下記の記事は本日のAERAdotからの借用(コピー)です
米国のドナルド・トランプ大統領が、いよいよ「土俵際」に追いやられている。11月14日現在も大統領選の敗北を認めず法廷闘争に闘志を燃やしているが、メラニア夫人や娘婿のクシュナー上級顧問はすでにトランプ氏に敗北を受け入れるように助言したと報じられている。
そんな中、メラニア夫人がトランプ氏との離婚を考えているという驚きのニュースも飛び込んできた。
英タブロイド紙「ザ・サン」は、トランプ大統領の元補佐官で、2018年に暴露本を出版したオマロサ・マニゴールト氏の証言として、「メラニア夫人は大統領の任期が終了し、離婚できるようになるのを指折り数えて待っている」と報じた。
また、英タブロイド紙「デイリー・メール」は、メラニア夫人の元顧問であるステファニー・ウォルコフ氏の話として、メラニア夫人がトランプ氏との間の唯一の実子であるバロン君への財産分与を平等にするよう交渉していたことや、ホワイトハウスでの寝室をトランプ氏と別にしていたことなどを報じた。
トランプ大統領の3番目の妻で、ユーゴスラビア(現・スロベニア)出身の元モデルという経歴からも注目されてきたメラニア夫人。夫婦の間で、何が起きているのだろうか。海外王室や要人外交に詳しいジャーナリストの多賀幹子氏は言う。
「メラニア夫人はトランプ氏よりも24歳年下。元モデルという華々しい経歴からも、トランプ氏にとっては男性が社会的成功を成しえた証として欲しがる『トロフィーワイフ』的な存在ではないかと言われてきました。実際、夫にアドバイスをするような場面はあまり見られず、美しい姿でそばに立っていることだけが期待されているようでしたし、彼女自身、その役割を忠実に果たしてきたように見えます」
ファーストレディという役割への意識を問われたこともあった。2018年6月、米テキサス州にある子どもの移民の収容施設を訪れた際、着用していたジャケットに「私には本当にどうでもいい。あなたは?」との文字があり、誰に向けたメッセージなのか波紋が広がった。
「歴代ファーストレディは、社会的な活動やメッセージを発信するのですが、メラニア夫人にはこれと言った功績がなかった。彼女にとっては、自分を失った4年間だったのかもしれません」(多賀氏)
過去には、トランプ氏が手をつなごうとしたのを払いのけ、嫌悪感を抱いていると受け取られる場面も話題になった。
「トランプ氏は『アメリカファースト』を掲げて移民を排除する政策を推進していましたが、スロベニア出身のメラニア夫人も移民ですから、内心、不満や葛藤があったのではないでしょうか」(同)
大統領ではなくなった夫を見捨てるようにも見られるが、自らをトランプ氏から「解放」されることで、メラニア夫人は自由を手に入れることになるのかもしれない。
一方、トランプ氏が失うことを本当に恐れているのは、妻よりも敗北後の訴追ではないかという見方もある。国際ジャーナリストの春名幹男氏が解説する。
「16年の米大統領選をめぐる『ロシア疑惑』に絡み、捜査を中断させようとした司法妨害の疑いが濃厚とされており、大統領を辞めると逮捕される可能性があります」
この窮地を避けるためには大統領であり続けるしかないため、「敗北宣言」に踏み切れないのではないかという見方もある。「ウルトラC」的な方法としてささやかれているのは、任期中にあえて辞任し、ペンス副大統領を大統領に昇格させることだ。
「大統領になったペンス氏がトランプ氏に対して刑事責任を問われない免責特権を約束すれば、訴追を逃れられるでしょう。過去には、ウォーターゲート事件で1974年8月にニクソン大統領が辞任した際、副大統領のフォードが大統領に昇格して免責を与えた例があります。これによってニクソン氏は罪に問われませんでしたが、フォードは2年後の大統領選で敗北しました」(春名氏)
ピンチが続く中、トランプ氏の「逆襲」はあるのだろうか。
下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です 記事はテキストに変換していますから画像は出ません
「食べ放題」はなぜ人気なのか
好きな食べ物を、好きな量だけ、何度でも食べられる「食べ放題」システムは、まさに「強欲」を地で行くような食事のスタイルです。
