池谷裕二という脳学者がいる。海馬の研究を通じ脳の健康や老化について研究し数々の学術奨励賞を受賞している気鋭の学者であるがアメリカ留学中英会話に苦闘した経験から編み出した英米現地で通じる会話法を「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」という本で著した。
ごく簡単に言えば英語の日本語表記を英語の「スペルベース」ではなく、「聞こえて来たベース」で表記しそのまま発音するという,言わば江戸時代のジョン万次郎の英語を科学的に法則化した会話法である。
池谷氏によると日本人が苦労して話す英語は日本人と接触機会の無かった英米人にとっては,殆ど通じず「よく聞いてみると、日本語は意外と英語に似ているようだ」、更には英語を話しているらしいと分かるとジャングリッシュだ、英語とは凡そ別物だと言われると述べられている。
多くの日本人が一生懸命努力しているのに何故なのか。
氏によるとその理由は大きく三つ、①発音数の差,②無母音声の有無,③推測言語と技巧言語 を挙げられている。
① 英語にはカタカナでは表記出来ない音声が沢山あり最大の障害になっている。有名な「L」と「R」と云う子音、日本語には存在しない。
そこで「LA」と「RA」は日本語では聞いた時に比較的近い「ラ」という表記になったしまう。
「BI」・「VI」⇒⇒「ビ」、 「FU」・「HU」⇒⇒「フ」、
「SI」・「SHI」・「THI」⇒⇒「シ」
「DI」・ 「JI」・「ZI」⇒⇒「ジ」
本来異なる発音だが日本語ではその区別が出来ず、一つでしか表記出来ない「子音」が沢山存在する。
母音も日本語は少なく、bat、butは共に「バット」、ball、bowlは共に「ボール」となって区別がつかない。
② 日本語は「ん」で終わる語以外は全て「子音+母音」で終わるが英語の場合大半が子音で終わる。(凡そ70%強)
又英語には母音がなく子音だけで出来た音声がある。circleは日本語でサークル、「サ・ア・ク・ル」と4音節だが、英語の発音は一音節で目、木、手と同様一気に発音するのが正しい。cleは母音のない音声で「L」の発音が容易な英米人は自然に出来るが、日本人は舌を上手く意識して使わないと難しい。
オーストラリア・パース駐在員がつい現地人にシドニーに行ってくると言ってしまったら日本に帰るのかと言われたと云う笑い話もある。
永い間学校で学んだのは日本語シドニー、油断するとつい口に出る。dの後に母音「オ」を入れないと気持ちが悪いのだ。
尚スペイン語やイタリー語等ラテン系の文字はtomate,restauranteのように母音で終わる言葉が多いので発音で苦労させられる日本人にはとっつきやすい。
カタカナ英語ー(2)に続く
ごく簡単に言えば英語の日本語表記を英語の「スペルベース」ではなく、「聞こえて来たベース」で表記しそのまま発音するという,言わば江戸時代のジョン万次郎の英語を科学的に法則化した会話法である。
池谷氏によると日本人が苦労して話す英語は日本人と接触機会の無かった英米人にとっては,殆ど通じず「よく聞いてみると、日本語は意外と英語に似ているようだ」、更には英語を話しているらしいと分かるとジャングリッシュだ、英語とは凡そ別物だと言われると述べられている。
多くの日本人が一生懸命努力しているのに何故なのか。
氏によるとその理由は大きく三つ、①発音数の差,②無母音声の有無,③推測言語と技巧言語 を挙げられている。
① 英語にはカタカナでは表記出来ない音声が沢山あり最大の障害になっている。有名な「L」と「R」と云う子音、日本語には存在しない。
そこで「LA」と「RA」は日本語では聞いた時に比較的近い「ラ」という表記になったしまう。
「BI」・「VI」⇒⇒「ビ」、 「FU」・「HU」⇒⇒「フ」、
「SI」・「SHI」・「THI」⇒⇒「シ」
「DI」・ 「JI」・「ZI」⇒⇒「ジ」
本来異なる発音だが日本語ではその区別が出来ず、一つでしか表記出来ない「子音」が沢山存在する。
母音も日本語は少なく、bat、butは共に「バット」、ball、bowlは共に「ボール」となって区別がつかない。
② 日本語は「ん」で終わる語以外は全て「子音+母音」で終わるが英語の場合大半が子音で終わる。(凡そ70%強)
又英語には母音がなく子音だけで出来た音声がある。circleは日本語でサークル、「サ・ア・ク・ル」と4音節だが、英語の発音は一音節で目、木、手と同様一気に発音するのが正しい。cleは母音のない音声で「L」の発音が容易な英米人は自然に出来るが、日本人は舌を上手く意識して使わないと難しい。
オーストラリア・パース駐在員がつい現地人にシドニーに行ってくると言ってしまったら日本に帰るのかと言われたと云う笑い話もある。
永い間学校で学んだのは日本語シドニー、油断するとつい口に出る。dの後に母音「オ」を入れないと気持ちが悪いのだ。
尚スペイン語やイタリー語等ラテン系の文字はtomate,restauranteのように母音で終わる言葉が多いので発音で苦労させられる日本人にはとっつきやすい。
カタカナ英語ー(2)に続く