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先週の金曜日もみなとみらいに海釣りに行った。
しかし、お恥ずかしいことに、綺麗な坊主だった。
小さなカタクチイワシの一匹も釣れなかった。
ただ一度だけ大物が掛かったがばらしてしまった。
たぶん、スズキだと思う。
私の作った仕掛けの針の結び目が甘く、ほどけていた。
私はその仕掛けを作った時、そこの一カ所の甘さを実は承知していた。
もしかしたらほどけてしまうかもと。
それを放置した私の甘さに、魚をばらした後、肩を落し、猛省した。
逃がした魚は大きいと言うが、それは本当だ。
竿に付けた鈴がなり、竿がしなり、私のアドレナリンが勢いよく出始め、竿を立てて合わせた。
魚はヒットした。
ゆるめていたドラグを閉めてはリールを巻き、もう一度、ドラグを閉め、リールを巻いた。
「やったー!今夜はスズキのムニエルと刺身か!上手いだろうな!やったー!」と瞬時に夢を見ていた。
次の瞬間、夢に繋がっていた糸が急にほどけた。
竿は何の重さも感じなくなった。
「あっ・・・」となった。
猛省すればするほど、逃がした魚は大きくなっていった。
だが、この悔しさ、この過ちがきっと何か繋がっていくと思った。
繋げなければならないと誓った。
それでも、しばらく、と言うか、案外、長い間、心はブルーだった。
左隣には先々週の金曜日にスズキとサメを釣り上げた高校生だった。
大人なので、あまり落ち込んだ表情を見せてはならぬと思いながら苦笑いし、仕掛けの作りの甘さを正直に伝えた。
彼が魚を釣り上げた時、私は私の網で魚を救い上げてあげた。
彼は網を持っていなかった。
その日、右隣に釣りをしていた親子の息子がスズキを釣った。
彼らは網を持っていなかったので、私の網を貸してあげた。
正直に言う、とっても羨ましかった。
正直に言う、私は一度だけ自分で釣り上げた物に網を使った。
釣り上げたのはすでに貝殻がたくさん付いていたバッグであった。
私はまだ一度も自分の網に自分の釣った魚を入れたことがない。
だが、あなたには分かってもらえるだろう、その日は近い。
私が自分の網で大物を入れる時を。
最後にもう一つ正直に言う、釣りは楽しい。
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