日本における食べ放題の歴史は実は新しく、1958年8月に新しく開館した帝国ホテル第2新館のレストラン「インペリアルバイキング」が始めたのが最初だと言われています。新館の目玉となるレストランを探していた当時の帝国ホテルの犬丸社長が、旅先のデンマークで北欧式のビュッフェ「スモーガスボード」に出会ったのがキッカケだそうです。
日本にはそれまでなかった「食べ放題」システムに感動した犬丸社長は、その仕組みを日本に輸入しようと考えました。ただ「スモーガスボード」という日本人にはあまり馴染みのない名前だと人気が出ないと考え、その新名称を社内公募します。
「北欧と言えばバイキング」という、やや安直(?)な発想と、ちょうどその当時に『バイキング』という映画が上映されていて、その映画に登場する豪快な食事シーンが社員の印象に残っていたという理由で、「バイキング」という名前になったそうです。
当時の大卒初任給は12800円、一方で「バイキング」はランチ1200円、ディナー1600円とかなりの高級路線のレストランでした。しかし開店直後から人気に火が付き、全国各地に「食べ放題」システムが伝播していきました。
これが「バイキング形式」として知られる「食べ放題」システムの由来です。
この基礎的な欲求を満たす
この「食べ放題」システムが今に至るまで人気であり続けているのは、「好きなものをお腹いっぱい」食べられる満足感が最大の理由であるのは言うまでもありません。
ちなみに、アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。
その最下層に「生理的欲求(Physiological needs)」が位置しています。食欲は「生理的欲求」の1つで、マズローの理論からすれば「食欲は人間の最低ランクの欲求」となります。ただそれは決して悪い意味ではなく、そうした基礎的な欲求である「食欲」が充たされてこそ、自己実現などのさらに高レベルの欲求を人は追求できるのです。
食べ放題がもたらす「気分一致効果」
筆者は「ご褒美」と称して、たまにホテルバイキングへ出掛けます。和やかな雰囲気に包まれ、自分の食べたい物だけを何度も食べられるので、幸せな気持ちになります。それに周囲を見渡しても、他のお客さんも同じように幸せそうに見えます。そもそもホテルバイキングで、険しい顔の人を見かけた記憶がありません。
なぜ食べ放題に来ると、みんな楽しそうなのでしょうか。それはおそらく心理効果の1つ「気分一致効果」の影響だと思われます。美味しい料理をたらふく食べて、食欲が充たされているからこそ、自然と笑顔になるのでしょう。
【気分一致効果】Mood congruency effect
その時々の気分や感情に見合った情報に目が向きやすくなる、あるいは関係した記
憶を思い出してしまう効果。良い気分の時には良い情報を、悪い気分の時には悪い
情報をよく思い出します。
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●具体例
イライラした気分で街中を歩くと、緊急事態宣言が出ている最中に県外から来たナンバーの車にイライラして「自粛しろ」と怒り出してしまう。一方で、機嫌がいい時には自粛の最中でも営業している店を見つけると意気に感じて、ついつい買ってしまう。スピリチュアルな世界では「引き寄せの法則」と呼ばれているようです。ところが、筆者の故郷・大阪では雰囲気が一味違います。大阪新阪急ホテルにある関西最大級のグルメバイキング「オリンピア」では、お店の開店前に入り口で順番を待つお客さんの雰囲気は、さながら「戦場に向かう武士(もののふ)」といった趣きです。
ほとんどの人が「元を取りたい」と考えているので、母親が指揮をとって、父親に「あなたはローストビーフ」、息子に「あなたはお寿司」、娘に「あなたはフォアグラ」と作戦指導をしている光景を本当に冗談抜きで目にします。
時間を迎えてスタッフの案内で着席したとたん、まるで悪魔が獲物を漁るかのような勢いでお目当ての品に向かってみんな飛び掛かかります。それが最後の最後まで続くのですから、正直ちょっと怖い。ただし、大阪では日常茶飯事です。
