1995年(平成7年)登場の現金機デジパチ(時短機)
「エキサイトクリスタル3」(ニューギン)を回顧。
★賞球:7&9&15
★大当り確率:1/227
★図柄:0~9の数字(数字間にブランク図柄)
★大当り図柄:各図柄の横並び3つ揃い(24通り)
★有効ライン:上下2ライン
★最高16ラウンド継続(アタッカー1個貯留+9カウント)
★平均出玉:約2300個
★図柄に関係なく、大当り後は60回の時短に突入
★時短終了条件:大当り後メインデジタル60回消化or時短中の大当り
★時短連チャン率:約23%
★時短ループ(連チャン)による箱積みも可能なスペック
エキサイトレディ2、7ショックに次ぐ、ニューギンの時短デジパチ第三弾。
Eレディ以来、純粋な「時短」機能(小デジ確率は変えず、変動時間のみに
差をつける手法)により、「疑似連チャン」効果を実現した、ニューギンの
功績は大きい。
エキサイトレディ同様、カラー液晶採用。5分割(6分割)されたデジタルの
動きが特徴的だった。日本人ギャルが実写で登場するのも、特に男性客には
嬉しい演出だった(⇒E・レディは外国人女性の実写)。「うそぴょーん」の
一旦ハズレ後カットイン(再始動⇒大当り確定)も懐かしい。
新宿、渋谷など様々な店で打った記憶があるが、旧台扱いとなった後も、神楽坂の
「パチンコ神楽坂(神楽坂21)」には長らく残っていた。当時、飯田橋で某・資格
試験の講習会を毎週受けていたが、その帰り道、神楽坂下の交差点から坂を上って、
通り沿いにある同店に立ち寄っては、勉強疲れを癒すべくハンドルを握った。ここは
行くたびにガラガラだったのだが、それが却って心地よかったりした。勝負終わりに
近くの熊谷組本社辺りまでテクテク歩いて、贔屓にしていた「どさん娘ラーメン」
(現「みそ神楽」)で味噌チャーシュー麺を啜ってから帰宅していた事も思い出す。
なお、調布駅北口「リラ」も、2000年を超えた辺りまで本機を設置した。
(独特なデジタルの動き)
液晶画面は5分割されており、一風変わったスクロール挙動を見せた。
上図で説明すると、チャッカー入賞で、デジタルA~Cが一斉に変動。
まず、上段左と下段中央の「A」がほぼ同時に止まり、次いで上段中央と
下段左の「B」が同時停止。最後に一番右のCが停止…という具合である。
どのデジタルも時計回りに流れる為、デジタルが円状(というか角状)に
クルクル繋がって、ベルトコンベアのような挙動だった。但し、動きに
慣れないうちは、目が疲れたのも事実だ。
A、B何れのデジタルも、上下独立して動いてはおらず、互いに「連動」
していた(繋がっていた)のも特徴。具体的には、上段Aが、下段Aに
対して、常に「プラス1コマ」の関係だった。これは、Bの場合も同様。
この動きと配列により、上・下段で同時にテンパイするダブルリーチも
多かった。但し、上下とも同じ数字になる事は無い(上段33、下段も33
のようなWリーチパターンはあり得ない)。
Wリーチのパターンを挙げると、「上段3、下段2」「上段5、下段4」
「上段7、下段6」「上段9、下段8」の、計4通り。いずれも、上段が
「奇数」の時であった。但し、上段に奇数の「1」がテンパイしても、
ダブルリーチにはならない。
配列についてさらにいえば、「A」のデジタルには7図柄が2個、また
「B」のデジタルには0図柄が2つあった為、0と7の出現率が多くなる
特徴もアリ(他の数字は全て1個のみ)。図柄は0~9の計10通りだが、
0、7が2つあった分、大当りパターンも20ではなくて24通りとなった。
(リーチアクション)
上段or/and下段に同数字が横並びテンパイするとリーチ。ノーマルの他に、
コマ送り、ユラユラ(ウロウロ、縦揺れ)、再始動のSPリーチも存在。その
