九州のある市役所が、夏休み中の子供に食料を届けるフードドライブなるカタカナの施策名称の業務をするという。
私の生活圏にも子供食堂が開設されているのを見て、交流目的ではなく困っている子供のために設けられているのだったら辛い現実だと暗い気持ちになった。
まもなく旧国体の国スポがはじまり、当番県の佐賀県内では数年前からポスターが貼られたり広報がなされたり、宣伝衣類がつくられたり、のぼりがぱたぱたはためいたり、行政施設の建物内には広報装飾物が飾られたり、箱モノができたり、駐車場ができたりと、さまざまに経済効果が発揮され税から支払いがなされている。
全国の県知事の9割が旧国体の新名称国スポのありかたを見直すべきと考えており、廃止を訴えた知事もいる。反対者も多いだろう内容に向かい合う勇気をたたえる。佐賀県知事は回り持ちは「昭和的」だからやりたい県にやってもらえばよいと発言したという。財政や実務の人繰りなどから切実な問題あってのことだと推察する。
おかげさまで衣食足りて還暦を過ぎ、しばらくは飢えずに済みそうな人生を歩んでいる私には、今のこの日本で食べるものや食べることに困っている子供がいることに誤った政(まつりごと)のありようを感じる。
旧国体とかオリンピックとか万博とかに世間はお祭り騒ぎではないか。衣食足りて礼節を知り、それからの鼓腹撃壌である。