渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

初めてのジャズ、初めてのラテン!

2007年11月27日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)荻窪ルースター(07.11/14)
メインアーティスト)関モヒカーノ恭史(p),藤田明夫(as.fl) 高橋ゲタ夫(b)
平川象士(ds)スペシャルゲスト:谷口英治(cl)

日本で発売される音楽CDの中で、ジャズの割合はおおよそ3~5%。確か何年かずっと変わっていないはずですね。円グラフで表すと極細く切ったチーズの様な模様ですね。マーケティングの世界では、10%を超えるとグッと存在感を増すらしいので、逆に言うと、油断するとその他カテゴリーに組み込まれそうな緊張感を常にはらんでいるわけです。
それにしては、若い女性と話すると、結構ジャズに興味持っている人が少なくない!ノラ・ジョーンズがミリオンセラーになったり、映画「スイング・ガールズ」のヒットでジャズに触れる機会が増えてきてるのかな。
ちょっと怖そうだけど入ってみようかな、でも何処で、何から始めたらいいのかな~、と言う感じでしょうか。そういった貴女に自信を持ってお勧めするのが、まずは「熱帯ジャズ楽団」ですね。底抜けに明るくて、楽しく、しかも、各パートの達人ばかりだから兎に角飽きずに大迫力のオーケストラ・サウンドを堪能できます。しかし、残念ながら、大編成で、売れっ子ばかりだから、普段の沿線のライブハウスでという訳には行きません。
そこで、スモール・コンボながら、ラテン・ジャズ音楽を存分に楽しめるバンドが、本日のモヒカーノさんのセットです。しかも今夜は、クラリネットの達人「谷口英治」が参加している。この方は、日本のジャズクラリネット界の重鎮「北村英治」の後継者。2番から50番ぐらいまで見当たらないダントツの後継者です。
コールポーター作曲の定番「ナイト・アンド・デイ」で大盛り上がりの一部を終えると恒例の佐藤オーナーによる手品が始まる。この店長はサービス精神旺盛で、特に一人で来店した方が休憩時間中寂しい思いをしないようにと色々工夫をされている。今夜は、手品とモヒカーノさんの非売品DVDがもらえるジャンケン大会。30人ぐらいが参加したこのジャンケン大会で、なんと船長が勝ってしまいました!すいません、佐藤さん。若い女の子だと絵になるのにね。
さて2部の圧巻は、本邦初公開のラテン版「鈴懸の径」。クラリネットの18番レパートリーで谷口さんによるとリクエストとかで一日3回演奏することもあって、もううんざりだ、と笑って言ってましたが、今夜はラテンバージョンで、実に軽快に演奏されてました。この辺はライブならではの特別な楽しみですね。
最後は、モヒカーノさんと谷口さんとのデュエットでエリントンの「インナセンチメンタル・ムード」で締めくくり。ステージと客席が一体となった充実したライブでした。
いや~、前回のTOYONOさんの時もそうでしたが、ラテンバンドは、ベースが肝ですね。ほんとにこのパートが良いとグイグイとバンド・サウンドがグルーブします。
今夜のベースは、「高橋ゲタ夫」。1970年代から、松岡直也や高中正義のラテンプロジェクト、前述の熱帯ジャズ楽団等に参加。今夜も最高のパフォーマンスを披露してくれました。休憩時間には、自分のバンドの横須賀でのライブを“走水海岸の食堂なんですけどね!”と照れ笑いしながら各席回って案内。しかも、大ベテランなのにとにかく腰が低い!いやー、こういう人は応援したくなりますね!

12月4日にも同じセットでルースターでのライブがあります。
中央線沿線の貴女へ!ジャズの世界に来ませんか?恐くないですよ!フフフ~

さあ、軽快なステップ踏んで船に戻ろう。
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船長→沢口 靖子→チェ・ジウ→プラッサ・オンゼ→新垣 結衣

2007年11月22日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)プラッサ・オンゼ(青山)(07.11/8)
メインアーティスト)TOYONO(v)、竹中俊二(g)、渡辺剛(key)、
          クリス・シルヴァースタイン(b), 宮川剛(d&per)

船長→沢口 靖子→チェ・ジウ→新垣 結衣。この四人には、すぐ思いついちゃう“ビューティフル&チャーミング”以外に共通点がある。それは全員生まれが6月11日という事である。(熱狂的な新垣ちゃんの親衛隊から、“それがどうした?少なくとも船長との関連はいらないから削除せよ!”とくるのは間違いない!)

