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ロバート会議規則(8)

2022-03-21 14:04:18 | 日記

議長の心構え

 議長は、議事規則(ここで説明している議事を進めるためのルール)に従って会議を運営する責任があります。ここでは、議長を務めるうえでの心構えを述べます。なお、議長は、座長と呼ばれることもあります。

※英語版の単語はpresidentです。これを会長と訳すと紛らわしくなるため、ここでは座長という言葉を用います。

(イ)時間厳守で(会議場に)到着し、定刻に会合を開始すること

 大きな組織であれば、事務局が必要な手配をしてくれるでしょうが、小さな組織の議長は、会議に関するあらゆることを自分自身でやらなければなりません。会議開始の十分前に会議場に到着して、会議室の状況(椅子やテーブル、白板などの準備状況)、定足数に達するかどうか、議事担当者はいるかどうか、会議メンバーに配布する資料はそろっているか、などを把握しておく必要があります。そして最も重要なことは、定足数を満たしていれば会議を定刻にすみやかに始めることです。

(ロ)用意周到であること

 会議を進める予定表(議程表、議事次第、アジェンダ等と呼ばれます)を事前に作成し、それに従って会議を進める必要があります。

(ハ)どのようなことが起こっても対応できるように備えておくこと

 ここでいう「どのようなこと」とは議事進行に関することです。会議の進行が乱れても、議事規則や前例に従って、きちんと対処し、会議の秩序を取り戻すことができるように準備(勉強)しておく必要があります。

(二)教師であること

 議長は、手順を明確に説明し、順番として次に行う事柄を伝えて、会議メンバーが共同して作業(会議)を進めるようにしなければなりません。

 議案が不明瞭であれば、言い換えや文書提出を求めるようにしなければいけません。

(ホ)発言権を統制すること

 議長は、会議出席者を統制しなければなりません。

 ・発言の意思を示している人(たいていは挙手をしている)に公平に(できれば)名前を呼んで発言権を与える

 ・発言者の発言を遮ったり、大きな声で発言を妨害しているものに対して以下を言い渡す

  ・今は別のメンバーに発言権が与えられていること

  ・意見は発言権が与えられるまで控えなければならないこと

 ・私語は禁止されていること(他の発言者の発言中は沈黙を守らなければいけない)

(ヘ)公平無私であること(公平であること)

 発言権は、発言を希望するメンバーに公平に与えられなければならなりません。意見が賛成と反対に対立しているような場合、可能であれば賛成派、反対派に交互に発言権を与えるようにします。

(ト)落ち着いていること

 議長は、会議を進めるために常に冷静でいる必要があります。会議が紛糾しても、慌てず落ち着いて処理する必要があります。議事の紛糾や混乱には笑顔やユーモアが役に立つこともあります。

(チ)正確であること

 会議は正確に運営されなければなりません。このため、表決の前後で次のことを行わなければなりません。

 ・表決の前には、必ず表決する議題を再度読み上げること

 ・表決後は、選択された行為を解釈して、表決の結果を出席している会議メンバーに知らせること

 声による表決では常に正確さに留意する必要があります。必要であれば、起立、あるいは挙手による再表決を会議メンバーに要請しても構いません。

(ツ)焦点を定めること

 議長は無関係な議論を認めてはいけません。発言者の発言が、議題と関係のない方向に向かった場合、直ちにその発言者に対して、議案を再度説明し、必要であれば、「発言を検討中の議題に限定するように」と要求しなければいけません。

(テ)節度を保つこと

 この項は、米国の会議では広く使われ、日本の会議では使われない会議用の「槌」に対する戒めが書いてあります。槌は、開会と閉会の時に1度ずつ使うようにと。

日本の会議でもみんなの意識を集中させるために、呼び出しベルを議長席に置いておくのもいいアイディアではないかと思います(ただし使用は節度を持って)。