労働法の散歩道

yahoo知恵袋で回答していて、繰り返し同じ投稿するロスを減らすために資料室としてもうけました。

労使協定違反

2024-12-08 07:50:38 | 労働法
 

投稿記事一覧

ある社労士ブログにこういった不等式が提示されてました。

労働協約 > 労使協定 > 就業規則

労使協定と労働協約の優先順位の説明としてです。現職の社労士さんなら労働法を広く深く学ぶ機会があるでしょうに、この程度の理解しかないのはいささか驚きです。ちなみに「協定違反の罰則」という項目もたてて、協定違反には罰金懲役刑になるというのです。

別記事にも書きましたが、労使協定の法的位置づけを知っていれば、上のような不等式に就業規則につづけて個別労働条件(労働契約)がつくことはあっても、労使協定が並ぶことはないです。労使協定とは、労働法違反となる使用者行為に対し、免罰されることに労側が同意する書面です。

すなわち労使協定を結んで生じる効果としては、法定された範囲の違法行為をする使用者が司直の取り調べをまぬがれるだけで、労働者になんらの権利義務が生じることはありません。36協定でいえば、時間外休日労働に服する義務は、協定締結届け出からは派生せず、あらためて就業規則、労働協約での所定時間超える時間外休日労働につき規定化が必要ということです。よって上の不等式に労使協定が並ぶことはないという結論になります。

協定違反にしても、協定に違反する主体があるとすれば、労使間の締結協定を無視して使用者を立件する司直ということになります。では36協定での限度時間超えて働かせばどうなるかというと36協定違反とか36条違反でなく、時間外労働なら32条等違反となります。

労働協約 > 就業規則 > 労働契約

労使協定 

(2024年12月8日投稿)

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労使協定の協定項目

労働協約と労使協定

労使協定の締結

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行政サービスとしての労働相談

2024-01-15 11:03:53 | 労働法

労働基準監督署、ハローワーク(略してハロワ、正式には公共職業安定所)の上部組織として都道府県ごとに労働局があり、これらは国、厚生労働省の出先機関です。労働基準監督署というところをまちがえて労働基準局という回答をみかけますが、こちらは厚生労働省の一部局で労働局以下を指導監督する部署です。

さらにややこしいのは、都道府県ごとに雇用労働を取り扱いする部局があり、さらに労働委員会という行政組織も都道府県ごとに設けられています。労働委員会は労働組合と事業者の間を取り持つ機関で、行政サービスとして労働組合がかかわらない個別労使紛争をあっせんするサービスをおこなっているところもあります。労働委員会の上部組織は、中央労働委員会になります。一方県庁組織のほうは、産業振興としての労働雇用推進が主眼で、労働相談を受けているところもあります。こちらは国とは関係のない、都道府県庁の一部門 です。

労働相談受け付ける県庁組織や労働委員会は労働問題に詳しいですが、取締り機関でありませんので、はなから事業者取締り処罰を指向するなら、司法警察官たる労働基準監督官がいる労働基準監督署をお訪ねください。

このほか民間でも、労働相談やあっせんをとりもつ組織があります(例:社会保険労務士会等)。昔にくらべ、労働者の困りごと解決の道は、多種多様にアクセスできるようになりました。もちろん例外もあるかもしれませんが、事業者からの労働相談も受け付けています。

全国の県庁のなかでも特筆できるのは、東京都庁の労働法・就業規則に関する資料、神奈川県庁の労働問題対処ノウハウ集でしょう。内容充実しています。

今後もこの手のサービス見かけたら、紹介したいと思います。

(2024年1月15日投稿)

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労働問題の相談サイト紹介

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労働審判雑感

2023-06-11 14:42:56 | 労働法

労働審判を在職中3回ほど経験させていただきました。3回とも労側からの訴えで始まったものの、みな雇用主側が満足する結果に落ち着きました。そこで労側に訴えられる雇用主サイドからみた雑感を書き残しておきます。