人はなぜ「元が取れる」と誤解するのか
普通の食事なら元を取ろうとは思いません。そもそもメニューが決まっていて取りようがありません。出された水をいっぱい飲もう、取り放題の紅生姜をいっぱい食べようなんて考える人はまずいません。
一方、高級寿司や焼き肉の食べ放題では、「元を取ろう」とする行動が多く見られます。原価が高そうに見える「食べ放題」には、人を強欲な悪魔に変える何かがあるのです。おそらくは「いっぱい食べれば元が取れるかもしれない」という仮説が、「元が取れるにもかかわらず、食べなかったら損をする」という感情を引き起こしているのでしょう。
これは関西人がケチだからではなく、どんな人間でも「損をしたくない」という本能をもっているからです。これを「損失回避」「サンクコストの誤謬」と言います。
【損失回避】Loss aversion
利益の獲得より、損失の回避を好む傾向。人間はとにかく損をしたくない生き物。
行動経済学におけるプロスペクト理論を構成する1要素でもあります。
________________________________
●具体例
(A)確実に1万円を貰える。(B)50%の確率で2万円を貰えるが、50%の確率で0円になる。どちらかの選択肢を迫られると、多くの人は(A)を選びます。中にはリスクをとって(B)を選ぶ人もいるかもしれません。(C)確実に1万円を失う。(D)50%の確率で2万円を失うが、50%の確率で0円になる。一方で、趣旨が利益から損失になると、多くの人は(D)を選びます。どちらも平均1万円を得るか失うかなのですが、1万円を得る喜びと、1万円を失う悲しみは同義ではないのです。少しでも「損をしない可能性」に賭けたいのです。似たような状況として「株の損切り」が考えられます。株価が下がっても、もしかしたらチャラになるかもと考えて売り出せず、余計に損失を被ってしまうのです。
【サンクコストの誤謬】Sunk cost fallacy
今まで投資したコスト(お金・時間・労力)のうち、撤退・中止しても戻ってこない分をサンクコストと呼ぶ。サンクコストの誤謬とは、今まで投資したコストが無駄になる恐怖から、これまで行ってきた行為を正当化するために、非合理的な判断を行う状態を
開始10分で「つまらない」と思った映画でも、1900円支払ったから、10分見てしまったから、という理由で残り110分見続けてしまう。この事例において1900円と10分はもう戻ってこない「サンクコスト」です。すでに回収不能な1900円と10分は判断基準から外して「映画がこの先面白くなる可能性」と「中断した場合に得られる110分の価値」を比較するのが本来合理的な行動ですが、多くの人はサンクコストを判断基準に含めて意思決定してしまいます。
仮に5000円のホテルバイキングだったとして、元を取ろうとする人は、
(A)5000円分を食べきれない(損をする)
(B)5000円分食べて元を取る(損をしない)
どちらかを選択するよう迫られているのだ、と考えれば行動の理由も多少は納得できます。ただ5000円はすでに払ってしまった回収不能の「サンクコスト」ですので、二度と戻ってきません。たくさん食べようが食べまいが、金銭的な損得には全く影響しません。
人は「腹八分目」には熱狂しない
食べ放題に来て元を取ろうとするあまり、「元を取ろうぜ」という悪魔のささやきに騙されて、ローストビーフなどの原価が高そうなメニューばかりを注文する、マナー的にいささか見苦しいお客さんも時にはいます。
一方で、ここにあげた「損失回避」や「サンクコストの誤謬」を知り、「元を取ろうとしても無意味」だと理解しているような人は、そうしたお客さんを冷ややかな目で見ています。「バイキングは料理を少しずつ取って、たくさんの種類の料理を楽しむもの。それなのに同じ料理ばかり取っていて飽きないのか」という意見もあるでしょう。
ちなみに、同じ食事を食べているうちに飽きてしまう現象を、感覚特異性満腹感(sensory-specific satiety)と言います。同じ味ばかり食べると、脳に「飽きた」という信号が送られてしまうので、すぐ満腹になってしまうのです。新しい味と出会うと新たに食欲が刺激され、空腹感を覚えるようになります。
