという。
Oさんより3歳年上の妻が、突然離婚を言い渡されて真っ先に疑ったのはOさんの浮気だった。「子どももいるのに、私と別れて浮気相手と幸せになろうだなんて、絶対に許さないから」と激怒。怒りのあまり、Oさんに内緒で夫の素行調査をプロに依頼したものの、結果は完全に“シロ”。自他ともにマジメを認めるOさんに女の影はなかった。
実はOさんには、妻との離婚を考える理由がほかにあったのだ。コロナをきっかけに自分の将来を考えた時、「これからは、自分のためだけにお金と時間を使いたい」と思ったのがそれだ。
まだだいぶ残っている住宅ローンと浪費家の妻の金遣いの荒さ、毎月20万円近くかかる二人の子どもの学習塾の月謝代やこれから負担を余儀なくさせられる親の介護費用のことなど莫大な出費のことを計算すると、「自分はなんのために毎日働いているんだろう」と激しいむなしさに襲われたのだという。
Oさんは、後悔しない人生を送るためにも、慰謝料と養育費を払ってでも離婚をし、好きな仕事に就いて稼いだお金を自分の趣味に使い、週末も思い通りの時間を過ごす選択をしたいと熱く理想を語るが、果たして妻に理解を得られるかどうかは未知数だ。
家族と一緒にいることが、息苦しくなった
CASE3】「夫」「父」のプレッシャーから解放されたい夫
「妻や母である前に、ひとりの女性でいたい」と願う女性が少なくないように、男性も「夫」や「父」という肩書にプレッシャーを感じる人もいるようだ。
コロナをきっかけにリモートワーク生活をスタートさせたTさん(37歳)は、自宅にいる時間が長くなり、家族とほぼ四六時中一緒に過ごすことになったおかげで息苦しさを感じはじめ、とうとう「離婚も視野に入れている」という深刻な段階まで思い詰めることになった。
模範的な夫、理想の父親でいられる自信がない
「もともとひとりが好きで、35歳まで独身だった自分が“できちゃった結婚”により妻と子どもという家族を持つことになった。“夫”にも“父”にも慣れない自分は、いまさらだが結婚に向いていないとわかった」
そう薄く笑うTさんは、妻からの愛情も重荷に感じていた、と話す。
「栄養バランスのことを考えて、朝昼晩と玄米と野菜中心のおかずの食事をつくってくれるのだが、実は自分はラーメンやハンバーガーで十分幸せを感じるタイプ。せめて昼くらいは外で食べたいが、子育て中の妻と毎日自宅にいる今はそれも許されないのがつらい」
Tさんはやがて、コロナ禍が収束しても、このままずっと朝から晩まで家族のいる家で仕事をすることになることを想像すると片頭痛が起こるほど、“夫”と“父”という肩書にプレッシャーを感じるようになった。
「コロナ以前は『結婚しても自分は外で好きにやっていればいい』と軽く考えていたが、これからは結婚生活に以前のような自由はないと知った。模範的な夫、理想の父親でいられる自信もまったくない。自分らしい人生を送るためにも、別居するしか選択肢が思いつかなかった」
Tさんは現在、自宅の近くに部屋を借り、ひとり暮らしをしている。妻と子どもとは週末に会うだけのライフスタイルが定着し、あれほど悩まされていた片頭痛はピタリとおさまったという。
コロナ前からくすぶっていた欲望が姿を現した
「男として“もうひと花”咲かせたい」「自分で稼いだお金は自分に使いたい」「家族の犠牲になるのではなく、自分らしく生きたい」という“マジメ夫”たちが引き起こす反乱は、実はコロナのせいではなく、コロナよりずっと前から自分自身のなかにくすぶっていた本音ベースの欲望であるはず。
コロナというウイルスが与える影響が大きくなり、「これからどう生きていくか?」という問題を、一人ひとりに突きつけられる局面に立たされた時、その眠っていたはずの欲望が顕著になってきたのではないか。一度きりの人生を自分でデザインしていく権利は誰にでもあるのだ。
もちろん、結婚していれば話は別。妻や子どもという家族がいれば、自分だけ身勝手な選択をすることは許されるはずもない。大事なのは、「自分と家族がどうしたら全員幸せになれるか?」を考えること。そのためにはまず、意見の衝突を恐れず、本音で話し合うこと。失うものも大きいのが離婚だからこそ、急ぐ必要はまったくない。離婚はしないに越したことはないのだ。