訴えられた場合、こちらの準備期間は正味1か月あるかないかです。顧問弁護士がいればいいですが、いなければ受件してくれる弁護士を早急に確保せねばなりません。相手は、準備に数カ月かけて申立書を立案できますが、訴えられたこちらはそうはいきません。第1回期日はきめられておりその1週間前だか答弁書を送付しておかねばならないからです。これが正味1か月あるかないかの正体です。

訴えられるかにかかわらず問題社員をかかえるのは、雇用主にとっては向き合わねばならないリスクですが、対策はないわけではありません。ともかく普段から克明に記録を取っておくことです。日時場所天候、その日その日どういう仕事をさせたか、労働者の言動、対する使用者の教育指導、誰がかかわっていてなにを言いきかせ、そのリアクションがどうだったか、その後の効果の有無までみっちり記録しておくことです。こういった記録を残してあれば、相談を受けた弁護士も勝ち筋を見いだせやすいでしょう。

送られてきた申立書にあることないこと書かれてあるものです。訴える弁護士も労働者の言い分だけから、訴状に書きやすい部分を、定型文におとしこんで作文書面にするのでしょう。だいたい問題社員は、勤務部署でも上司同僚と衝突しがちで、コミュニケーション力に疑問符がついてます。上司同僚側に問題あるなら別ですが、当の本人に問題があるのに、自身に問題があるとは自覚してないので、そこがなかなか厄介なのです。当然、受件した労側弁護士も当人との意思の疎通が成立しているのか、申立書を読んでみても垣間見えます。訴える労側に塩を送ることになりますが、送付前の作文された申立書を読んでみて、ここは違う、こうだとしっかりと、受件してくれる弁護士とやりとりされることです。無いことをさも有利に書いてもらって、結局反論で足すくわれるのはあなたなのですから。

使用者側に話を戻します。答弁書も、記録をもとに回答作成していきます。矛盾点があれば丁寧に指摘しておきます。業務で当人と接触したことのある顧客や外部の関係者に協力してくれるなら、当人との接触体験を書面にしてもらいます。申立書も定型文からのコピペがあるので、期日の審判員たちは労側の申立を一方的にうのみにすることはないです。先に書きましたがこちらの筋の通った裏付けのある答弁書を読んでもらえたなら、労側訴えに眉唾して双方の訴えを聞き分けてもらえます。審判の席でもこちらに非がなければ、問題のある社員をかかえて困っているのだと淡淡と堂々としていればいいです。なにかにつけ逆上あるいは居丈高な態度は、かえってこちらの非のある何かを隠したいと思われてしまいます。

当日は、地方裁判所の玄関ロビーに、事件名、開始時刻と審判場所が掲載されています。指定の階の受付をすますと相手方と接触しないよう、審判室をはさんで別々の部屋で何組かの当事者と待機します。訴訟とことなり審判は非公開です。当事者以外傍聴されることはありません。順番が回ってきたら、労側、使用側交互にこれまた接触しないよう審判室によばれ、それぞれの言い分を聞きます。20人くらいは向き合える大きな丸テーブル正面に本職裁判官の審判官、その両側に労側使用者側の経歴をもつ審判員が1名ずつ座っています。答弁書の内容について尋ねられ、いったん退室し待機し、どこまでゆずれるかも聞かれます。そうしたやり取りを何度か繰り返し相手方の希望でか、審判室で相手方とはじめて対峙します。

審判員から審尋があり双方回答し、または主張し、審判員からの提言で折り合えば、その内容を記した審判調書が作成されます。折り合わなければ、その地裁が抱える件数によるのでしょうけどおおよそ1カ月後の第2回期日が指定され、それでも折り合わねば第3回期日と進み、そこでも折り合わなければ審判委員3人の審判書が作成されます。それに対しては一方、または双方異議あるなら、審判は失効し本訴にすすむのでしょう。体験させてもらった審判では3回まですすんだことはありますが、調停成立となり内容的には労側のでっちあげを認めてもらえ、満足な結果となりました。

