NPO法人 三千里鐵道 

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(寄稿) 彼は「偉大な馬鹿」だった

2009年05月26日 | 南域内情勢
鄭ヘグー論説委員・大学教授



誰がノ・ムヒョン前大統領を殺したのか
[寄稿]利害にさとい人々が幅を利かせる世の中で、彼は本当に ‘偉大な馬鹿’だ.

2009年 05月 25日 (月) 12:07:21 )


昨日の日曜日、私は慶南のボンハに行って来た. 故人になったノ・ムヒョン前大統領の殯所に焚香をするためだ. 参加政府時代大統領国政諮問委員会に委員として参加した縁のためでもあったが, 自ら命を絶たなければならなかあった人間ノ・ムヒョンに対する私の憐愍のためでもあった.
幾多の想いと感情が交差した. 大統領という、もしかしたら一番華々しく重い責任をすべて終えた人が、退任 1年をやっと越した時点で投身という極端な方法によって自殺をせざるを得ない我々社会とは一体どんな社会なのか? 何の考えて彼は自殺という極端的な行為を選択したのか?

ノ・ムヒョン前大統領の自殺はもちろん本人の選択だった. しかしその選択をするようにしたのは、我々な社会の政治的, 社会的外的要因も大きい. 社会の何が、そういう極端的な選択をするようにしたのか?

私はまず保守言論にその責任があると思う. 参加政府在任当時、彼らは大統領の政策を批判するより大統領個人の人格を批判し攻撃した.異常性格者として, 性格破綻者として絶えず食い下がることで、民主的に選出された現職大統領の印象を作ってしまった. しかし彼らはそれで終わらせなかった. 退任以後にもハイエナのように食い下がったのだ.

次に私は就任以後、李明博政府の広範囲な政治報復がノ・ムヒョン前大統領自殺のもう一つの原因と思う. 広く知られているように李明博政府は親参加政府人士、進歩的人士と思われる人々を大挙公職から追い出して来た. またそれと判断される政府組職や民間団体、そして一般市民に対しても過度な不利益を与え、弾圧をほしいままにして来た. そしてそういう政治報復の真ん中に、まさにノ前大統領がいたのだ.

しかし以上の原因よりノ・ムヒョン前大統領の自殺にもっと直接的で力強い影響を及ぼしたのは、まさに検察の公権力濫用だ. 検察は李明博新政府の嗜好を把握し, はじめからノ・ムヒョン前大統領周辺に対して緻密で大大的な標的捜査をして来た. 側近に対して, 家族に対して, そして最終的にはノ前大統領に対して包囲網を狭め執拗に圧迫を強めてきた.
腐敗の疑いがあれば検察が捜査することは当然だ. しかしその捜査は公正、公平でなければならない. 政治的理由で特定対象を標的に決め、疑いが出るまで果てしなく続けることが果して正当だろうか? 
検察が過去の独裁者に対して, 腐敗した財閥に対して、自分たちの声を上げた事があったか? そんな検察が政権が変わるやいなや前職大統領に対して大大的な標的捜査を敢行して来たのだ. それは検察圏の濫用を越して検察の ‘蛮行’(蛮勇)だ.

私はノ・ムヒョン前大統領が腐敗していたかも知れない、と思う. また参加政府時代に、彼の政策に対して論難があり得ると思う. しかし、それでも私は、少なくとも次のような点では彼を高く評価したい.

第一は歴代大統領の中でノ・ムヒョン前大統領が一番少ない腐敗で終えている。 したがって一番きれいな大統領といえなくもない. 全斗換前大統領の腐敗は 1兆ウオンに達したし、ノ・テウ前大統領の腐敗は数千億ウォンに達していた. しかしノ・ムヒョン大統領の腐敗疑惑は、大きく見積もっても数十億ウォン。 もちろんそれも少ない金額ではない. しかし我々社会の腐敗した既得権者たちが, 大挙して彼に石を投げることができるのか?

二番目は人間ノ・ムヒョンに対する評価であり, これは彼の自殺以後今更確認した側面でもある. 我が国では, 特に既得権層の上層社会には合法、不合法を問わず多様、多数な腐敗が存在して来た. しかし彼らは自らを責めることも, 悩むこともしない。 むしろそれを隠すのに忙しい. しかしノ前大統領は、自らその道徳性を守ろうとし、自責感に苦しみ、悔しさも誠実に訴えようとした. そして結局それを命を担保にして購うに至った. それほど彼は自分の生き方に透徹した.

