1992年(平成4年)にSANKYOから登場した現金機デジパチ「フィーバー大相撲II」
相撲のデジパチといえば1993年の「綱取物語」(平和)が有名だが、本機の方が綱取よりも先に登場した。なお、93年には三洋からも「大相撲」というドットデジパチが出ている。
この時期、世間は「若貴フィーバー」で盛り上がっていた。横綱・貴乃花(当時は「貴花田」)が、92年初場所で19歳5か月の若さで幕内初優勝、秋場所で2回目の幕内優勝、そして九州場所では史上最年少の年間最多勝を受賞(兄・若花田も、翌93年3月に幕内初優勝を果たす)。三共が、当時の相撲ブームにあやかったとしても、何の不思議もない。
本機は、どの店にも入っているようなメジャー機種ではなかったが、見かけると「おっ、相撲の台だ」と、ついつい座ってしまう魅力があった。ドラムに描かれた力士や軍配などの絵柄も個性的だった。
何といっても、大当り後の「数珠繋ぎ連チャン」が、本機の大きな特徴である。導入当初は、仕組みを知らない人が即止めした後の「ハイエナ」も美味しかった。ただ、初当り確率が非常に低く、ヘタに追いかけると痛い目に合った。
「フィーバーレジェンド」を思わせる小型ドラムを搭載。左右テンパイでリーチがかかると、中デジタルは2段階でスロー回転する。このアクションは、先行機の「フィーバーアタックGP」で初採用されたもの。
★賞球7&15
★大当り確率…1/265
★最高16ラウンド継続、出玉2400個
★大当り絵柄…トロフィー、力士の顔、軍配、「金星」、「大・相・撲」(赤)、「大・相・撲」(青)、「大入」、「祝儀袋」の計8種類
停止順は左⇒右⇒中。有効ラインは中段、右下がり、右上がりの3ラインで、Wリーチも4パターンある(上の画像は「大・相・撲」のWリーチ)。ドラム上の7セグはラッキーナンバー用デジタル。
★大当り後の数珠繋ぎ連チャンあり(数珠連率…25.4%)
⇒大当り後、最初のハズレリーチまでの間、大当り確率が1/53にアップする(天国状態)。ハズレリーチ後は、元の確率(1/265)に戻る。
⇒リーチ確率は1/18であり、実質的な数珠連チャン率を計算すると、25.4%となる。もちろん、リーチの引き次第では、天国状態が長引くこともあれば、すぐに転落することもある。
⇒本機の大当り判定システムは、1/53の第1判定、1/5の第2判定からなる2段階判定方式(但し、従来の三共の2段階判定とは異なり、第2判定で独特の変数処理が働く)。大当り終了後は、特定の変数を同じ値に固定する事で、1/53の第一関門さえクリアーすれば、大当りするようにプログラムされていた。ハズレリーチが掛かると、変数は元の値に戻る仕掛けだ。
⇒この解析が出るまでは、本機の連チャン性を巡って様々な仮説が立てられた。大当り後に単発打ちをしたり、連続回転をキープしたりと、数々の「数珠連チャン促進打法」が考えられたが、最終的には「連チャンは意図的に狙えない」との結論に達した。
上部分や下部分で結構絵柄が揃っていました(泣)