労働者と雇用主の間の個別労使紛争解決の場で、件数は圧倒的に労側利用ですが、使用者側からも申立できます。おかげで解雇社員のいすわる社宅立ち退きを期限を決めて調書にしてもらえたのには、金銭解決オンリーと思い込んでいただけにそこまで効力をおよぼせるのかとおどろきでした。ほどなく退去していきました。確定していない審判と違い、成立した調停は強制力があるとききます。あと付加金対象の申立ですと、本訴に移行してもいいように、申立書に予備的に書き込んでおくことだそうです。審判で決着した場合は日の目をみませんが、本訴に移行する際、追加できないとか。

(2023年6月11日投稿、2023年11月11日編集)

参考サイト

裁判所 労働審判

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官製ブラックリスト

2023-06-08 14:39:22 | 労働法

厚労省(労基署)が、労働諸法違反企業のブラックリストを公表するとひところ話題になったのですが、その内容のほとんどは、労災事故関連でヘルメットを着用させてなかったといった労働安全衛生法違反です。毎月更新して掲載されており、この掲載件数が毎月の新規案件なら労基署頑張ってるね!と言いたいのですが、1年掲載つづけるというので新規件数は掲載数の12分の1相当となり、ちょっとがっかりです。

労安衛法違反以外では最低賃金法違反が目立つくらいで、労基法違反はほとんどないです。でもこの程度でも立件送検するという労基署の本気度を知ってもらいたく、案件をピックアップします。転載でなく内容デフォルメしてありますので、個別事案詳細は 厚労省サイトをごらんください。

  • 雇入れに際し労働条件の書面を交付していなかった(15条違反)
  • 即日解雇に予告手当を支払わなかった(20条違反)
  • 労働者1名に賃金1か月分を支払わなかった(24条違反)
  • 労働者複数名に36協定を超える時間外労働を行った(32条違反)
  • 労働者1名に36協定を超える休日労働を行った(35条違反)
  • 労働者1名に月100時間以上の時間外休日労働を行った(36条違反)
  • 労働者1名に割増賃金を支払わなかった(37条違反)
  • 監督官に虚偽の報告をした(104条の2違反)
  • 法定帳簿に遅滞なく記載しなかった(108条違反)
  • 賃金台帳に虚偽の労働時間を記載した(同)
  • 労働者名簿等法定帳簿を保管していなかった(109条違反)
  • タイムカードを保管していなかった(同)

こちらはちょっと毛色のかわった事件です。

  • 4日以上の労災休業事故があったのに死傷病報告を遅滞なくなさなかった(安衛法100条違反、いわゆる労災隠しという件です。)
  • 同虚偽の報告をした(同)

掲載場所が、長時間労働対策のページです。掲載場所に恥じない取り組みを監督官にはお願いしたいものです。

(2023年6月8日投稿、2025年1月3日編集)

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労働契約法の変転

2022-03-20 09:47:37 | 労働法

労働契約法は、比較的新しい法律です。しかし、数次の改正を経て、条数が移動したりして、ものの文献をあたるとき、条数が一致しないなど戸惑うことがあります。そこでもっと工夫のしようがあるのでしょうが、遍歴を時系列に並べてみました。なお、附則は制定もしくは改定時点のみの内容を掲載しています。

変転早見表

内容 H20.3.1
から
H24.8.10
から
H25.4.1
から
R2.4.1
から

有期解雇等

17 17 17 17

無期転換

18 18

有期更新等

18 19 19

不合理条件禁止

20 削除移記

船員特例

18 19 21 20

適用除外

19 20 22 21

※正確性は保証できません。官報をごらんください。

 

労働契約法(法律第128号(平成19年12月5日公布))

施行(平成20年3月1日)時~平成24年8月9日まで

 

目次

 第1章 総則(第1条-第5条)

 第2章 労働契約の成立及び変更(第6条-第13条)

 第3章 労働契約の継続及び終了(第14条-第16条)

 第4章 期間の定めのある労働契約(第17条)

 第5章 雑則(第18条・第19条)

 附則

 

   第1章 総則

 (目的)

第1条 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。

 

 (定義)