そこで本日の停泊地プラッサ・オンゼ。当クルージングでは珍しく、ブラジル音楽専門のライブハウスである。店名の由来は、かつてリオのカーニヴァルが生まれた場所プラッサ・オンゼ・ヂ・ジューニョ(6月11日広場)からきている。ブラジル音楽と本格的な郷土料理が売り物で今夏は、開店25周年を迎えた老舗である。席数は、30~40名。東京のブラジル音楽の殿堂と聞いていた割には予想外に狭いが、吉祥寺「サムタイム」や横浜「Dolphy」のように、コアな熱いファンによって長い歳月磨き上げられた、たたずまいと独特の空気が漂っている。サトウキビで作られたブラジルの代表的カクテル「カイピリーニャ」で喉を潤しながら、これからきっと新しい発見があると確信すると、ライブを待つ間いつになく興奮してくる。
そして「TOYONO」さんの登場。彼女は、年明けの1月に大型ジャズクラブ、六本木「SWEET BASIL 139」にライブが組まれているほど程、実はこのジャンルでは人気者なんですね。そして今夜は、8月に発売された「pelicano heaven/ペリカーノ・ヘヴン」を中心の演目。
いいですね!今までブラジル音楽といっても、ジャズ系のアーティストのボサノバやサンバを聞く程度でしたが、「TOYONO」さんのように、ブラジル音楽(ボッサ、サンバ、MPB等)の要素をベースにしたオリジナル曲を中心に演奏活動しているアーティストのライブを観るのは始めて。日本語の曲もあったがほとんどがポルトガル語によるパフォーマンスで、はじめはキツイかなと思ったが、これが実に楽しい。サンバのリズムに乗って早口でスキャットするところは、実にキュートで圧巻。また、さすがに同店の今月の前半一押しライブだけあって、バンドも超一級で安心して楽しめましたね。
演奏終了後、すかさずご本人にインタビュー。
(ライブ会場で出演者本人と直にコミュニケーション取れるのが当クルージング最大の売りですよ!“どこでもインタビュー”のパスを下さったドラえもんさん、ありがとう!)TOYONOさんとは、チックコリア&フローラ・プリンとモレイラ夫妻、ウェイン・ショーター&ミルトン・ナシメントといった、過去のジャズとブラジル系ミュージシャンとのコラボレーションについての話題で多いに盛り上がりました。TOYONOさんにとっても、船長のようなジャズ畑から来た異人との話は刺激になるようで、楽しく歓談に付き合っていただきました。
ここらあたりの異文化交流はとても楽しいですね!そもそも、ブラジルやニューヨークの音楽シーンがとてつもなく面白くて常にエネルギーに満ち溢れているのは、なんと言ってもその“ごった煮文化”の賜物なんだと思いますね。だから、このコラボは、時として予想外の魅力的な化学反応を起こす訳ですよね。ん~、なんか今まで使っていなかった感性を多いに刺激されて、むくっと目を覚ましたような不思議な感覚を今日は体感しましたね!
ありがとう、TOYONOさん!ご案内頂いた12月19日のブラジリアン・クリスマス・セッションにも寄らせて頂きたいと予定していま~す。

よし、今日は気持ちよく船に戻ろう。
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ヘイ、ミスター・ベースマン! ラーメン食ぶる?

2007年11月18日 | その他
停泊地)西荻窪アケタの店(07.11/7)~第二話~
メインアーティスト)チコ本田(ボーカル) 岡恵美(p)荒巻茂生(b)大田智洋(ds) 
前回のつづき。

それにしても、今日はやけに“濃くて熱い”ライブだなと思ったら、会場にラーメン界のカリスマおかみこと、町田のラーメン店「雷文」のU女史が来ている事をチコさんから紹介される。(名刺に“一麺一心”と書いてあった。こちらも熱い!)ご本人の話によると、数日前に町田のジャズ喫茶『Nica's』でチコさんのライブがあり、たまたまそれを観て、いたく感動し一気に大ファンになり、本日尋ねて来たと言うことです。しかも、秘伝のつゆと麺をお土産に持参。
これに飛びついたのが、競演のベースマン荒巻さん。氏は自他共に認める大変なラーメンフリークのようで、本日も、休憩時間には、ラーメン仲間のアケタのスタッフと延々ラーメン談義。ジャズマンにラーメン好きは多いようで、こういった情景は、いたる所でみられる。

