ああ、珍しい。褐色の空だ。
虚ろに思ったら、濁った河淵の木に逆さづりになっていた。
河はごうごと流木をのみ込む勢いで流れている。
僕は力いっぱい腹筋で折れ曲がって、ぶら下がったその枝を掴んだ。
くるんと起き上がった空は、眩しく白かった。
明るい日の中で見る夢はいつも混沌として、過去からの使者が何かを告げるようにそこに居る。あたかもそれは現実のような肉々しさを持って迫って来る。
目覚める前、ここはどこだ、といつも思う。
だんだん意識が戻るにつれ、ああ、此処はいつもの場所なんだと落胆する。
混沌と一緒に遠ざかってしまったものはもう何処にもなく、過去からの使者もそこにはいない。
現実はどんどん進むのに、僕はずっと動けずにいる。
ここに居るのは僕だけだ。それを知っているのも僕だけだ。
ますますあっさりと消えてしまった夢が、そこにしかない願いとなる。
僕はその場所を求め、また目を閉じる。
混沌が顕れ、僕は僕の場所に帰っていく。クラクションが遠ざかる。
濁った河が流れて行く。空が白く、眩しい。
虚ろに思ったら、濁った河淵の木に逆さづりになっていた。
河はごうごと流木をのみ込む勢いで流れている。
僕は力いっぱい腹筋で折れ曲がって、ぶら下がったその枝を掴んだ。
くるんと起き上がった空は、眩しく白かった。
明るい日の中で見る夢はいつも混沌として、過去からの使者が何かを告げるようにそこに居る。あたかもそれは現実のような肉々しさを持って迫って来る。
目覚める前、ここはどこだ、といつも思う。
だんだん意識が戻るにつれ、ああ、此処はいつもの場所なんだと落胆する。
混沌と一緒に遠ざかってしまったものはもう何処にもなく、過去からの使者もそこにはいない。
現実はどんどん進むのに、僕はずっと動けずにいる。
ここに居るのは僕だけだ。それを知っているのも僕だけだ。
ますますあっさりと消えてしまった夢が、そこにしかない願いとなる。
僕はその場所を求め、また目を閉じる。
混沌が顕れ、僕は僕の場所に帰っていく。クラクションが遠ざかる。
濁った河が流れて行く。空が白く、眩しい。