世界に誇る韓国企業家第一位に選ばれた故鄭周永現代名誉会長、開城観光時の南側出国管理ビルの休憩所では、1998年牛1000頭を連れ38度線を越えた当時のビデオ映像が流れている。
1915年金剛山の麓の村(峨山里)に7人兄弟の長男として生まれた鄭少年は、小学卒業後は家業の農業を手伝った。19歳のとき4度目の家出に成功しソウルへ、その折家族のような牛を売った70円を持出し、艱難辛苦の末いまの現代グループを作り上げた。しかし、彼の脳裏には片時も故郷の兄弟や父母が離れなかった。
1000万離散家族の夢を載せ、延々と続く牛1000頭のトラックの隊列が北の大地を走った。恐らく齢70を超えて故郷の地を訪ねる鄭周永の胸中には、家出し不孝を重ねてきた死に目にも会えなかった亡き父への罪滅ぼし、そして恩返しをしたいとの気持ちで一杯であったろう。
そして、その年に始まった金剛山観光!(鄭周永氏の故郷・峨山里の名をとって社名も「現代峨山」に)
その後の10年、統一への希望が見えてきた。三千里の山河が、海外が沸き立ち、昨年の5月17日の統一列車の試運転と10,4の首脳合意で宿願成就も遠くないと思い始めたのに、またぞろこの有様…。
北は「最後通牒」を突き付け、南は「待つのも戦略と」(李明博談)…。
現代グループのCEOであった李大統領、創始者の想いをどう受け止めているのであろうか。歴史は李大統領をどのように記録するであろうか。
もう朝鮮半島は外圧でしか変わることのできない、情けない民族の住む地域になり下がるのか。
否、でも僕は信じたい。まだわが民族の英知と勇気は生きていると。そして、愛民、愛族の基準で歴史を再照射し、途切れることのなかった5000年の文化が、今のコリアに輝くであろうことを!そして、統一コリアが東アジアの軸として世界平和に貢献するであろうことを!
namsang