挙動は、E・レディのリーチアクションを発展させた感じだ。なお、リーチの
瞬間に、ギャルの実写画像が一瞬出現する。因みに、偶数の「6」と「8」の
色と形と模様がよく似ており、案外と見分けづらかった。
・ノーマル
右デジが普通にスクロール後、大当り2コマ手前からスロー回転に切り替わる
(アメドリリーチ)。期待度は非常に低い。大半は大当りを1度通り過ぎた後、
あっさりハズれる。但し、2周まで届けば、SPのユラユラに発展するチャンス。
なお、ユラユラのタイミングで発展せず、そのまま右デジがスローダウンして、
ノーマルのまま当るパターンもある。
・コマ送り
ノーマルから発展。「高速回転後、大当りと前後の数字をコマ送り」
の動きを繰り返す。最終的に、大当りか前後1コマの数字でハズれる。
ユラユラ…ノーマルで2周に届いた後、(ノーマル当りを除き)この
リーチに発展。右デジの当り図柄が上下にユラユラ揺れて期待を煽る。
再始動(二段階)…ハズレ停止かと思いきや、画面端に女性が現れて
「うそぴょーん」の声と共に右デジが再始動。必ず大当りとなる鉄板
アクション。本機を語る上で、このうそぴょーんを忘れてはならない
だろう。何だか馬鹿にされたような台詞だが、大当りに直結する演出
である以上、嬉しい瞬間だった事は間違いない。
(「うそぴょーん」の瞬間、脳汁が溢れた)
※なお、ダブルリーチの場合、コマ送りやユラユラのSPアクションは、
演出上も「ダブルチャンス」となる。上下それぞれのラインで演出が
行われる為、右デジが大当りに近づいた時、演出対象となるラインを
赤枠で囲って打ち手に告知。「コマ送りリーチ」を例に取れば、同一
周回にて、まず下段が赤枠で囲われてコマ送り演出を行った後、立て
続けに上段が赤枠に囲われ、上段コマ送りに切り替わる…という流れ。
(時短機能)
どの図柄で当っても、大当り後は60回転の時短突入。先行機のE・レディ2も
7ショックも、時短回数は「50回(49回説もアリ)」だった。つまり、時短が
10回増えた訳だが、何れも大当り確率が本機より高いので(Eレディ:1/223、
7ショック:1/220)、「時短10回の増加」のみを以て、スペックの単純比較は
できない。だが、そうした確率の違いを加味しても、本機の時短連チャン率は、
理論上約23%と高い。E・レディも7ショックも約20%程だから、時短連チャン
期待度は、本機に軍配が上がる。
時短中は、電チューの開放頻度が大きくアップ。但し、小デジ確変機と違って、
小デジの当選確率は、通常時も時短時も変わらない(1/3の高確率で当選する)。
変化するのは小デジ変動時間。通常時は「7~30秒」と長いが、時短に入ると
「0.6~5秒」に短縮した。結果的に、時短中は電チューが頻繁に開き、極力
持ち玉を減らさずに消化できた。また、時短中は、メインデジタル回転時間も
短縮される上、リーチアクションも省略。大当りは、即止まりか「うそぴょん」
再始動)のみになる為、スムーズに時短消化できた。さらに、先行2機種と違い、
時短の残り回数が液晶に表示されたので、チャンスが後何回転残っているのか、
一目瞭然だった。データランプ無しの店も多かった当時、時短残数を表示する
機能に、メーカー側のさりげない親切心を感じた。
因みに、E・レディ2の場合、電チュー開放タイミングを狙った通常時の
「止め打ち」に大きな効果があり、根気よく粘れば1000円で80回以上
回る事もあった(当時の「必勝ガイド」誌は、そのスクープ記事を掲載)。
続く7ショックはステージ搭載で、Eレディほど顕著な効果はなかったが、
時短システムは共通。やはり止め打ちに一定の効果が見られた。何れも、
通常時の小デジ確率が1/3と高く、小デジ変動時間が29.8秒と一定な点、
また、電チュー開放時間も常に1.5秒だった事を利用したもの。約30秒の
