ねこじゃらし

いきもの・いけ花・園芸・額装・食べ歩き・お散歩・・・趣味の記録 

081020 GFP

2008-10-20 07:00:37 | 生物
 物理学賞につづいて、ノーベル化学賞がGFPの下村先生におくられた。恥ずかしながら、GFPを見つけたのが日本人だったと言うことを私は知らなかった。見つけ(てい)たのが日本人だということと、今回の受賞と、なんだか嬉しいきもちになった。
Iさんがメールで、受賞ニュースに関連して、朝日新聞3面に、「近頃では高校でもGFPをつかった遺伝子組換え実験がおこなわれている」と出ていたわよと教えてくれた。
だとしたら、それは学芸大学をはじめとするいろいろな大学や研究所の先生方が根気よく研修をしてくれたおかげだし、金銭的にバックアップしてくれる大学や研究所やSPP事業などのおかげ、簡単なキットを作ってくれたバイオラド社や島津などのおかげだな。

以前、大腸菌の組換え実習をやったときの写真があった。



一番左のシャーレは、大腸菌の培養液をLB培地に塗りつけて、一晩培養したもの。大腸菌が増殖してコロニーとコロニーがくっつき、一面クリーム色。塗り方が雑だったのもばれてしまう。
二番目は、同じようにやったのに、すっきりとしてまったく何も生えていない。どうしてかと言うと、培地にアンピシリンという抗生物質がいれてあるからだ。抗生物質のおかげで、大腸菌は増殖できなかった。
右の2つは、ぱらぱらとコロニーができている。同じよう抗生物質いりの培地なのに、抗生物質などものともせずに培養液1mlに20個ほどの菌が生き延びて増殖し、目に見えるほどに増えて固まりとなり、コロニー(日本語だと集落!)となった。どうしてかと言うと、アンピシリンを分解する酵素タンパク質をつくる遺伝子が組込まれているからだ。といっても、すべての大腸菌に組込みが成功したら、一番左のシャーレのようになるはずだけれども、組換えが成功し、新しい遺伝子を獲得し働かせられる形質転換っていうのはそうやすやすと高い確率でおこせるわけではない。
そして、左から3番目のシャーレにUVを当てると・・・光る。

 部屋を暗くしてUV照射・・・おお~っ 光った

これがGFPです。Green Fluorescent Protein、(G)緑色の(F)蛍光(P)タンパク質。下村先生の発見は、GFPがイクオリンと複合体をつくっており、カルシウムを感知してイクオリンが光るとそこから励起エネルギーをもらって、GFPが緑色蛍光を発する、というしくみらしい。ここでは、単体のGFPに紫外線を当てて光らせる。さらに、キットでは、GFPの構造を改良して強く光るようにしてあるとのことだ。美しい。実験成功って感じの嬉しいほっとする光。

どうして光るかというと、3番目の培地にはアラビノースという糖がいれてある。ここで使う遺伝子の運び屋さんのプラスミドという小さな環状DNAには、アンピシリンの分解酵素の遺伝子(の塩基配列)とアラビノースを分解する酵素の遺伝子がいれてある。実はこのアラビノースを分解する酵素の遺伝子に細工をして、本当は3つの酵素をつくる3つの遺伝子があるところにGFPの遺伝子をいれてある。このプラスミドと大腸菌をイオンなどを調整した液体培地中でまぜ、温度を高くしたり低くしたりという簡単な作業でプラスミドは大腸菌の中に入りこんでくれる。大腸菌はこれまでもっていた遺伝子に加えて新たな遺伝子を獲得し、それを読んで新しいタンパク質を作れるようになる。これが組換え、組込み、形質転換。
大腸菌は、アンピシリンに平気になるし、アラビノースがあると、それを分解して利用するための酵素をつくろうとしてGFPをつくって光ってしまう。アラビノースがないと、必要ない遺伝子は読まないので光らない。つまり、アラビノースという糖がスイッチになっていて光ったり光らなかったりする。アンピシリン分解酵素のほうはこのスイッチは関係ない。大腸菌はこのようにしていつも使うたんぱく質をつくることと、必要なときに必要なたんぱく質を作ったりやめたりすることをしている。
となると、一番右の大腸菌にアラビノースを与えてみると、光り出すはずで、やってみると3時間くらいでコロニーは光るようになる。いままで、LB培地のなかのブドウ糖を栄養に生きていた大腸菌が、おっアラビノースがあるじゃないか、これもいただき・・・って感じで遺伝子を発現させてGFPを作ってしまったのだ。自分があたえた糖液が引き金になって、遺伝子の転写・翻訳がひきおこされるってのを目の当たりにするのはワクワクする。ちょっと怖い。生命活動の確かさみたいなものも感じる。

