バルチック海運指数が更に上昇している。船に関係する仕事をしていたものだから前の部署の後輩に、先日偶然会って指数の底打ちについて聞いたら、海運会社が停船処置(農家でいえば大根が豊作だと値崩れするので、それを防ぐために廃棄で供給を減らして価格の維持に努めるようなもの)をして値崩れを食い止めているだけで、底打ちとはいえず、その証拠に船価も未だに下げ止まっていないとの発言を聞いたものだから、指標が上向いたからといって、まだまだ本格的な底入れは、先の話なのかとの認識であった。
ところが、八月末に韓国最大手の韓進海運なる会社が破たんしたとの事で、需給が引き締まるとのマーケットの観測で日本の海運会社の株が急騰、バルチック海運指数も更に上昇している。
韓国の会社といっても世界の貿易の一角を担っており、世界の港で入港料と荷役料金が払えず停船するなど、利用している企業は大混乱しているとのニュースが流れている。米国政府もウォルマート等自国の企業が利用しているようで、本件について米国政府から韓国へ働きかけがあったようだ。
家電にしても、造船にしても世界から技術やノウハウを取得して国家ぐるみの支援を受けて、相当な低価格(ダンピング価格)と大量生産でもって、ライバル企業を蹴落とすやり方は、その顛末を含め、さながら、そのマーケットにおける焼き畑農業といえるのではなかろうか。こういった国の支援を受けて独占的な規模でビジネスを行うも、目先の利益しか顧みない、ノウハウや外部から持ってきた技術をただ消耗しつくすだけのビジネスモデルの顛末が、今後明らかになってくるのだろう。
半島の南側の経済的な没落と時を同じくして、北側ではミサイル発射(日本のEEZ内に着弾)や地下核実験が行われた。半島は経済含めすべてが行き詰ってきており、何かが起こる前兆なのかもしれない。