すこし脱線するが、1970年代後半には、世間様を大混乱におとしいれた、ジャズ・ピアニスト山下洋輔らによる「全冷中運動」(「全日本冷し中華愛好会」の略称。初代会長山下氏)というムーブメントが起きている。これは、二代目会長・作家筒井康隆の時に例の有名な「全冷中は死んだ!」という声明文の頒布により約5年間の歴史を閉じた。このことは、冷やし中華への異常な執着を通して、ラーメンに対するこだわりが、ジャズの世界では尋常ではないと言うことの歴史的証明と言える運動であった。

何故だろう。何故こんなにジャズマンはラーメンに惹かれるのだろうか?
ラーメンの語源にはいろいろな説があるようだが、良く分かってないらしい。でも私には確信していることがある!それは英語の「Lamentable/ラメンタブル=悲しい」とベースの部分で密接にかかわっていると。
高校時代お世話になった英語参考書に「英単語連想記憶術/武藤たけお著、青春出版社」という優れた参考書があった。驚くべきことに今でも同社の看板書籍として流通している。要するに、ダジャレとそれを表現した挿絵を使って面白おかしく英単語を覚えちゃおうという内容で、言ってみれば、タモリクラブの「空耳アワー」の原型のような書物である。そこで「Lamentable」の項を記憶を辿って紹介すると、受験生が夜中、悲しい顔してラーメンをすすっている挿絵があり、「Lamentable」と「悲しい」を連想式記憶術で表現した次の文が掲げてある。
「ラーメン食ぶる、悲しい受験生!」
(「食べる」が「食ぶる」になったところがちょいと苦しいが、30年以上たっても私の記憶から消えないところからみると、この文の持つインパクトの大きさがうかがえよう!)つまり「ラーメンを食べる事」は、「ブルージー」な行為であり、ブルージーは、ジャズマンに共通するソウルである。これで、多くのジャズマンが何故「ラーメン」を求めるかの謎が氷解する訳である。あ~そういう事だったのか!と。
「全冷中運動」の時も、詩人奥成達が「コルトレーンが吹くと冷し中華屋が儲かる」という有名な詩を詠んだが、まさしく現代の状況を予言し、看破している。

そこで最後に荒巻さんに問いかけたい!
「荒巻さん、今夜も“ラーメン食ぶる?”」

いい加減にしろ!という怒号と共に、タマゴや腐ったトマトが一杯飛んできたのでダッシュで船に戻ろう!
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西荻窪の地下室は、秘密のアジトのたたずまい!

2007年11月12日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)西荻窪アケタの店(07.11/7)~第一話~
メインアーティスト)チコ本田(ボーカル)
          岡恵美(p)荒巻茂生(b)大田智洋(ds) 

「アケタの店」は、サックス奏者・梅津和時率いるフリージャズ集団「生活向上委員会大管弦楽団」が一世風靡(あくまでジャズの小さな世界で)してた1980年ごろに一度来て以来の訪店。当時はこのバンドをリスペクトして、自分のバンドを「農村生活向上委員会」と名付け、自らを“井関野 小太郎”と名乗っていた自分を思い出すと、火が出るほど恥ずかしい!
入り口でドリンク込みの入場料2500円を払い、今日は大分冷えるので「焼酎のお湯割り」をオーダー。いいですね~。たぶん全然変わってない。照明はむき出しの裸電球、椅子やテーブルは不揃いで、場所によっては、“明治牛乳”と書いてあるケースをひっくり返したテーブルの上にドリンクを置くことになる。この西荻窪の地下室は、秘密のアジトのたたずまいがする。まあ、そんな人はいないでしょうが、初めてのデートとかには間違っても推薦しかねます。(変わり者同士なら悪くはないか!)でもこのスタイルでもう30年以上続けているのだから、立派と言うしかない。
この中央線沿線老舗ライブハウスの地下室に本日登場されたボーカリストが、チコ本田さん。70年代一世を風靡したジャズ/フュージョン・グループ「ネイティブ・サン」のリーダー&ピアニストの故・本田竹広(p)の夫人であり、兄は渡辺貞夫(as)、弟は渡辺文男(ds)、そして息子は売れっ子ドラマーの本田珠也。日本中、探してもこれ以上ないというジャズ・ファミリーの一員である。
スタンダードの「バイ・バイ・ブラックバード」でスタートしたが、チコさんにかかるとすべてが熱いソウルフルなジャズになる。でもやっぱり真骨頂は、ファンキーな「Mercy Mercy Mercy」やマービン・ゲイの「What's Going on」といったレパートリーですね。絶唱(シャウト)が自然に伝わってきて、いつの間にかステージと会場が一体となっていく感じ。この店の怪しげな佇まいが一層それを引き立てている訳ですね。
中央線沿線、濃くて、熱いジャズ、今も顕在!といった夜でした。

