最近、三十代の若い友人、NBA好きで、シューズもたくさん集めて、時々メルカリで高値で売っている友人と、こんな話をしました。
「最近のNBAのスキルは、ドリームワンやツーより、はるかに上がったね、驚いたよ」
「いえ、それは違いますよ。確かにトリッキーなプレーは多くなりましたが、僕はドリームワン、ツーの時代のがすごいと思います」
「そうか、確かにジョーダンのカリスマ性、ピッペンの品格、ストックトンの基本に忠実なシンプルなプレー、ファンタジックなマジックジョンソン…。僕らの高校生の頃は、バスケットボールイラストレイティッドという雑誌に、ルー・アルシンダーのバックダンクの写真が載ってて、しびれたけどね」
「ルーなんとかって、誰ですか」
「その後改名したジャバーだよ、知ってる?」
「はい、知ってますよ、レジェンドじゃないですか」
「ぼくは、ジャバー、本物、見たことがあるんだよ。マジックジョンソンも」
「アメリカで?」
「いや、マジックが引退直後、マジックオールスターズっていうチーム作って、日本に来たことあってね、大枚はたいて代々木のアリーナ席買って、見たんだよ。ジャバーも来てね」
「えっ、その話、聞いてないですよ」
「そうだったかな。感動したね。ジャバーが目の前にスカイフックしてた。もうあまり入らなかったけどね。それを見た若いファンが、なんだ入らないじゃん、なんていうのを聞いて、叩いてやろうかと思ったよ。バスケの神に、なんていうことをいうんだって叱ってね」
「マジックはどうでした」
「すごかった。ドリブルがね、床を突き抜くような、強くて高いドリブルなんだ。さんざんバスケやってきたけど、これが本物のドリブルなんだと、初めて知ったね。それから、ノールックのベースボールバスを、コートの端から端まで、マジックが投げたとき、震え上がったね」
「どうしてですか」
「糸を引くような剛速球で、インターセプトしたら骨折しそうなんだ」
「へぇ。すごいなー」
若い友達は目をキラキラさせていました。
今度来たNBAのハチムラくんたちの試合のアリーナ席は、何百万もしたとか。
若い子たちに見せてあげればいいのにと思いました。