前回ご紹介した「石神井高校男子バスケットボール部の位置」に一部誤りがありましたので、謹んでお詫び申し上げ、ここに修正版を掲載します。
東京都立石神井高校第25期バスケット部の一員として、3年間バスケットに明け暮れた経験をいかし、学校卒業後は、スポーツ指導書のプロデュースの仕事を長く続けました。バスケットを始め、各種メジャースポーツの専門家に取材し、本の構成、執筆などを数多く手掛けました。いずれの本も毎月のように増刷を重ねましたが、とりわけ「スーパースターに学ぶバスケットボール」と「スポーツ別 筋力パワーアップトレーニング」の反響は大きく、この二冊を合わせると、百万部近いセールスがありました。現代国語の島田先生の授業をエスケイプして関公園で遊び、また、日々関公園でトレーニングに励み、一つ下の佐野氏らを絞り上げ、勉強そっちのけでバスケットに励み、スポーツを愛したお陰だと思います。その成果のいったんを、ここにご紹介いたします。 文責 中川 越
最近、三十代の若い友人、NBA好きで、シューズもたくさん集めて、時々メルカリで高値で売っている友人と、こんな話をしました。
「最近のNBAのスキルは、ドリームワンやツーより、はるかに上がったね、驚いたよ」
「いえ、それは違いますよ。確かにトリッキーなプレーは多くなりましたが、僕はドリームワン、ツーの時代のがすごいと思います」
「そうか、確かにジョーダンのカリスマ性、ピッペンの品格、ストックトンの基本に忠実なシンプルなプレー、ファンタジックなマジックジョンソン…。僕らの高校生の頃は、バスケットボールイラストレイティッドという雑誌に、ルー・アルシンダーのバックダンクの写真が載ってて、しびれたけどね」
「ルーなんとかって、誰ですか」
「その後改名したジャバーだよ、知ってる?」
「はい、知ってますよ、レジェンドじゃないですか」
「ぼくは、ジャバー、本物、見たことがあるんだよ。マジックジョンソンも」
「アメリカで?」
「いや、マジックが引退直後、マジックオールスターズっていうチーム作って、日本に来たことあってね、大枚はたいて代々木のアリーナ席買って、見たんだよ。ジャバーも来てね」
「えっ、その話、聞いてないですよ」
「そうだったかな。感動したね。ジャバーが目の前にスカイフックしてた。もうあまり入らなかったけどね。それを見た若いファンが、なんだ入らないじゃん、なんていうのを聞いて、叩いてやろうかと思ったよ。バスケの神に、なんていうことをいうんだって叱ってね」
「マジックはどうでした」
「すごかった。ドリブルがね、床を突き抜くような、強くて高いドリブルなんだ。さんざんバスケやってきたけど、これが本物のドリブルなんだと、初めて知ったね。それから、ノールックのベースボールバスを、コートの端から端まで、マジックが投げたとき、震え上がったね」
「どうしてですか」
「糸を引くような剛速球で、インターセプトしたら骨折しそうなんだ」
「へぇ。すごいなー」
若い友達は目をキラキラさせていました。
今度来たNBAのハチムラくんたちの試合のアリーナ席は、何百万もしたとか。
若い子たちに見せてあげればいいのにと思いました。