つづく。

そうだ、“濃くて、熱い”といったらラーメンだな。
よ~し、
「近日“ラーメンとジャズについての考察”をアップ予定!」
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“当世ミュージシャン気質”

2007年11月08日 | その他
停泊地)吉祥寺Strings(07.10/27)第二話
メインアーティスト)井上ゆかり(P),北浪良佳(vo),里見紀子(vln)

前回のつづき。
最近のミュージシャンは忙しい!勿論、今も昔も変わらず人気ものは忙しいのだが、インターネットが普及してから、やたらとデスクワーク(PC作業)が増えてますね。ホームページを作成し、スケジュールを更新し、blogなどで活動報告を記載し、コメントがあれば、丁寧に答え、さらにmixiに入り、今度は、一般のファン・プラス共演者からのコメントにも返答。コアファンや共演者のサイトにも同様のライブ報告がされていたりして、必要に応じてコメントを入れる。ジャズ系のミュージシャンのほとんどは、代わりに作業してくれるマネージャーなどいないので、勿論全部自分でこれらを行うことになる。実際、これの積み重ねがライブの集客につながったりする。従って、演奏の力量以外の才能(事務処理能力)も必要な時代になってますね。
その優等生的な活動を実施しているのが、今回のピアニスト井上ゆかりさんです。
最初にビックリしたのは、ライブが終わって、家で余韻にひたりながらビールを呑んだりして、何気なく彼女のHPを見たらさっきまでのライブの報告が既にアップしている!ほぼ毎回その日のうちにアップしている様ですね。しかも、ライブの休憩時間には、今後の演奏予定の入った小さなチラシをもって、全席をまわり、初めての人、常連さんの区別なく熱心に告知しています。
これは、今回の他の2人も同様です。バイオリンの里見さんからも、今度の「六本木alfie」のライブは、マイケル・ブレッカーのような感じでいくので、ブレッカー好きの船長にはお勧めですね、と直接本人から情報を入手。予定が合えば行ってみようかな、ということになる。
いろいろ横から見ていると、やはりこういったフォローや決め細やかな活動は、圧倒的に女性ミュージシャンに軍配が上がりますね。
この点で、まず男性ミュージシャンは、ダメですね。
blogの更新は、半年間なしだったり、生命線であるスケジュールの更新も当月に入ってからのときも多い。(スケジュール自体は、ほとんど二ヶ月前には確定している。)
休憩時間も、外にダバコを吸いに行っているのか、牛丼でも食べに行っているのか、見当たらない。
典型的なのが、ピアニストのF君。大学のジャズ研の後輩と言うことなので、六本木の某クラブでのライブの合間に、挨拶に。まず、名刺を持っていない!商売道具ないの!と言ったら照れ笑い。HPでスケジュールとかチェックしたいので、アドレスを教えて欲しいと言ったら、ホームページというより、そもそもパソコンを持っていないという返事。もしや電話も無いのかい?と聞いたら、PHSというのが有りますと、誇らしげ。仕方ないので、共演者のサックス奏者にもらった名刺の裏に、PHSの番号を書いてもらった次第。
と言うことで、彼のスケジュールを知るためには、一緒に活動してそうなミュージシャンのあたりをつけ、そのHPやblogで追いかけ、そこから横に広げ、ジグソーパズルのように完成させる必要がある。
演奏そのものは、良かったし、「MY FAVORITE THINGS」などは、ドラマティックでなかなか感動もの。他にもいろいろ芝居の作曲活動などもしているし、日頃の共演者も立派なものである。まあ、他人がどう思おうが、このスタイルで十数年プロとして活動しているのだから、このクラシカルなスタイルでも何とかなっちゃう、と言うことですね。逆に言えば、パソコンが壊れたり、携帯をなくしたりしてパニックになっているミュージシャンの話を時々聞きけど、F君には全く影響ないね!

「F君、君が誘ってくれた年末の新宿クラブJのセッション行くからね!」
 (と、ここで書いても、彼には伝わらないか!)

