昨年末から半島情勢が緊張感を増していたが、冬季オリンピックへの北朝鮮の参加や、特段何か変わったわけでもないが北朝鮮の態度が極端に軟化したようなそぶりを見せて、ぐだぐだな状況が続いている。
韓国や米国との会談の話や北朝鮮の中国への突然の訪問など、ついこないだまでの挑発的な発言は影をひそめ、関係改善の兆しとの好意的な見方がある一方で、水面下で核開発や攻撃の準備は継続しているような報道もされている。
経済制裁はそれなりに効いているのかもしれないが、結局のところ、北朝鮮が米国を本格的に核攻撃できる準備を整えるのに想像以上に手間取っており、準備が整うまで、なりふり構わない時間稼ぎをしているようにも見える。
とりあえず韓中米ともに、それぞれの都合で、先方の演出する時間稼ぎの恭順のそぶりにお付き合いする雰囲気であり、北朝鮮が何か攻撃的なアクションを起こさない限り、当面は米国の先制攻撃もなさそうだ。
トランプさんが後先考えずにTPPのような同盟国との経済圏(ブロック化や兵站・ロジスティクスの確保)を構築しないまま、中国と貿易の対立を深めている。北朝鮮の急な訪中も米中の対立を背景としているのだろう。これまでの中国と北朝鮮との対立(親中閣僚や長兄の粛清等)が、まるでなかったように両国トップの会談が行われていたが、半島の不安定な状況を放置したまま、米中の対立が次のステージに進むのであれば、北の立場や立ち位置(中国の対米攻撃の危険な手札としての利用価値、裏から技術的な支援も今後ありうる)がいろいろとかわってくる。
トランプさんは側近の相次ぐ解任や元軍人の側近を増やしているとのことだが、シリアから撤退するような発言をしてみたかと思うと、ペンタゴンのこれらを打ち消すようなアナウンス、そして、9日にはトランプさんが攻撃を示唆する重大発表?と言ってみたり、これからますます世界は難しい局面を迎えるのに、戦略を欠くような、選挙の人気取りを意識しただけのような場当たり的な素人判断(結局、本音としては、イスラエルは大事だが中東など無関心?!)が顕在化している。ほんとうに大国トランプアメリカは大丈夫だろうかと心配になる。