ノ・ムヒョン前大統領の死に対して保守言論と李明博政府は、一斉に哀悼を示して和解と安定を強調している. ‘鰐の涙’か, それとも一筋でも良心が残っていたというのか? 利害にさとい人々が幅を利かせる世の中で、彼は本当 に‘偉大な馬鹿’であった






追悼詩ー私たちがあなたを捨てました

2009年05月26日 | 南北鐵道関連消息

追悼詩

私たちがあなたを捨てました

-ノ・ムヒョン前大統領霊前に捧げる

     白 ムサン(詩人)

あ, 私たちがあなたを捨てました
口先だけの私たちが、からっぽな私たちが
見栄だけの私たちが、あなたの手を振り払いました

夜明けの鶏が鳴く前に
10回、20回とあなたを否定しました
あなたを捨て、振り向けば
鉄壁が私たちの前を塞ぎました

あなたを崖に追い詰め
あ、そして見下ろしたら
岩崖の下に崩れた血だらけ顔
それは、私たちの顔でした

運命でした
あ, 運命でした
運命はその瞬間、終わりました

あなたはそうしてはいけなかったのです
権力者は正義の感情を抱いてはいけないのです
純潔な魂を憧れてもいけなかったのです
権力と純潔な魂は共存できないのだから

権力を国民に返そうなどと考えてはいけなかったのです
貧者を厚く待遇しようと熱情を抱いてはいけなかったのです
権力者が善を行おうとすれば
自分を除去しなければならないということを
あなたは分からなければならなかったのです
しかしあなたは
それを拒否することで悲劇の運命を迎えました


あなたによって私たちは知りました
二千年前、十字架に死んだある男の叫びを
そしてあなたは
己の敗北が私たちの勝利と叫び
血に飢えた亡者どもに己の肉身を餌として投げ
血の杯で祝杯を上げろと叫んでいます

おお, 悲しい予言者の夢よ!
あなたは政治家ではなかった
すべて脱いで人間だけを残そうとした人よ
政治も、権力も脱いで、すべての権威も脱ぎ捨てて
ただ素っ裸の人間になろうとした人よ
ただ無償の愛に生きようと夢見た人よ

あなたの涙が私たちの胸中に
川のように流れます
あなたの涙が黒いアスファルトの上に
赤く揺れます
          (訳 namsang)





ノムヒョン追悼ー1

2009年05月26日 | NPO三千里鐵道ニュース


ノムヒョン前大統領の突然の死を悼みます。

           野村 光司(東京)

李明博大統領が就任して以来、南北の緊張激化は極まった感があり、それはそれで私は大変、残念には思っていますが、李大統領にも何か、政治上のお考えがあってのことでしょう。

前大統領の死で、南北融和、協力の努力も死なねばならないのでしょうか。私は前大統領の遺灰の中から新しい生命が誕生することを祈らずにおられません。日韓朝、それぞれの政府の体制も国民の生き様も確かに大きく違ってしまいましたが、「みんな違って、みんな良い」、それぞれをそのままで尊重しつつ、一切の蔑視、憎しみを捨てての和解が成立できないものではないでしょう。
先ず在日の人たちが南北を超えて協力し合い、日本国内での地位を向上させることができたら、どれほど大きなインパクトを日本の社会に与えることでしょう。さらにそれぞれの政府にインパクトを与えて、結果、東アジアの平和と繁栄がもたらされることになりましょう。
 ノムヒョン大統領の覚悟の死がそれによって報われれば、大統領もって瞑すべしでありましょう。








ノムヒョン追悼文リレー、はじめます。

2009年05月26日 | NPO三千里鐵道ニュース


ブログ閲覧者の皆さんへ

国民の大統領であったノムヒョンを追悼する波は、今全世界のコリアン在住地域に広がっています。国民葬の葬儀委員会結成を受け世界の韓国公館に焚香所が設けられました。
昨日、都相太理事長も名古屋の領事館に赴き献花し冥福を祈ってまいりました。
より多くの人がノムヒョン前大統領の遺志を受け継ぐためにも、近くの焚香所を訪れ故人を偲びご霊前に決意を新たにされることを望みます。
焚香所を訪れることの出来ない方のために、当ブログは29日までの葬儀期間、追悼リレーを開始します。

下記の三千里鉄道メルアドに投稿いただければ、掲載させていただきます。

三千里鉄道 office@sanzenri.gr.jp

               2009.6.26  ブログ管理者より




国税庁、標的捜査の疑惑?

