神泉村へは一年近く訪れた。 途中で、女、子供も寝るからと買った、
何組かの安布団セットを畳部屋の押入れに入れておいた。
ある日行くと、そこにネズミが巣をつくっていた。 これで神泉村は終わった。
それ以前から、女たちはもともと、気味が悪いのかこのボロ屋に寝泊りするのを
いやがり、車で10分ほどのところにある、村に一軒だけの民宿に泊まっていた。
はじめは部屋の造作が面白くて行っていた友人たちも、出来上がると
次第に足が遠のき、行くのは私とごく少しの友人だけになった。

夏が終わり、借りた家の周辺にシュウカイドウが一面に咲いていた頃、
私たちは神泉村を去った。 少し掘り出して持ち帰ったシュウカイドウは、
今も庭の片隅で、夏の終わりが近づくと、美しいピンクの花を咲かせる。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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