徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

鍵泥棒のメソッド 【黒版】最終週(ネタバレあり)

2014年05月29日 | 舞台


いよいよ東京公演も最終週です。池袋駅の地下ダンジョンもサンシャインシティへの長い長い道のりも、ようやく迷わず(戸惑わず?)行けるようになりました!(^^; ←池袋は滅多に行かないヒト。
昨夜はキャラメルボックス初観劇という友人を「白黒両方観るべし」と誘って、サンシャイン劇場に行ってまいりました。


第1週 5/11 ●
第2週 5/13 ○ 5/15 ○ 5/17 ●○
第3週 5/20 ● 5/23 ○
第4週 5/28 ● ←今ココ


今日同行する友人は、これまた学生時代に自分も舞台に立ったり、裏方の仕事もしていた経験があるとのこと。今でも時間を見つけては芝居やライブに足を運んでいるので、結構「独特の視点とセンスで」何かを感じ取ってくれそうな予感がします。ちなみに私が「最初に【黒版】その次の日に【白版】を観ない?」と両方勧めたのはこの友人だけです。(それもちゃんと理由はある)

細かなネタの変更(ごみ袋の中身、亀→ウーパールーパーw)他、リピーターがニヤリとするポイントは「外してない」ようです(笑)私は【黒版】の雰囲気(お芝居)がホントに好きで、今回もBlack愛が止まらない!状態。しかも何度観てもマンネリとは程遠いし、一体何処まで変わり続けるんだろう!?と。オープニングも、お気に入りのダンスシーンはもちろん、阿部さんのコンドウと安理ちゃんの香苗にまたまたまたしても胸キュンして、畑中さんの桜井はもう、「意外性のカタマリ」今日観て良かった!(≧▽≦)と大満足でした。

この日は初見っぽいお客さんが多くて、笑いも通常の5割増し?賑やか過ぎて続く台詞が聞き取れないこともしばしば(笑)そして相変わらずはっちゃけたクロスキャストのシーン…岡田さーん…もうアナタ様の主演する【白版】を笑わないで観る自信がありませんよ、私(^^;
桜井の「殺される稽古」も輪をかけて面白くなっていて、熱演に拍手が出るわ、場内は大爆笑だわ…ここのコンドウの「呆然」とした顔もマイ見所で大好きなシーンなんですけどね。ところで、ラストのコンドウと香苗の再会シーン、まるでこれが幕引き?かと錯覚したかのような拍手が次の暗転で出ちゃったのは、ちょっと驚きましたが。え?あそこで拍手していいの?!(^^;;; 謎です。



☆★   ☆★



さて。恒例の?「初キャラメルボックス誘ってみた!」コメントコーナー♪
やっぱりこれを聞く&感想を語るのがお芝居の楽しみなんですよね。


◆舞台の感想
・久しぶりにお腹から声出して笑った!そして隣で観てる人(=私)が、もう何度も同じ舞台観てるはずなのに自分以上に全力で笑ってるの見てビックリした!(笑)自分の見る舞台はいつも暗かったり難解だったり、舞踊でも「脱ぐ」っていったら普通に「全部脱いじゃう」ようなものだから、あのオープニングも含めてエンタメ的。すっごく新鮮で、気持ちがスッキリした!終わってからものすごく気持ちよくビールが飲める、後味のスッキリした舞台。エンディングシーンが特に良いね。

・こういう言い方は相応しいかどうかわからないけど、舞台の上に「日常的リアリティ」があった。TVでよく見る有名な俳優が主役をやってる舞台なんかだと、「どうせ別世界の話でしょ?」と白けちゃう時もあるけど、今日はストーリーの突拍子の無さとは別に、どの役者さんも「自分の日常にごく自然に存在していそうな」臨場感や親近感があって、観ていて楽しかった。その分自分と置き換えて考えてしまうところもいっぱいあったし…。そのリアリティは、時に面白かったり、時に痛かったりしたんだけど。