「デザートは別腹」と言いますが、まさにこの感覚特異性満腹感によるものです。お腹がいっぱいになるのは「脳がいっぱい」になっているだけなので、違う味を食べるとまるで別の腹に収めるかのように、また食べられるのです。
だからバイキングで感覚特異性満腹感が刺激されてしまい、満腹なのに食べ続けて、最後には体調を崩してしまう人が中にはいるのです。「元を取ろう」という悪魔のささやきに騙された人たちです。
「元を取ろうぜ」という悪魔のささやき
「せっかくの楽しい食事なのに、元を取ろうとして苦しくなったら台無し」というのも一理あります。
松本健太郎『人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学』(毎日新聞出版)
しかし、せっかくお腹いっぱい食べるために食べ放題に来て、量をセーブして腹八分目できれいに食べよう、というのもまるで優等生の発言です。たくさん食べることで満足する筆者は、ちょっと反感を感じます。「キレイごと」だけでは人間を語れません。
欲望に素直になると、心に開放感がおとずれます。仕事で嫌な出来事があったあと、暴飲暴食に走るのはよくあるストレス解消法です。「気分一致効果」でご説明した通り、食べ放題に来たお客さんの間には幸福感が漂っています。
腹いっぱい食べることで幸福感がおとずれ、ストレスが解消されるのです。つまり「食べる」ことの効用は、1つではないということです。生命維持の観点、あるいは健康で文化的な生活の構成要素としてのみ「食べる」ことを考えていると、50%の「悪」の部分を見落としてしまいます。
いつも陽気に明るくという風潮に従わなくていい
いつでもにこやかに、陽気にポジティブに振る舞わなければならない、という社会的な風潮があります。笑わない男性はというと、あまり人気がありません。
たしかに、接客業などで働くのであれば、愛想の良さが大切ですけれども、そうでないのであれば、男性はムリに笑顔のトレーニングなどをしなくてもよいかもしれません。
女性上司からすれば、愛想のない男性部下に対して、「もっと愛想よくしたほうがいいんじゃない?」とアドバイスしたくもなるかもしれませんが、それを求めるのはやめましょう。どうせ、ぎこちなくて、不自然な笑顔しか作れませんから。
「男は三年に方頬」という言葉をご存じでしょうか。
男性は、いつもニコニコしていると、かえって威厳が損なわれてしまうので、三年に一回だけ、それもほんの少し方頬が動く程度の笑いをすれば十分だよ、という意味です。今では、あまり使われていない言葉だとは思うのですが、これは心理学的にも正しいことがわかっています。
男女でここまで違う「笑顔」が与える印象
米国ニューヨーク州にあるヴァッサー大学のアミー・ハルバースタットは、15の雑誌に掲載されている男女の広告モデルについて分析してみたことがあります。それぞれのモデルはいろいろな表情を見せているわけですが、それらの表情がどんな印象を与えるのか、20名の判定員に、得点をつけてもらったのです。
その結果、女性モデルでは、笑顔を見せているほど好印象でしたが、男性モデルでは逆になることがわかりました。男性モデルでは、笑って「いない」ときのほうが、強そうなイメージ、男らしいイメージを与えることが判明したのです。
にこやかな笑顔の男性は、たしかに女性にモテるのかもしれませんが、仕事ができるというイメージは与えません。どちらかというと、ヘラヘラしていて、重みを感じさせないためです。
その点、笑顔を見せない男性のほうが、どっしりと構えていて、感情的に落ち着いていて、風格が漂っているような印象を与えます。仕事に役立つのは、こういうイメージでしょう。
ポーカーフェイスは武器になる
もちろん、明るく、快活に振る舞うほうが自分の性格にもピッタリ合うというのであれば、「笑顔を武器」として、その笑顔に磨きをかけていくとよいでしょう。
けれども、どうにも笑顔を見せるのがうまくできないというのであれば、いっそのこと笑顔のほうは諦めて、クールで、落ち着いたポーカーフェイスを崩さない、という方向のトレーニングをしたほうがよいかもしれません。普段まったく笑わない人が、三年に一度くらいにこりと笑うのも、そのギャップによって周囲からの評価はさらに高まるはずです。
