36協定を結ぶシーズンがめぐって来ました。36協定に書く数字、番外編、今回は任意欄についてです。
協定届の「日、月、年」の協定時間数を書くそれぞれ右隣に(任意)という欄があります。「法定」労働時間超えでなく「所定労働時間を超える時間数」となります。埋めないで空欄のままで差し支えないのですが、書く場合はちょっとした注意が必要です。
この「任意欄」の存在を簡単に説明すると、法改正前の届出た36協定の中で、中身は法定越え時間でなく「所定超え」限度時間にて協定していた事業者が相当数あり、例外的に受付していました。受付していたというか、中身が所定超えだとわかるのは、監督に入って関係者に聴取し就業規則等精査してから判明するのです。
今般働き方改革法制定で、月、年の限度時間数上限を法定化しました(ただし日の限度時間は法定されてません)。慣例として受け付けた所定超えの協定届をはばむ意味で、法定越え、所定越えを併記させる形で、法定越えの届であることを明確にさせたのです。
たとえば、日所定7時間45分の事業所があったとして、これまで所定越え6時間と協定していたのでしたら、今後記入する形は、
1日 | |
法定労働時間を超える時間数 | 所定労働時間を超える時間数 (任意) |
5時間45分 | 6時間 |
6時間 | 6時間15分 |
といった法定との差15分調整した記載の仕方になります。一方、月、年の任意欄については、裏面の記載要領にあるようにそれぞれ取りうる最大時数を書きます。もちろん記載任意ですので、いずれも空欄でかまいません。
最後に、日所定8時間労働の事業所でしたらどういう記載になるかといえば、「法定超え」「所定超え(任意)」共に同じ時間数が入るため、その任意欄を用いることはありません。
(2025年2月15日投稿)
関連資料
・厚労省 働き方改革労基法Q&A2-33、2-34参照