第2条 この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。

2 この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。

 

 (労働契約の原則)

第3条 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

2 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

4 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

5 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

 

 (労働契約の内容の理解の促進)

第4条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。

2 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。

 

 (労働者の安全への配慮)

第5条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

 

   第2章 労働契約の成立及び変更

 (労働契約の成立)

第6条 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

 

第7条 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

 

 (労働契約の内容の変更)

第8条 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。

 

 (就業規則による労働契約の内容の変更)

第9条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

 

第10条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

 

 (就業規則の変更に係る手続)

第11条 就業規則の変更の手続に関しては、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条及び第90条の定めるところによる。

 

 (就業規則違反の労働契約)

第12条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

 

 (法令及び労働協約と就業規則との関係)

第13条 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第7条、第10条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。

 

   第3章 労働契約の継続及び終了

 (出向)

第14条 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

 

 (懲戒)

第15条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

 

 (解雇)

第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

   第4章 期間の定めのある労働契約

第17条 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

2 使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

 

   第5章 雑則

 (船員に関する特例)

第18条 第12条及び前条の規定は、船員法(昭和22年法律第100号)の適用を受ける船員(次項において「船員」という。)に関しては、適用しない。

2 船員に関しては、第7条中「第12条」とあるのは「船員法(昭和22年法律第100号)第100条」と、第10条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第11条中「労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条及び第90条」とあるのは「船員法第97条及び第98条」と、第13条中「前条」とあるのは「船員法第100条」とする。

 

 (適用除外)

第19条 この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。

2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

   附 則

 (施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 

平成20年1月23日公布 政令10号

労働契約法の施行期日を定める政令

内閣は、労働契約法(平成19年法律第128号)附則第1条の規定に基づき、この政令を制定する。

労働契約法の施行期日は、平成20年3月1日とする。

 

 

労働契約法の一部を改正する法律(法律第56号(平成24年8月10日公布))

改正法公布時施行~平成25年3月31日

 

目次

 第1章 総則(第1条-第5条)

 第2章 労働契約の成立及び変更(第6条-第13条)

 第3章 労働契約の継続及び終了(第14条-第16条)

 第4章 期間の定めのある労働契約(第17条・18条

 第5章 雑則(第19条・第20条

 附則

 

第1章1条~第3章16条 制定時に同じ

 

   第4章 期間の定めのある労働契約

(契約期間中の解雇等)

第17条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

2 使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

(有期労働契約の更新等)

第18条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

 一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

 二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 

   第5章 雑則

 (船員に関する特例)

第19条(旧18条) 第12条及び前章の規定は、船員法(昭和22年法律第100号)の適用を受ける船員(次項において「船員」という。)に関しては、適用しない。

2 船員に関しては、第7条中「第12条」とあるのは「船員法(昭和22年法律第100号)第100条」と、第10条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第11条中「労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条及び第90条」とあるのは「船員法第97条及び第98条」と、第13条中「前条」とあるのは「船員法第100条」とする。

 

 (適用除外)

第20条(旧19条) この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。

2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

 附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第2条並びに次項及び附則第3項の規定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。(注:ここでいう第2条以下の規定とは改正法条文中を指します)

 

平成24年10月26日公布 政令第267号

労働契約法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令

内閣は、労働契約法の一部を改正する法律(平成24年法律第56号)附則第1項ただし書の規定に基づき、この政令を制定する。

労働契約法の一部を改正する法律附則第1項ただし書に規定する規定の施行期日は、平成25年4月1日とする。

 

労働契約法の一部を改正する法律(法律第56号(平成24年8月10日公布))

平成25年4月1日施行~令和2年3月31日

 

 第1章 総則(第1条-第5条)

 第2章 労働契約の成立及び変更(第6条-第13条)

 第3章 労働契約の継続及び終了(第14条-第16条)

 第4章 期間の定めのある労働契約(第17条-第20条

 第5章 雑則(第21条・第22条

 附則

 

第1章1条~第4章17条 改正前に同じ

 (有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)

 第18条 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。

2 当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が6月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が1年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に2分の1を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。