もともと愛想の良い女性の上司からすれば、愛想のない男性に腹が立つこともあるかもしれませんが、あまり愛想を求めなくともよいのです。
笑顔を見せないほうが、頭もよく見える
私たちは、笑顔の力を過大評価しすぎています。
たしかに、「笑う門には福来る」という言葉があるように、いつでもニコニコしていたほうが、幸せに生きていけるのかもしれません。しかし、笑顔を見せられない人は絶対にダメなのかというと、そんなこともないのです。
笑顔を見せている人は、より幸せそうに見えますし、より魅力的に見えますし、より親しみやすい、と思われることは事実です。しかし、ここには文化差もあることがわかっています。
ポーランド・サイエンス・アカデミーのキューバ・クリスは、44の文化の約4500名に、笑顔の写真を4枚、無表情の写真を4枚見せて、それぞれの印象を尋ねるという研究をしました。
その結果、44のうち18の文化では、「知性」に関して言うと、「笑顔のほうが知的に見える」という答えが多かったのですが、日本、インド、韓国、イラン、ロシア、フランスでは、まったく逆に、笑っていると、「知的でない」とされることがわかったのです。
クリスの論文のタイトルは、「笑顔を見せるときには、どの国で見せるのかに気をつけて」というものですが、こと日本に関しては、笑顔を見せていると、「おバカさん」に見えてしまう可能性が高いということを覚えておくといいでしょう。世界中のあらゆる国で、笑顔がよい印象
自信のなさが笑顔に出てしまう
女性もビジネスシーンで大いに活躍する時代です。職場でにこやかにしすぎると、魅力的ではあっても、何となく頼りない印象を持たれてしまうリスクがあります。それが仕事に役に立つのならいいのですが、もしそうでないのなら、愛想を振りまくのはシーンを選んだほうがいいでしょう。
メガネをかけると知的に見えますが、さらに笑顔を減らしてみると、もっと知的に見えるでしょう。「仕事ができそう」「仕事が早そう」「計算能力が高そう」「教養がありそう」というイメージを周囲の人に与えたいのであれば、簡単な話で、あまり笑わないようにすればいいのです。そうすれば、だれでも知的な印象をアップさせることができます。
私たちは、自分に自信がなくて、不安なときにも笑顔を見せます。そういう笑顔は相手にもバレてしまうので、「この人は、この仕事をやり遂げる自信がないのかな?」と思われてしまうかもしれません。逆に、まったく表情を動かさずにポーカーフェイスでいたほうが、自信があるように見えて、相手も仕事を安心してまかせてくれる、ということもあるでしょう。場面ごとに、笑顔を賢くコントロールして自分の印象を管理していくことが大切なのです。を与えるというわけでもないのです。
いつも陽気に明るくという風潮に従わなくていい
いつでもにこやかに、陽気にポジティブに振る舞わなければならない、という社会的な風潮があります。笑わない男性はというと、あまり人気がありません。
たしかに、接客業などで働くのであれば、愛想の良さが大切ですけれども、そうでないのであれば、男性はムリに笑顔のトレーニングなどをしなくてもよいかもしれません。
女性上司からすれば、愛想のない男性部下に対して、「もっと愛想よくしたほうがいいんじゃない?」とアドバイスしたくもなるかもしれませんが、それを求めるのはやめましょう。どうせ、ぎこちなくて、不自然な笑顔しか作れませんから。
「男は三年に方頬」という言葉をご存じでしょうか。
男性は、いつもニコニコしていると、かえって威厳が損なわれてしまうので、三年に一回だけ、それもほんの少し方頬が動く程度の笑いをすれば十分だよ、という意味です。今では、あまり使われていない言葉だとは思うのですが、これは心理学的にも正しいことがわかっています。
男女でここまで違う「笑顔」が与える印象
米国ニューヨーク州にあるヴァッサー大学のアミー・ハルバースタットは、15の雑誌に掲載されている男女の広告モデルについて分析してみたことがあります。それぞれのモデルはいろいろな表情を見せているわけですが、それらの表情がどんな印象を与えるのか、20名の判定員に、得点をつけてもらったのです。
