サロン経営の羅針盤

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連載・第二部・顧客満足度を高めるカギ。

2018-04-10 08:03:20 | 日記

10.顧客満足実現の核とは?
  
顧客がサービス提供者と接する場面を指して、MOT(モメント・オブ・トゥルース)と呼び、「顧客満足実現の瞬間」のことです。
これは闘牛から出た熟語で、闘牛士が牛にとどめを刺す最後の一撃の瞬間から転じて、決定的な瞬間を意味します。
  
 英語でMoment of Truth「真実の瞬間」と訳され、「お客様の心理が動かされたタイミング」を表します。
よく、消費者の行動心理をリサーチする時に使います。これを美容室に置き換えてれば、以下のような対応場面があります。

①サロンの認知(紹介、ホームページ、チラシ)
②情報収集(口コミ、独自固有の長所、美容専門性)
③電話予約(電話対応、メニュー、料金、キャンペーンの解り易さ)
④予約確認(スムースな電話応対、予約変更の対応)
⑤便利性(交通の便、駐車場、バリアフリー)
⑥受付(親密接遇、カウンセリング、待合いの心地よさ)
⑦アフターフロー(技術の保証、美容上の情報伝達)

このような場面に対して、どのようにプロデュースしてあげられるのか、来店される前、来店されてから帰られるまでの全てに対して、心の通じ合う対応が求められます。このような状況に対応するのは従業員の一人ひとりです。
したがって、「顧客満足実現に前提として、従業員満足実現が大前提である」と言われるわけです。顧客はスタッフに対して様々な印象を抱きます。

その印象の集積が顧客の満足度を促し、顧客の再来店から固定客化につながり、そしてサロンの信者客となるわけです。
信者客は、自店の従業員に代わって口コミ宣伝マンになります。まさに社外従業員です。
このような顧客を指して、贔屓客(ひいききゃく)と呼んでいます。贔屓という文字には、お金を意味する貝が四つあります。
つまり、お金を多く運んでくれる贔屓客を作るのがリレーションシップ・マーケティングです。
このような関係を創り上げるには、単に顧客に「モノの満足」を与えるサービスレベルでは実現できません。

大切な事は、「顧客に感動を与え、その感動を共に分かち合える関係」であることです。
そのような顧客を増やすための「核」となるのが「明るい笑顔」です。

顧客の「顧」の文字を分解すると、頁(えがお)のある戸(ところ)に、客が集(あつまる)」となっています。
つまり、経営発展のカギとなるのは、「明るい笑顔のある職場」ということです。
「笑顔(スマイル)」こそが、全てのサービスを管理し引立てる包装紙であることを忘れてはなりません。
言い換えれば、「笑顔が少ない人」というのは、商品を包装紙で包まないまま無造作に顧客に渡しているのと同じです。
                                  第二部 終

連載・第二部・顧客満足度を高めるカギ。

2018-04-10 08:01:43 | 日記
 

9.利益の根源はサービスの品質にある。
 
「モノの生産が中心」であった工業的経済社会から、現在では「コトのサービス」へと経営の重心をシフトしています。つまり、「心のサービス」へと移行しています。

生産技術の発展は物質的消費を促し、モノ余りによる飽和・爛熟の時代へと移行して来ました。このような経済状況において、あらゆる企業が、ソフト部分の提供へと経営の重心を移行しています。
ただ、メーカーとサービス業の違いは、形のある製品の占める割合が多いか少ないかだけである」と言えます。現在では、顧客は「形のある製品」だけを求めているのではありません。
その商品を得る過程での精神的な満足、及び、手に入れたことによって感じる利便性を含めて価値判断をしているのです。

工業的経済社会下における利益の根源は、「労働生産性の高さ」でした。
しかし、サービス経済社会の下では、これらを踏まえた上で「精神的満足度の高さ」が利益の根源となっています。

顧客満足を考える上で留意すべきことは、「顧客は誰か」という点にあります。
厳密な言葉の整理をすれば、「お客」と「顧客」は違うということです。
 顧客とは、ある特定のニーズを求めている文字通り『顧みてくれる客』です。

人々が「生活手段の充足」から、「生活目的の充実」を求めるようになると、当然のことながら求める価値が違ってきます。それは何を意味するか? 

例えば、生活手段の充足が目的であるトイレットペーパーは、まさに実用品の代表ですが、ある程度の品質以上であれば値段の安いことを求めます。これが「お客」です。
  一方、デザインがお洒落で香りの付いたトイレットペーパーもあります。
これを求める人は「生活目的の充実」を求めているのですから、価格よりも自分の好みや価値観に合ったものを求めます。これが「顧客」です。
   したがって、「顧客満足の実現」とは、自店の「顧客のニーズを満たすこと」であり、私たちは全力を注いで、その「顧客ニーズ」に応えなければなりません。
 
では、サロンに求められる条件とは、どのようなことか。
●自店が求める顧客層に対して、どんな価値を提供できるか。
●その価値は顧客にとって魅力あるものか。
●その価値は競争相手に比べて優位性を保っているか。
●さらに、日々個性化し欲求レベルを高める顧客に十分に対応し、
  その価値を維持し続けることが出来るか。
  以上の四つの「価値」をよく観察して、よりマーケットインに徹することが必要です。
このようなチェック機能に基づいたブレゼンテーションがあれば、これこそが生涯顧客化への経営戦略であると言えます。