家の裏の林の中に、今、白花の彼岸花が咲いている。
佐倉に引っ越してきた二十数年前、ご近所の老夫婦の方から
いただいて植えたもの。 鉢に植えられたこの花を持ってきて
くれた奥さんは、ふくよかな方でいつも笑顔の絶えない人だった。
六年ほど前、ご主人が亡くなり、息子さんのもとへ引越されていった。
二十数年年の月日が流れ、ご近所の多くのお年寄りの方たちがこの世を去っていった。
彼岸花、別名、曼珠沙華(マンジュシャゲ)。 全草、毒草。
こっちは城址公園入り口の、赤い彼岸花。 一緒に写っているのは、
これから散歩に行こうと、はりきる愛犬レオ、6歳♂。
お菓子の「カールおじさん」ではない。 シーズとコーギーのミックス。
初秋に日本各地でよく見る美しい花だが、咲き方が面白い。
花を咲かせているときは葉が無く、地面から出た緑の棒のような
茎の先に花をつける。 花が終わったあとから、蘭の葉に似た
細い葉を地面近くに多く出す。 花はピンク色のものもある。
この彼岸花が、以前書いた、<シャガ>と同じく、遺伝子が同一の
三倍体で、雌雄がなく種子ができないという。 なので誰かが植えるか、
土ごと運ばれるような移動をさせない限りそこには存在しない。
シャガは咲いている場所からまだ想像がつくが、彼岸花のほうは
ほんとうかと思う。 というのは、多くは平地や里山などの人のいる
場所に咲いているが、とんでもないところにも出ているからだ。
それはトンネルの上の、危険な急斜面の草むらの中だったりと。
ほんとにこんなところに、誰かが植えたのだろうか?と思ってしまう。
また種子ができないということは、日本中の彼岸花は大昔に入ってきた、
元々一つの株から増えていって広がり、その遺伝子は同じということになる。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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