 

 (有期労働契約の更新等)

 第19条(旧18条) 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

 一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

 二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 

 (期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

 第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

 

   第5章 雑則

 (船員に関する特例)

第21条(旧19条) 第12条及び前章の規定は、船員法(昭和22年法律第100号)の適用を受ける船員(次項において「船員」という。)に関しては、適用しない。

2 船員に関しては、第7条中「第12条」とあるのは「船員法(昭和22年法律第100号)第100条」と、第10条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第11条中「労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条及び第90条」とあるのは「船員法第97条及び第98条」と、第13条中「前条」とあるのは「船員法第100条」とする。

 

 (適用除外)

第22条(旧20条) この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。

2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

附則

1(改正法公布時に同じ)

 

 (経過措置)

2 第2条の規定による改正後の労働契約法(以下「新労働契約法」という。)第18条の規定は、前項ただし書に規定する規定の施行の日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用し、同項ただし書に規定する規定の施行の日前の日が初日である期間の定めのある労働契約の契約期間は、同条第1項に規定する通算契約期間には、算入しない。

 

 (検討)

3 政府は、附則第1項ただし書に規定する規定の施行後8年を経過した場合において、新労働契約法第18条の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 

 

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(法律第71号(平成30年7月6日公布))

令和2年4月1日施行~

目次

 第1章 総則(第1条-第5条)

 第2章 労働契約の成立及び変更(第6条-第13条)

 第3章 労働契約の継続及び終了(第14条-第16条)

 第4章 期間の定めのある労働契約(第17条-第19条

 第5章 雑則(第20条・第21条

 附則

 

第1章1条~第4章19条 改正前に同じ

 

第20条を削る(短時間・有期雇用労働法第8条に移す・附則11条に注意)

 

   第5章 雑則

 (船員に関する特例)

第20条(旧21条) 第12条及び前章の規定は、船員法(昭和22年法律第100号)の適用を受ける船員(次項において「船員」という。)に関しては、適用しない。

2 船員に関しては、第7条中「第12条」とあるのは「船員法(昭和22年法律第100号)第100条」と、第10条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第11条中「労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条及び第90条」とあるのは「船員法第97条及び第98条」と、第13条中「前条」とあるのは「船員法第100条」とする。

 

 (適用除外)

第21条(旧22条) この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。

2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。

 

附 則 (平成30年7月6日法律第71号) 抄

(施行期日)

第1条 この法律は、平成31年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

2 第5条の規定(労働者派遣法第44条から第46条までの改正規定を除く。)並びに第7条及び第8条の規定並びに附則第6条、第7条第1項、第8条第1項、第9条、第11条、第13条及び第17条の規定、附則第18条(前号に掲げる規定を除く。)の規定、附則第19条(前号に掲げる規定を除く。)の規定、附則第20条(前号に掲げる規定を除く。)の規定、附則第21条、第23条及び第26条の規定並びに附則第28条(前号に掲げる規定を除く。)の規定 平成32年4月1日

(短時間・有期雇用労働法の適用に関する経過措置)

第11条 中小事業主については、平成33年3月31日までの間、第7条の規定による改正後の短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(以下この条において「短時間・有期雇用労働法」という。)第2条第1項、第3条、第3章第1節(第15条及び第18条第3項を除く。)及び第4章(第26条及び第27条を除く。)の規定は、適用しない。この場合において、第7条の規定による改正前の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条、第3条、第3章第1節(第15条及び第18条第3項を除く。)及び第4章(第26条及び第27条を除く。)の規定並びに第8条の規定による改正前の労働契約法第20条の規定は、なおその効力を有する

(検討)

第12条 

3 政府は、前2項に定める事項のほか、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この項において「改正後の各法律」という。)の規定について、労働者と使用者の協議の促進等を通じて、仕事と生活の調和、労働条件の改善、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保その他の労働者の職業生活の充実を図る観点から、改正後の各法律の施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(政令への委任)

第30条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 

(2022年3月20日投稿、2022年8月20日編集)

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