小デジ変動時間の大半を止め打ちで凌ぎ、電チュー開放タイミングを狙って
数発打ち出す事で、投資を大幅節約するものだった。無論、労力はかかった。
本機の小デジ確率も常に1/3だったから、先行機と同等の止め打ち効果が
あった…かというと、実はそうではない。理由は、止め打ち攻略を防ぐ為、
小デジ変動時間が出目によって違っていた為である。即ち、小デジに2か
3が出る時は「7秒」、4か5は「15秒」、1、6、7、8、9なら「30秒」と、
変動時間が3段階に分かれていた。一方、電チューが開くのは、小デジに
「3、5、7」の何れかが出た時だ。つまり、3つあるタイミングのどこで
電チューが開くか、小デジが実際に止まる瞬間まで判らなかった。その為、
「絶えず約30秒の周期を狙う」止め打ちは不可。しかし、そんなガードが
あっても、「開放するであろうタイミング」は、ある程度予想できた。即ち、
小デジ変動後、「7秒、15秒、30秒」とポイントを3点に絞り、各タイミングの
2秒前まで止め打ちして、2秒前から数発打つ…という手順を繰り返すのだ。但し、
これも時間のカウントなど相当な労力を要したので、打ちっぱなしの客も多数。
因みに、7秒と30秒の2か所のみにポイントを絞り、労力軽減する手順もあった。
(ラウンド間の止め打ち)
本機は、図柄が揃って大当りが始まってから、実際にアタッカーが開くまでの
時間が異様に長い。また、各ラウンド間のアタッカー閉鎖時間も、同様に長い。
これらの時間をキッチリ止め打ちすれば、最終的な出玉に少なからず差が出た。
(大当り画面)
大当り中は、Eレディを彷彿とさせる分割画面が現れて、アタッカーが
玉を拾うたびに、パネルが1個づつ埋まっていく演出を楽しめた。登場
したピチピチギャル(死語)達が誰なのかは不明だが、改めて見ると、
「いかにも90年代」な雰囲気が漂う(「TVチャンピオン」パチプロ
選手権の回で、液晶の女性が実際に登場して機種名を答えるクイズが
あったが、その時も名前は出なかったハズ)。また、大当り中、赤い
水着の女性は「アンダーヘアーが見える」といった噂も当時流れたが、
結局はガセネタだった。なお、大当り終了後は、女性の画像が左右に
スクロールするが、これには法則があって、上段で当った時は右⇒左、
下段での当りなら左⇒右にスクロールする。この時の画像は3パターン。
(兄弟機、後続機)
エキサイトクリスタル2(1995年)
盤面、賞球数、大当り確率、液晶演出、リーチアクションは
「3」と同じ。相違点は、アタッカーが1個貯留+8カウントで、
出玉が約2000個と少ない所。その分、時短回数が「70回」と
本機より10回転多く、時短連チャン率も約27%と高かった。
また、アタッカーの1個貯留の位置が中央にあり、左端にある
「3」とはアタッカー構造が異なる。
CRフリークエント7(1996年)
本機や「2」に約1年遅れてデビューしたCR版。大当り確率は
1/393.5とかなり低いが、大当り24通りのうち、「3、5、7」
の3種類で当ると、プラス2回の確変に入るフルスペックタイプ
(コチラもやはり7が2つで、有効ライン上下2段の確変並びは
8通り。8/24=1/3となる)。なお、賞球数は「5&10&13」。
アタッカー13個戻しの為、出玉は約2000個と少ない。また、
現金機と違い、確変中のリーチアクションあり。但しSPのみ。
ノーマル当りはビタ止まりアクション。1個貯留スペースは
「3」と同様、アタッカー左サイドにある。ユラユラリーチが、
現金機より「ジラす」印象も残るが、単なる記憶違いだろうか…。
(ニューギン「エキサイトクリスタル3」の項、了)
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