◆おちゃべんこ・・・かくれんぼ
【用例】
「私(わたひ)の子どんのころはガッパん河辺でおちゃべんこばして遊んじょったっぞな。どぼーんち音のすってん見てもなんもおらんとじゃんな。へんなかねぇ、ち音んしたとこに行ってみれば、岩に足跡んついちょっとじゃもんの。ガッパかっ川んなけそびかれたらたいへんち、逃げて帰りよったよな。」
【一般語訳】
「私が子どものころは河童が河辺でかくれんぼをして遊んでいたんですよ。どぼーんと音がするから見に行ったらなにもいないの。おかしいなぁ、と音がしたところに行ってみれば、岩に足跡がついているんだもの。河童から川の中に引っ張りこまれたらたいへんだ、って逃げて帰っていたんだよ。」
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明治18年生まれの祖母が使っていた方言で、今では使われなくなっている言葉を思い出したので記録しておこうと思う。
祖母は「河童」の存在を信じていて、私が河童の存在を否定すると残念がって憤慨していた。
その河童が、人が川に近づくと、どぼーんと川に飛び込んで、音だけ残しては姿を見せなかったそうな。それを祖母は河童が「おちゃべんこ」をして遊んでいたのだと話していた。
もう私の子供のころには誰も使うことのないの言葉となっていた。
祖母がいう河童の正体はニホンカワウソだったのではないかと父は推測していた。
(以前の投稿を修整加筆しました)