新月のサソリ

空想・幻想・詩・たまにリアル。
孤独に沈みたい。光に癒やされたい。
ふと浮かぶ思い。そんな色々。

いつか

2024-08-07 11:30:00 | 

ブラインドからくぐもった光、立ち昇る線香の煙縞々に。
揺らめき昇る煙、光の在処教え、
光は煙ちらちらと照らし、昇天せし。
花に立ち寄りし煙、生気なぞりゆき、
やがて縞々の光に消ゆ。

手向け灰に隠れ、光陰り今日の舞終える。
天界との交信閉じ、垣間見たのはこの世の境か幻か。

黄色い葩が空へ。
白い花片が風ひらひらと委ねる切望の先、どこへ。

青い花菱わたしの麦わら。
誰かが見つめる眼差しの奥。
白き入道カルピスの昼下がり白く。
今も近く雲の切れまに。

移ろい続ける情景は、今も哀しみの欠片寄り添う世界。
いつか頬を寄せ合うような、あたたかで柔らかなものに、いつか。

眼には届かぬ余韻の気配。
今は遠く空の向こうに。