その結果、女性モデルでは、笑顔を見せているほど好印象でしたが、男性モデルでは逆になることがわかりました。男性モデルでは、笑って「いない」ときのほうが、強そうなイメージ、男らしいイメージを与えることが判明したのです。
にこやかな笑顔の男性は、たしかに女性にモテるのかもしれませんが、仕事ができるというイメージは与えません。どちらかというと、ヘラヘラしていて、重みを感じさせないためです。
その点、笑顔を見せない男性のほうが、どっしりと構えていて、感情的に落ち着いていて、風格が漂っているような印象を与えます。仕事に役立つのは、こういうイメージでしょう。
ポーカーフェイスは武器になる
もちろん、明るく、快活に振る舞うほうが自分の性格にもピッタリ合うというのであれば、「笑顔を武器」として、その笑顔に磨きをかけていくとよいでしょう。
けれども、どうにも笑顔を見せるのがうまくできないというのであれば、いっそのこと笑顔のほうは諦めて、クールで、落ち着いたポーカーフェイスを崩さない、という方向のトレーニングをしたほうがよいかもしれません。普段まったく笑わない人が、三年に一度くらいにこりと笑うのも、そのギャップによって周囲からの評価はさらに高まるはずです。
もともと愛想の良い女性の上司からすれば、愛想のない男性に腹が立つこともあるかもしれませんが、あまり愛想を求めなくともよいのです。
笑顔を見せないほうが、頭もよく見える
私たちは、笑顔の力を過大評価しすぎています。
たしかに、「笑う門には福来る」という言葉があるように、いつでもニコニコしていたほうが、幸せに生きていけるのかもしれません。しかし、笑顔を見せられない人は絶対にダメなのかというと、そんなこともないのです。
笑顔を見せている人は、より幸せそうに見えますし、より魅力的に見えますし、より親しみやすい、と思われることは事実です。しかし、ここには文化差もあることがわかっています。
ポーランド・サイエンス・アカデミーのキューバ・クリスは、44の文化の約4500名に、笑顔の写真を4枚、無表情の写真を4枚見せて、それぞれの印象を尋ねるという研究をしました。
その結果、44のうち18の文化では、「知性」に関して言うと、「笑顔のほうが知的に見える」という答えが多かったのですが、日本、インド、韓国、イラン、ロシア、フランスでは、まったく逆に、笑っていると、「知的でない」とされることがわかったのです。
クリスの論文のタイトルは、「笑顔を見せるときには、どの国で見せるのかに気をつけて」というものですが、こと日本に関しては、笑顔を見せていると、「おバカさん」に見えてしまう可能性が高いということを覚えておくといいでしょう。世界中のあらゆる国で、笑顔がよい印象
自信のなさが笑顔に出てしまう
女性もビジネスシーンで大いに活躍する時代です。職場でにこやかにしすぎると、魅力的ではあっても、何となく頼りない印象を持たれてしまうリスクがあります。それが仕事に役に立つのならいいのですが、もしそうでないのなら、愛想を振りまくのはシーンを選んだほうがいいでしょう。
メガネをかけると知的に見えますが、さらに笑顔を減らしてみると、もっと知的に見えるでしょう。「仕事ができそう」「仕事が早そう」「計算能力が高そう」「教養がありそう」というイメージを周囲の人に与えたいのであれば、簡単な話で、あまり笑わないようにすればいいのです。そうすれば、だれでも知的な印象をアップさせることができます。
私たちは、自分に自信がなくて、不安なときにも笑顔を見せます。そういう笑顔は相手にもバレてしまうので、「この人は、この仕事をやり遂げる自信がないのかな?」と思われてしまうかもしれません。逆に、まったく表情を動かさずにポーカーフェイスでいたほうが、自信があるように見えて、相手も仕事を安心してまかせてくれる、ということもあるでしょう。場面ごとに、笑顔を賢くコントロールして自分の印象を管理していくことが大切なのです。を与えるというわけでもないのです。
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