続・笑う蜘蛛の糸

1969年生まれの私、
潮風太子が第2団塊世代特有の視点で書く
コッソリ系ブログです。

ガイジン頼みもほどほどに

2018-12-06 01:30:06 | インポート
いつの間にか12月になってました(◎_◎;)
これには我ながら本当に驚きです・・・
かなり忙しかったんだなと。
それもこれも御多分に漏れず例の人手不足。
ということで今週はこの辺のネタを。

現在、日曜の夜TBS系で「下町ロケット」というドラマを放映していて、
私、潮風太子も毎週楽しく視聴。
鬱な日曜夜を過ごしている工場勤務の労働者たちにとって、
月曜からのモチベーションを高めるのには、
持ってこいの作品。

もちろん潮風太子もフィクション承知で楽しく観ているので、
いちいち、どこかの薬物治療専門の医者みたいに、
「こんな薬物中毒患者はいない!」とか言って、
ムキになってアホな批判とかするつもりはありませんケド、
少しだけ地べたの目線でリアル補足説明をしておきたい。

まず大企業が自社で難しい部品の開発に拘ることはナイ!
ということ。
リアルの世界だと、
まず下請けの会社数社に、
この手の「企画」を持ち込み開発競争をさせる。
その中でコンペディションを行い、
最も優秀な製品を作る企業の製品を「採用」する。
この際メーカーとの癒着関係よりも、
実際には製品の優秀さを優先するのが常識で、
決定後ガッツリ値切りを行うというのが定石。
これが大企業の特権。
なぜか?
後々、その製品がトラブルを起こした場合の、
リスクを回避(あるいは分散)するためで、
無理に自社開発に拘らないのはそのため。
せいぜい「デザイン図」とか「設計図」だけ作成し、
あとは「下請けに丸投げ」というのが大企業にとって、
最も効率よく利益を上げる方法ナリ。

タカタ社製のエアバック事件をみれば分かりやすい。

もっとも佃製作所のような会社だって、
量産体制に入れば、さらに子会社、孫会社に回して、
ピンハネ利益で確実に収益を上げるという、
手法を使っているのは周知の事実。
よって「下町ロケット」のようなことには実際にはならないが、
ニューアンスとしてはイイところを突いているので、
このドラマを毎回楽しく観ている。
数名の「役者」の珍妙な迷演技込みで(笑)

「佃製作所」には外国人労働者がいないようですが、
(ガイジンを使うと稲川素子事務所が大繁盛)
現在、リアル世界の日本において、
ほとんどの3K職場に「外国人労働者」がいて、
実質彼らが我が国の製造業を支えてくれている。

そこで最近、こんなニュースが・・・

入国管理法改正案が今国会で可決成立か?

いわゆる「単純労働」を主とする外国人労働者に対し、
就労ビザの制限を大幅に緩和し、
事実上の「移民」を受け入れる体制を整える法律を、
政府与党としては成立させたいと。
これで主に単純労働やキツイ労働における、
慢性的な人不足をなんとか解消したいというもの。

そこに野党はあまりに杜撰な法律なので、
見直すべきだ!と言う主張。
ガイジンの奴隷労働者を生むだけだと・・・・
事実、すでに異常低賃金での長時間労働やパワハラの横行、
「脱走」による不法就労者の増加など、
深刻な事態がおきているじゃないか!と。

主にこの問題の中心となっているのが、
「外国人技能実習制度」という、
外国人留学生を「現場」で働かせ、
ホンモノの技術を習得してもらい、
帰国後には自国の工業力を上げてもらおうというもの。

一見すると双方の国にとって、
素晴らしいwinwinなシステムに思えるも、
実際には単なる出稼ぎ労働になっているという現実・・・

話を1990年前後の頃にタイムスリップさせる。

90年初頭、私メ潮風太子がまだ「新人」と呼ばれていた頃。

下町の町工場はどこも超多忙を極めた状態で、
それこそ猫の手も借りたい!という状況。
3Kとかガテン系とかいうコトバが出始めた頃でもある。
この3Kやガテン系は、
この頃すでに皆がやりたがらない時代になっていて、
高学歴化もこれに拍車をかけた。
もはや集団就職の時代でもなければ、
北日本からの冬の出稼ぎの時代でもナイ。
職業選択の自由アハハ♬というヤツ。

それでも世は未曾有の好景気。
日産の高級車「シーマ」に至っては6か月待ちが、
むしろウリ文句となっていたほど。
自動車の下請け部品工場などは、
いや孫請け、ひ孫請け、玄孫請け工場が、
全日休日返上の超フル稼働状態。

過労死も社会問題化してきた。

そこで外国人労働者を使うことになっていく・・・

そんな超多忙の工場で機械が故障でもしようものなら、
「今スグ来い!」と怒りの電話が、
機械メーカーのサービス部門に来るのが常。

行けば、まず最初に怒鳴られるところから始まる。
「遅せぇじゃねぇかバカ野郎!」その次に、
「ウチの部品が遅れると〇〇のラインが止まるんだぞ!」。
コレ常套句というか定型文。
これを聞くことから仕事が始まる。

そんなある日、
都内のとある町工場地帯には、
やたらと若いバングラデシュ人「労働者」がいた時期があった。

「いや~コイツらみんなダッカ大学の学生なんだよハハハ」
と社長の高笑い。
ダッカ大学といえばバングラデシュの東大みたいなところだろうに。
と思いつつも実は半信半疑。
そうこうしているウチに突然、
そのバングラデシュの若い職人たちが、
「切粉」と油まみれの工場の床の掃除を始めたかと思うと、
そこに真っ白い布を敷いて、
突如、お祈りを始めたので驚いた。
これが潮風太子が初めて見たイスラム教徒だった。

