これまで、
昆虫は避けてきた・・・苦手
さわれるのは、カイコとトンボだけ、蝶もちょっと躊躇する
でも、標本作りは経験と知識として一度はやっておこうとおもっていた
以前、営業で千駄木近辺を回っていたときに、偶然みつけたアンリ・ファーブル会の虫の詩人の館
“ファーブル館”
そこで、初心者向け標本教室をやっていると知り、いずれは・・・とおもっていた
今日はやっと念願かなっていってきた
展示は地下1階と一階。実習は3階。
なんと、今日の生徒は、小学2年生の男の子(とお母さん)とわたしの2名だけ
夏休みなんかは、申込多数ですでに締切ってこともあったんだけど
よかったよかった・・・先生お二人で、マンツーマンだ・・・贅沢
道具一式
展翅板 標本箱 ピンセット まち針 昆虫針2・3・4号 展翅テープ
ラベル 針を入れるケース 展足板
まずは、テープの端を2回折って切れにくくし、針でとめます
今回は用意してくださったマレーシアの蝶の形を整えます
マレーシア ランカウィ島のマルバネルリマダラの一種 マルバチョウ科
そっと胸を持ち、翅のあいだにふ~っと息をふいて、翅を広げ、胸の(左右前後の)中央にまっすぐ昆虫針(今回は2号)をさします
針を刺すのは残酷だと思っていました。針を刺した死体を保存して置くってことも
今回先生が、「壊れやすい、翅や肢・触覚を手やピンセットでもったらどうなるでしょう・・・。針をもてば、傷付けることなく、表からも裏側からも、標本全体をよくみることができますね」といわれて、標本に針を刺すと言うのは、意味のあることなんだ、いい方法なのかもしれない・・・と思えました。
西洋の昆虫標本は100年200年保存されているのだそうです。
ホルマリン(やアルコール)漬け標本や剥製標本・・・針でとめた標本もおなじ標本だし
でも、ちょっとまだ苦手なので、写真は小さめで
展翅板の中央にまっすぐ固定します
テープで翅を広げて仮押さえします。胸の高さを翅が板にぴったりつくよう調節します
2号針で翅脈の硬いところ、特に付け根に近いところを押し広げて翅を上へ持って行きます。
翅脈間の弱いところをつつくと破れてしまうので注意
一度にやると無理があるので、テープを少し緩めて翅を持ち上げては押さえ、仮押さえ、これは利き手と反対側のほうの翅からやるといい
つぎに、もう一方の翅を広げます。あらためてもう一度左、そして右と様子を見ながら少しずつ整えていきます
前翅の下辺が水平になるとかっこいいです
この蝶は翅が丸いけれど、アゲハだとわかりやすい
(特に決まりは無いそうだけども図鑑はそうなっている・・・前翅の下辺が水平)
最後に触覚もテープに挟み(この個体はちょっと頭が傾いてしまったので難しかった)
腹部もまっすぐに、そして高さも水平に。
蝶が曲がってしまう向きと反対のほうに針を打つ、
針をバッテンにして蝶をあげたり下げたりして固定。
これで完成
ラベルを書いて近くに留めておきます
このまま、1ヶ月乾燥した箱の中などに保存
全体がかたまったら完成
同じ針で標本の下にラベルも挿して標本箱に収めると、標本を移動するときラベルも一緒に移動するので間違いが無い。
標本箱には、防虫剤、乾燥剤も針でとめておくと良い。
休憩後、つづけて甲虫の標本造り
用意してくださったのはインドネシアのクワガタ
肢を整えるのが主です
針は3号。右翅の左上あたりで中足にぶつからない位置に真直ぐ刺す 硬い 痛そうでちょっと怖い こんなにしっかり持ったことが無い
昆虫は左右対称、針を刺したところに模様など大事な情報があったとしても同じものが左にもある。でも真ん中は1つしかないので針でつぶすと代わりが無い。なので、右なのだそうだ。(左でも良いけど普通は右)
発泡スチロールの板にお腹をつけるように刺す まずは2本の針で位置を決める
そして触覚を直角に水平に固定(触覚があったのね)
さらに あごを少し開き気味に針で固定
触覚に交差するように前肢を直角に水平に固定
(触覚より外側に肢を持っていくヒトもいる、図鑑も2通りあるようだ)
ラベルを近くに刺しておく
ラベルは鉛筆で書く(これが一番消えなくて良い)
採集年月日と採集場所 そして名前
このクワガタは インドネシア スラウェシ島のサラシンツヤクワガタ
Odontolabis sarasinorum ♂です
完成です
やはり1ヵ月後にはずして標本箱へ
肢の爪が板に引っかかりやすく、無理にはずすと肢が折れるので注意
片付けていたらなんと、奥本館長先生がお見えになりました
今日はアンリ・ファーブルの誕生日(知らなかった)そして、ファーブル館は年内は今日で終わりなのだそうです。
先生が、とつとつと文京区で最近増えてきたアケビのガの話などをなさる
この蛾は木の葉のような前翅で擬態し、ぱっと後翅の模様を見せて捕食を免れると言われているそうです。
翻訳された御本を見せてくださった
蛾と蝶の違い、蝶の触覚は棍棒状になっている、蛾は眼でなく匂いの世界に生きるということや
昼飛ぶカナブンはきれいで飛翔力がある立派な翅のいかり肩
夜飛ぶブイブイは地味な色で飛翔力は無くなで肩ということなども教えてくださった
感激
丸の内さえずり館でファーブル展をやっているとご指導くださった先生が教えてくれた。今日は日曜だけど、帰りに行ってちょっと覗いてみることにしよう
先生方 ありがとうございました
虫の詩人の館
標本教室は初心者向けが材料代を含め5,000円
館は入場無料 会館は金土日の13:00~17:00