・お芝居もそうだけど、自分は舞台転換にも興味があってじっくり観察してた。普通は暗転や回転で舞台の変換作業を「見せない」ことに徹すると思うんだけど、黒子じゃなくて白子みたいなの(=白黒ロングジャケット着用のキャスト)がわらわら出て来て、芝居の一部みたいにして「見せて」いることも新鮮。「隠すことを前提に」していて、ウッカリ裏方が見えちゃうと、観客としては「気持ちが醒めちゃう」ゆるキャラの頭が取れちゃったとか、ミッキーの中の人がいたとか、そのぐらい醒める。でも、ああして「舞台の一部」として見せることで、こちらも全然気にならないのが面白かった。

・客層は若いのかな?(私:そうでもないよ?)今日は周囲に学生さんが多かったけど、あまり観劇慣れしてない人が多かったよね。あと「BlackとWhiteがあります!」とカテコで言った時に、1階後方PA両サイドあたりのお客さんが「ええっ?!」「初めて知った!」的な反応してたけど、みんな知らないで来てたんだねー…(苦笑)

・今日観たのはBlackだけど、観終わった瞬間「あ、これはWhiteも観たい!っていうか絶対観なくちゃ!」って思った!もし1回だけの予定で観に来てたら、もう一公演観るために急に仕事の都合をつけるのはすごく難しかっただろうし。「両方観ろ!」って最初から誘ってくれたのが、今にして思うと本当にありがたかった!(私:そこまで言って頂けると誘った甲斐があります♪)今からもう明日がワクワク。こんなに自分の中のハードル上げてWhiteを観ても大丈夫かな?(笑)


◆一番好きなキャラクターは?
香苗。しっかり者なんだけど、どこか抜けてるところがすごくかわいい。今日は姉妹の妹と言う設定だったけど、自分だったらこんなお姉ちゃんがいてもいいな、と弟目線でも見てしまう愛嬌があった。もっと「怖いおかん」的な保護者になっちゃうとストーリーとして面白くなくなっちゃうし、記憶を失くしたコンドウとの絡みがすごく面白かった。ただ他のキャラクターは明瞭に台詞で感情の変化を表現しているけれども、香苗に関しては台詞の声が全編通してほぼ同じ調子なので「どんな表情をして喋っているのか」とか「どんな感情表現をしているのか」をもう少し近くで観察したいと思った。


◆一番印象に残ったキャラクターは?
桜井。ある意味一番「分かりにくい」存在。天涯孤独で仕事もない、お金もない、彼女もいない…ないない尽くしに見えながらも、「人間はひとりじゃ生きて行けないんだな」と思わせられるキャラクター。彼自身は基本的に何もできないし、決定打となるアクションも完全には成功しない。ストーリーの中でもうダメだ、と何度も追い詰められるのに、周囲にちゃっかり助けられたり、予想外の展開で命拾いしたり。その「往生際の悪いあがき方」「カッコ悪さ」が、本当にリアルで、近いものを感じたんだよね(苦笑)。自分で主導権を握ろうとして、いつも失敗して、周囲に振り回される…そのドタバタ感とか、ダメさ加減とか、35なのにこれかよ…といった「残念クオリティ」な所が、実は「自分にもあるある!」そこに共鳴してしまって思わず「イタタタタ」となった。人間は誰しも仕事や家庭、人生のあらゆる場面で「演じなくちゃいけない」けど、今の自分は桜井と同じ「大根役者」こんなはずじゃないのになあ…と何だか身につまされた。


◆一番自分で演じてみたいキャラクターは?
コンドウ。桜井が「自分のダメな所」を鏡みたいに見せつけてくるキャラだとしたら、今日見た(覚醒後の)コンドウの存在感や演技力、頼りになる状況打開力は「自分がこうありたい」という理想のイメージに近いから。一方で「今ではないけど、かつては自分だってこのくらい出来てたはずなのに…!」という悔しさと言うか、負けん気も感じるところがあって…「自分にだって出来るはず!」と思わせてくれるパワーがあった。記憶失っててもその存在感や芯の通った強さは全然ブレてないし、とにかくカッコ良かった。



☆★   ☆★


初参戦で二連戦?とCB加藤社長には驚かれましたが、これこそ理想の『鍵メソ』鑑賞スタイルかと思っておりまする。(笑)
順番はやっぱり「黒→白」ということで、第二夜【白版】は本日です!