氷の中から見る外側は、視界がぼやけていて、光がいっぱい屈折して反射して、とてもきれいだ。この前理科で習ったプリズムってこういうことなのかな。
そして何よりも、ここは守られていて安全だ。
不思議と冷たくはないんだよ。
気づいたらぼくは氷の中にいて、分厚い壁に守られていた。
きっかけは、もう忘れちゃったな。
ここから花火を見たときは、四方八方、ぼくの周りのあちこちで輪っかの光が弾けて圧倒された。それはとても幻想的で、やっぱり全部がぼやけていた。
今はそれくらいがちょうどいい。
はっきりとした世界は苦手だ。
「外の方が鮮やかだよ」って大人たちは言うけれど、鮮やかだからいいとは限らない。
ぼくの氷は時々強い日差しに負けそうになる。みんながぼくの壁に向かって強いものをぶつけては「そんなところから出てきて、一緒に楽しもう」なんて言う。
みんなは知らないんだ。
あやふやでぼやけて、それだから綺麗なものがあることを。それだから守られることがあることを。
雪の結晶が綺麗な形で張り付くことも、花びらがくるくると降りてきて、ピタリとぼくに微笑むことも。
ぼくはちゃんと知ってるよ。
青く爽やかに思い出す日がくることを。
そしたら一緒に笑ってよ。サイダーみたいな夏だったって。ね。
そして何よりも、ここは守られていて安全だ。
不思議と冷たくはないんだよ。
気づいたらぼくは氷の中にいて、分厚い壁に守られていた。
きっかけは、もう忘れちゃったな。
ここから花火を見たときは、四方八方、ぼくの周りのあちこちで輪っかの光が弾けて圧倒された。それはとても幻想的で、やっぱり全部がぼやけていた。
今はそれくらいがちょうどいい。
はっきりとした世界は苦手だ。
「外の方が鮮やかだよ」って大人たちは言うけれど、鮮やかだからいいとは限らない。
ぼくの氷は時々強い日差しに負けそうになる。みんながぼくの壁に向かって強いものをぶつけては「そんなところから出てきて、一緒に楽しもう」なんて言う。
みんなは知らないんだ。
あやふやでぼやけて、それだから綺麗なものがあることを。それだから守られることがあることを。
雪の結晶が綺麗な形で張り付くことも、花びらがくるくると降りてきて、ピタリとぼくに微笑むことも。
ぼくはちゃんと知ってるよ。
青く爽やかに思い出す日がくることを。
そしたら一緒に笑ってよ。サイダーみたいな夏だったって。ね。