遺伝子組換えが成功したかどうか、大腸菌内に遺伝子が入ったかどうかは、見てもわからないし調べるのもむずかしい。でも光ってくれれば一目瞭然というわけだ。
以前、ある研究所の施設公開で、シロイヌナズナの芽生えが光ってるのを見せてもらったことがある。大腸菌に限らず、いろいろな遺伝子操作実験でGFPは活躍している。


この実習を始めてやったころ、オワンクラゲが大阪海遊館にいるという情報を得て、見たくてどきどきしながらいったことがある。あいにく、飼育されていなかった。いま、山形県の鶴岡市立加茂水族館がこのオワンクラゲで人気だそうだ。HPでみたら、クラゲ展示室クラネタリウムとか、クラゲレストランがあって、クラゲラーメンやクラゲ定食をだしていたり、面白い水族館だ。クラゲの飼育種数世界一だそうだ。今、発光させてみせてはいないそうだけれども。

下村先生の所属は、ウッズホール海洋生物研究所だけれども、そこは歴史のある臨海実験所だ。単一の研究所としては最も多くのノーベル賞受賞者を輩出している。遺伝学(ショウジョウバエ)のモーガンや、二重らせん構造のワトソンなど、そうそうたる研究者が在籍していたことがある。

ところで、日本には、このウッズホールよりも2年早く世界で一番最初に出来た臨海実験所、東大附属の三崎臨海実験所がある。開所当初の明治の頃、そこで見つかったゴブリンシャークの和名(ミツクリザメ)と学名(Mitsukurina owstoni)は、初代の所長箕作先生とこのサメを捕獲し寄贈したオーストンさんの名前にちなんだものだ。いま、ウニやトリノアシ(ウミユリ)などを材料に、進化や発生の研究がバリバリ進められているみたいだ。と同時に、子どもたちや一般にむけて磯の生物の観察会なども行ってくれている。
日本でも、どんどんすばらしい研究がされるといいな。がんばれ三崎!

081003 いたよ~~ CUMC

2008-10-03 22:56:28 | 生物
アゲハを探しに行ってみた。ユズの鉢にキアゲハ発見。変だな・・・セリ科を食べるんじゃないのかな。
と思ったら・・・、いたァ~~~。ナミアゲハ♪



枝の緑色にすっかり溶け込んでいる。肉角をださせてみた。わずかに柑橘系の香りがしてきた。やっぱり、ミカン科の鉢を坊主にした犯人はナミアゲハ。
写真を見て気がついた。胸部のカチューシャみたいな白線の中に○やUの模様が。何でこんな手の込んだ模様がついているんでしょうか。



胸部が3、腹部が4、尾部に1対の足の配置はカイコガと同じですね。
腹脚、尾脚で枝をつかみ、胸部の脚をはなして半身を起こしている。
苦手だけど、よく見るときれい。



何度も肉角ださせようとしたので、縮んできた。ごめんなさい。
わるいけど、温室のミカンはもうこれ以上食べないでね・・・。
CUMU

ナミアゲハ
Papilio xuthus Linnaeus
分 類:チョウ目 アゲハチョウ科 アゲハチョウ属
分 布:日本全土
出現期:3~10月
食 樹:ミカン科のカラタチ、サンショウなど
前翅長:35~60mm
成虫は春~夏はツツジやユリ、秋はヒガンバナなどの大型の花に来る。

メモ:ユリの花のおしべはTの字型で、葯がその中心に付く花糸との接点でふらふらとよく動く。この形は、蜜を吸いにきたアゲハなどのハネにどんな角度からもぺたっと張り付いて効率よく花粉をくっつけることができるのだそうだ。
以前、小石川植物園でちょうどいまごろ、曼珠沙華にアゲハが飛んできていたのをみた。あれはナミアゲハだったのかな?
ナミアゲハはキアゲハよりクリーム色っぽく、前翅の端に黄色い線は無い。