さあ、今日こそ船に戻ろう。
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今夜も絶品!「アマポーラ」

2007年11月04日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)吉祥寺Strings(07.10/27)第一話
メインアーティスト)井上ゆかり(P),北浪良佳(vo),里見紀子(vln)

北浪さんは、神戸出身の期待の若手ボーカリストで、以前紹介した、斉田さんと並ぶ私の大推薦若手歌手。10/24にデビューアルバム「Little Girl Blue」をリリースしたばかりで、本日もその収録曲が中心。今夜も披露して頂きましたが、彼女の「アマポーラ」は、絶品ですね。
音大の声楽科卒で大学院ではオペラを研究していたと言うことで、とにかくスケールが大きくドラマティック。レパートリーも「武満徹」作品あり、大貫妙子の「色彩都市」あり、エリントンありで特にユニークな編成。(今日はシャーデーまで披露。)8月の横浜ドルフィーでは、北欧の作曲家グリーグの作品も歌っていた!
通常のジャズ歌手の範疇を超えており、コテコテのジャズ・ボーカルファンの中には眉をひそめる方もいるでしょうが、私的には「ようやく出てきましたね。ずっと待ってました。ありがとう!」と声を掛けたいですね。(キモイ!と返されそうですが・・。いやいや、実際にお話しする機会がありましたが、とても気さくな方でした。)それほど彼女の登場は衝撃的でした。
活動の拠点の関西では既に大ブレイク状態で、東京でも確実にファンが増大しているという感じですね。11月は、「目黒ブルースアレイ」「横浜モーションブルー」でのライブが予定されていて、だんだん当クルージングでは立ち寄れないところに行ってしまいそうですね。それが気掛かりなんです。

つづく。
(第二話構想中。“当世ミュージシャン気質”とタイトルだけは決定しました。
フ~。近々アップ予定。)

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伊藤君子さん、ジャズですか? ジャズですよ!

2007年11月01日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)横浜DOLPHY(07.10/26)
メインアーティスト)伊藤君子(ボーカル),山本剛(p),安ヵ川大樹(b)

今夜はジャズボーカルの女王ご登場。会場はほぼ満席。ジャズクラブでは珍しく女性客が半分以上占めている。各地のボーカル・スクールの生徒や講師といった感じかな。伊藤さんから、そう聞かれると、恥ずかしがって首を横に振っていたけど、聞いているときの身のこなしを見てると間違いない!
一部は、スタンダード曲中心のオーソドックスな構成。特に「Love For Sale」(コールポーター作品)は絶品!曲間のMC聞いてるだけでも泣けてきます。日本一のジャズ歌手が目の前で歌っている。嬉しいね、Dolphyさん。しかも音の調整が抜群に良いから、安ヵ川さんのベースの音色がとにかく美しい。

そして二部のスタート。不思議な体験です。これが噂の津軽弁ジャズか!
伊藤さんは、先月「My Favorite Things」「Summertime」といったお馴染みの曲を津軽弁で歌うというCD:
「JAZZ DA GA ? JAZZ DA JA !~ジャズですか?ジャズですよ!~」を発売し各地でツアーを行い、二部でそのご披露となったわけですね。
“ちゃぺのひげコ(子猫のひげ)に、まんどろな月コ(真ん丸な月)”といった感じでなんとも不思議な響き。マジなのかジョークなのか?でも本人は真剣に歌っているところが面白く、あちこちで笑いが絶えない。
この類のものの変遷を整理すると:
 タモリのなんちゃってフランス語でシャンソン歌手
 →金沢明子のイエローサブマリン音頭
  →“王様”直訳日本語ディープ・パープル
   →伊藤君子の津軽弁ジャズ
細かいところではこれ以外にも、「関西弁アバ」とか色々あるようだが、うん、
実に確実に正しい方向に進化していて、伊藤さんのところでついに「昇華」したことが認識しうる。ドイツ哲学者の定義を借りると
 「イッヒ・アウフヘーベン・バウムクーヘン!」といった感じだな。
この企画は日本各地で好評のようで、今度うちの方言でもやってください。というオファーが殺到しているらしい。もちろんそれは丁寧にお断りしているということ。
津軽弁ジャズを切り上げると、ドラマチックな「アランフェス協奏曲」やエリントン・ナンバーを披露。アンコールは「マイ・ファニー・バレンタイン」で締めくくり。
何とも贅沢で盛りだくさんなライブで大満足!

最後に、日誌に記そう、
「噂の津軽弁ジャズ、わたしは、見た、笑った、感動した!」

今夜は横浜、急いで戻らなきゃ、船が出ちゃう!
コメント (3)
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