2009年05月26日 | 南域内情勢
一時拘留停止でポンハにきたノムヒョンの兄。ある報道機関のインタビューに応え「弟は無実、歴史が証明する」と。



ノ前大統領と 20年の知己・朴・ヨンチャ標的捜査。
留任狙った国税庁長, 税務調査過程を大統領に直報告
慶南金海所在企業をソウルから遠征調査


ノ・ムヒョン前大統領に対する検察捜査はテグァン実業・朴・ヨンチャ会長に対する国税庁の税務調査から始まった. 国税庁と検察につながる権力の 2大司法機関が順に主役を引き受けたわけだ. 何より国税庁がノ前大統領陣営を圧迫する一番目の走者になったことは、現政権と国税庁首脳部間の利害関係が巧にみ絡んだからだという分析がある.


■ ‘蝋燭を消せ’
‘忠誠誓い’ 国税庁がノ前大統領に向けて本格的に刀を抜いたのは、去年 7月30日国税庁がテグァン実業など朴・ヨンチャ会長系列社に対して特別税務調査に着手した時からだ. この時期、く米国産牛肉波紋からのいわゆる ‘蝋燭事態’で李明博政府が深刻な危機に直面した頃だ. やっと執権数ヶ月目を迎える政権の立場からは、政局運営の主導権を取り戻す力強い ‘反転カード’が必要だった. 国税庁が農協の世宗証券引受とテグァン実業の株式買入などをめぐり一年遅れの 2005~2006年間を集中的、積極的に取り組んだこともこんな疑問を増幅させる要因だ.
これに関してパク・チウォン民主党議員は先月 “(李明博大統領の兄さんである) 李サンドク議員が、ハン国税庁長を呼んでキャンドルデモに対する問題, そしてハンナラ党親朴議員たちの政治資金関係を把握するために、朴・ヨンチャ会長の関係会社を税務調査を支持した”と指摘, 税務調査に政治的意図が潜んでいるのではと主張した.

ハン当時国税庁長の歩みも取りざたされている.
参与政府時代任命、新政府でも留任を狙ったハン当時庁長としては、政権の好みに合う会心のカードが切実だったのだ. ハン庁長は去年 8月、ノ前大統領側の‘弱点’をそっくりそのまま李大統領に直報告し、高い評価を受けたとと伝えられる. 李大統領の核心参謀のある関係者は “あるときハン庁長が、この税務調査をすればイ・フェチャンの大統領選挙資金を把握することができると、李大統領の側近に話をして歩いたことがある”と,ハン庁長は自分の地位を守るのに役立つ事は何でもする ‘策士’と表現した. ハン前庁長はその後去年年末、慶北慶州市でハンナラ党議員及び浦項地域企業人などとゴルフをし、大邱で前・現職浦項地域同友会など権力実勢周辺人士に取り入ろうとした事実も明らかになり物議をかもした.

■ 政治論理に乗る国税庁の税務調査

‘進行過程’でも政治的背景の疑惑も。 実際に慶南金海にあるテグァン実業などに対する税務調査を引き受けた組職は、ソウル地方国税庁の調査4局だ. 管轄機関である釜山地方国税庁を差し置いて一種の ‘遠征’ 調査に出たのだ. ソウル庁の調査4局は、深層・企画税務調査のみを担当する特殊組織として, 事実上国税庁長の直属捜査を専担する直轄部である. 企業にとって‘地獄の使者’と恐れられるソウル庁の調査4局が, 売上げ 3千億ウォン台企業を、それもおおよそ 4ヶ月の間執拗に追及調査をしたことを, 国税庁内部でも ‘標的調査’ 疑惑を大っぴらに話している.

国税庁出身の一人士は “その間ソウル庁の調査 4局が処理した代表的な事件が 2007年 3月の現代グループ機密費事件, 去年 9月の空軍次世代戦闘機事業など巨大な対象を相手にしたという点に照らしても, 金海所在の中堅企業を相手にした国税庁が特別税務調査までしなければならなかったという事実自体が、政治的背景を見せてくれることではないか”と言った