参考 藤本、亀田著 小学館フィールド・ガイドシリーズ⑰ 都会の生物 1996年

081002 アゲハ違い CUMU

2008-10-02 20:42:13 | 生物

温室の草取りをしていたら幼虫が出てきた。
昆虫は苦手。
アゲハかなとおもい、ミカンの鉢植えを見ると丸坊主。葉が全然無い。やられた~~っとおもって、つついてみた。


肉角というのだそうだ。ふ~~む。これがそうか。

ところで、うちへ帰って調べてみると、この模様はアゲハではなくてキアゲハだった。
この色は終令の5令。
こんな身近な蝶のこともヨウ知らんかった。
彼女の食草はセリ・ニンジンなどのセリ科の植物。
ってことは、お食べになったのはハーブのフェンネルか??
誤解していてごめん。でも明日、ハーブの害を確認して、ミカンのほうもよく見てみよう。ナミアゲハの幼虫もいるかもしれない。

キアゲハ Papilio machaon Linnaeus
分類:アゲハチョウ科
分布:屋久島以北
出現期:4~10月
食草:セリ・ミツバ・ニンジンなどセリ科
前翅長:36~70mm
ナミアゲハより黄色い。前翅を広げた一番前のふちに黄色い線

参考:藤本和典著 小学館のフィールド・ガイドシリーズ⑰ 都会の生物 1996年 ほか

080929 ニホンアマガエル

2008-09-29 20:34:57 | 生物

S先生の集中講義で水田の暗渠についてはじめて知った。水田と周辺の環境とはコンクリートの壁の排水路などで隔てられることになる。
でも、ニホンアマガエルは吸盤をもつ。おかげで、水田から出たり入ったりできるのだ。で、乾田化しても中干ししても生き残れる。乾田化で減らなかったのはニホンアマガエルとウシガエルなんだそうだ。なるほど・・・このかわいらしい吸盤が大きな意味をもっていた。環境の変化を乗り越えさせた吸盤。なるほど・・・しっかりコンクリートに張り付いているぞ!吸盤が!

080928 カンタン

2008-09-28 21:28:31 | 生物

芝刈りをしていたらニホンアマガエルが飛び出してきた。ビックリさせてしまってごめん。もひとつごめん、写真を1枚。今年は国際カエル年。
帰り道、街路樹からは、アオマツムシの大きな鳴き声。ふと、空き地のススキから、「るるるるるるるる・・・・・」。近寄って確認。これは!鳴く虫の女王といわれるカンタン!! 何年ぶりだろう・・・A先生の多摩川の川原での鳴く虫の観察会以来の生の音(ね)。 嬉しい、こんな近くにいたんだ。おなじみのエンマコオロギと響きあうように鳴く、「るるるるる・・・コロコロリ~」。秋だなァ。

080625 もう引っかかっちゃだめだよ CUKC

2008-09-28 18:25:00 | 生物


帰り道、果樹の圃場の網に何か大きな動物が引っかかっていた。近寄るとキジ。前から、ケンケ~ンっと声だけは聞こえていたけど、君だったんだね。オスですね。
網の隙間を逃げ惑うので、傷つかないように網でおさえて手をいれ、抱きかかえて救出。暖かい。一瞬だったけど、ふとニワトリを抱いたときの感触に似ているなと思った。尾の長いところ、翼の羽根がしっかりしている感じ、背や胸の羽根が柔らかい感じがちょっとちがうようだけど。圃場の間の道にそっと置く。
だだだだだっ・・・すたたたたっ・・・とととととっと一直線に走り去り、50m以上先で左の梅林に駆け込んでいった!
??自分が飛べることを忘れちゃったのかな?
もうひっかかっちゃだめだよぉ~~~


電車の中で、また、このときのことを思い出した。抱きかかえたときの感触とともに、強烈に印象に残っているのは彼の目だ。
正面からまじまじ目と目をあわせたわけでもないのに、横目で私を見ていたのだとおもうけど、あの目。写真をみると、そう、彼の目は横についている。
だから、横や後ろから近づいたのに 何か いつも彼がこっちを見ていたような気がしたんだ。

