小田急線町田駅から原町田方面にしばらく歩いていくと、町田街道の裏手に「MEGAドンキホーテB館」という量販店があり、今年1月まで営業していた(現在は閉店、一部テナントは営業中との事)。
実は1990年代前半、このドンキB館があった建物(当時はスーパー長崎屋)のすぐ近くで営業していた、一軒の小さなパチスロ専門店があったのをご存知だろうか。
「TAC5」という名の小店である。
プレハブ作りのような粗末なたたずまいではあったが、大変味のある機種が並んでいた。
私がこの店に通っていたのは1990~1993年辺りの平成初期、パチスロ2号機&3号機全盛の頃であった。
小さい店にも拘らず大変な人気店で、土日などに出向くと空き台を探すのに一苦労するほどの盛況ぶり。
店内で特に目に付いたのは、アメリカーナマグナム(ユニバーサル、3-1号機)のシマだ。
(ビッグボーナス…通称「鉄砲」)
レギュラーボーナスが頻繁に成立するアメマグは、「リーチ目を見たい」という時に、うってつけの台であった。2~3000円も使えば、とりあえずボーナスがかかってくれた。
(レギュラーボーナス揃い)
しかし、運悪く低設定台に捕まると、いくら突っ込んでもなかなかボーナスは来てくれず(シングルボーナスはちょいちょい来るのだが・・・)、BRノーヒットで店を後にすることもあった。
(シングルボーナス揃い)
TAC5にはオリンピアの台も置いてあり、当時の人気機種だった2号機「スーパーバニーガール」、そして新台入替では3号機の「バニーXO」が入った。
「バニーXO」(オリンピア3-1号機、1992年)
この店のバニーXOの新装時、大学の授業をサボって開店3時間前に並び、後ろにいたガラの悪いヤンキー連中と台の奪い合いをしたのも、今となっては良き思い出である。
このように2号機・3号機全盛時には輝きを放っていたTAC5だが、4号機台頭とともに客足が徐々に減るようになり、末期には閑古鳥が鳴く始末であった。
その後、「レインボー」という店に変わって勢いを取り戻したが、この店も次第に客足が遠のいて行った。
1990年代の終わり頃、久々に店を覗いたときには、ユニバーサルの「ライトアランプ」などが設置されていたが、客はほぼゼロという有様であった。かつての盛況ぶりからすれば、あまりの凋落ぶりであり、愕然としたのを覚えている。2階に向かう階段が閉鎖されていたのも印象深い。
やがて、あえなく閉店となり、その跡地は現在ラーメン屋とキャバクラになっている。
それにしても、1フロアにズラリとアメマグが並んだ素晴らしい光景は、未だに忘れることはできない。