どうやらお祈りの時間が来たらしい。

一旦、作業を中断してコーヒーブレイク。
その社長曰く「酒は飲まねぇし、焼肉行こうったって行けねぇんだと・・」
この当時の多くの日本人はイスラム教徒に対する認識なんて、
こんなものだったのだ。
むしろシルベスタスタローンの映画の影響で、
「ソ連人」と「イスラム教徒」は「悪いヤツ」というイメージの方が、
極めて強かったのが実態。

「仕事の覚えはイイし、マジメだし、日本人なんかよりよっぽどイイよ」
そのコトバのウラには「しかもギャラも爆安だしな」というのが、
アリアリと伺えた。
聞けば1987年88年と続けてバングラディシュでは大水害に見舞われ、
国土の殆どが水没するという事態となってしまい、
勉強どころじゃなくなってしまったらしい。
それで日本語ができる学生は皆、
日本へ「出稼ぎ」に来ていたとのことだった。

どうりで優秀なワケだ。
当時、日本人でもまともに使いこなせる職人が少なかった、
NC旋盤やマシニングセンター(多機能型NCフライス盤)の、
プログラミングまで理解していたのには、
本当に驚いた。
言わずもがな「我流」で覚えたらしい。

と同時に彼らの国では、
どこの家でもお手伝いさんがいる環境だ。
お手伝いさんもいないような家はまともな家じゃナイらしい。
しかも彼らは国の最高学府の国を背負う超エリート。
それだけの未来モンスターたちが、
「お手伝いさん」もいないような、
日本の町工場で油まみれになって、
あのクーラント(冷却油)の独特のニオイに耐え、
切粉のクズに囲まれ、
「シャチョウ」にドヤされ時間に追われながら、
黙々となりふり構わず仕事をこなす姿に、
「同世代」の者として心から感心したものだった。

日本の東大生や京大生が異国の地で、
同じようなコトがデキるか?
強姦事件を起こすような大学の学生どもが。

実は当時、同じようにバングラデシュ学生労働者たちが、
日本中のいたるところで、この時期大活躍していたことを、
後々知ることとなる。
もちろん、その他の国の「優秀な大学生」たちもそう。
でも特にバングラデシュ学生たちが、
抜きに出ていたのは明らかだった。

アジアの優秀な学生たちを日本へ!
の流れはこのあたりからデキた。
彼らが自国の復興と復学のため帰国したのちの、
1993年から例の外国人技能実習制度が始まった。

しかし哀しいかな、
彼らが帰国を始めた頃から徐々に、
景気がジリジリと下がり始める・・・・
いわゆるバブル崩壊である。

超高飛車な態度だった大企業どもが、
この影響をモロに直撃を受ける。

理不尽なリストラが横行し、
アホな経営者の会社は力尽きて倒産の憂き目に。

助っ人だった外国人労働者たちは、
翻って不法就労者のお荷物扱いとなり、
上野公園周辺は多くのイラン人で溢れかえり、
異常な事態となっていくことに。
用が済んだらポイ!ということだった・・・・

2万人以上(と、その家族や下請け孫請け…も含むと無数)の労働者たちが、
リストラによって失職あるいは転職を余儀なくされた日産自動車。

かつての超高飛車な態度は何処へやら・・・・

いよいよ瀕死の状態となったとき、
フランスのルノーを再建させた、
カルロス・ゴーンという外国人を、
三顧の礼で迎え、
再建を図り存続に賭けた日産自動車。
困った時にはいつもガイジン頼み。
「野球」と同じだ。

はてまた奇跡的にV字回復を果たしたニッサン自動車。
カルロス・ゴーンさんのおかげで・・・・

彼を救世主と呼んで崇め奉り、
テレ東のカンブリア宮殿にだって登場したじゃないか。

ところが、どうだ。

これまた用が済んだらポイ!

マスメディアを使って、
アイツは悪者だと・・・・
そりゃ今やうま味が出てきたニッサン自動車のトップの座。
日本人ならスキャンダルで追い落とせるも、
そこはガイジンなかなか簡単にはいかず、
結局、検察庁まで使って強硬手段にでた。
そして、ようやく追っ払うことに成功!
これからまた権力争いが始まる。

確かに法的、道義的には問題がナイとは言えないが、
そこはソレ、それこそ忖度だろうに・・・
恩知らずもイイところじゃないか。
というか、
あれだけ超優秀な大学やら大学院を出た「社員」が、
リストラで履いて捨てるほどいたハズなのに、
カルロス・ゴーン「ごとき」の仕事が、
誰一人として出来なかったってのは、
一体全体どういうことなのか?である。
ガイジンに頼むということはこういうコトなのだ。
と、潮風太子はボビー・バレンタインから学んでいる。

また日本のマスメディアも広告収入のためなら、
簡単にスポンサー様の仰る通りと恥も外聞もナイ。
またそれを誰も窘めようともしない。
異常なことだ。
そりゃフランスサイドの鋭い指摘もわかる。

この国はいつもそうだ。
困った時にはガイジン様に頼む。
用が済んだら、サッサと出ていってくれ!
変革は常にガイジン任せ。
古くはペリーに始まるか・・・・・
マッカーサーがそれに次ぐ・・・・

でも、ガイジンはあくまでも人間なんだ!
ってことを多くの日本人はいまだに理解できていないようだ。
これを教えて育てる環境が、
まず欲しい。
移民政策の前準備はそこにある。
これじゃ韓国を笑えない。
また来週。


コメント (2)
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