横に目が付いていると、前方から後方まで視野が広い。きょろきょろしなくても広範囲見えているのだ。ウサギやウシなど植物食の動物がこのタイプ。長時間草を食べていても、反芻していても、四方を注意していられる。
いっぽう、目が前についていると、両目の視野が重なるので、結果視野は狭いがその多くの範囲を両目で見ていることになる。すると、効き目と遠近感をつける目とで距離感がわかる。獲物に飛びかかったり木から木へ飛び移ったり、肉食動物のネコ科や猛禽類や森のサルなど、そして人間の目がこのタイプだ。

もし、ヒトの目が横についていたら、いつも同じ電車で一緒になる好きな人の横顔を遠くからそっと見つめるなんてことは出来ないし(横顔みても目と目があってしまう・・・)前を向いていても後ろのほうまで見えてるから、スリや痴漢はやりにくくって減るだろう。っていうか、こんな満員電車の中って、普通、みんな出口のほうや窓のほう見て、他人とは目を合わせないようにしているのに、目が横にあったらつらいだろうな。

しかし、あのときのキジの目。「ひっかかっちゃったよ~ たすけて ありがとう!」ではなくて、「でられないよ 近づくなよ やめろよ さわるな ひゃぁ~~~っ」って感じだった。 ある解剖学者の先生が怖くないかと聞かれ、・・・怖いとしたら目と手だ・・・動いたらと思うと怖い・・・とご著書に書いていた(関係ないか・・・)。 目は口ほどに物を言い・・・ともいう。あの目、すごく緊張していた。
とにかく、野生の動物と目があうってのは貴重な体験だったかもしれない。



キジ 
Phasianus colchicus
キジ科
全長 オス80cm メス60cm
日本の国鳥 上野動物園でも正門を入って右、鳥のコーナーの一番初めのケージにいる。国鳥だけど狩猟鳥。4~7月ころ地上に巣を作る。メスは全体に薄茶色で地味。

参考 藤本和典著 小学館フィールドガイドシリーズ⑭ 都会の生物 ほか 

生物 リスト

2008-09-28 11:11:15 | 生物
作成中

生物

動物
あ あ アオサギ アマガエル1 ニホンアマガエル2 アリ アンモナイト
  お オワンクラゲ 

か か カマキリ カンタン
  こ ゴリラ

さ す スッポン

た た ダイサギ 

な に ニホンアマガエル1 ニホンアマガエル2

は は ハシボソガラス 
ま め メジロ 


植物

あ あ  アガベ アッサムニオイザクラ アワ 安行桜   
  え  エノコログサ   
  
か か 河津桜 
  き キルタンサス
  こ コウテイダリア コエビソウ コスモス 

さ さ 桜(安行桜 江戸彼岸枝垂 河津桜 オオカンザクラ ギョイコウ 
   ミカドヨシノ 山桜 ) サザンカ サボテン
  し シソ(実) シャコバサボテン
  す ストック
  そ ソシンロウバイ ソテツ

た た タイサンボク ダイモンジソウ
  と ドウダンツツジ トクサ

は は バショウ バナナ パパイヤ ハンノキ
  ひ ヒイラギ ヒオウギ ヒガンバナ(巾着田) 
  ふ フクジュソウ ブーゲンビレア
   フトイ フブキバナ 豊後梅1 豊後梅2

ま ま マグノリア マミラリア マユハケオモト
  み ミセバヤ
  む ムシトリスミレ
  め メセン

ら り リトープス花 脱皮 リュウゼツラン
  る ルクリア
  ろ ロウバイ  

その他
た た 大腸菌
な ね 粘菌


生物 お勉強
  え エチレン
  け 県木
  せ 石化



属名
あ あ アガベ
  え エノコログサ
か こ コスモス
た と トクサ
は ひ ヒオウギ ヒガンバナ
  ほ ホタルイ(フトイ)
ま ま マミラリア
ら り リトープス

学名
  a Adonis Alnus Agave
  b Belamcanda
  c Cosmos

  e Equisetum
  fg
h Helleborus
  ijk
  l Lycoris(花) Lycoris(葉) Lithopus
  m Mammillaria Matthiola Musa1 Musa2
nop
qr
  s Schoenoplectus Setaria
  tuv
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