みなさん、こんにちは
見えにくい写真で恐縮です。時々はコンタクトの話もちゃんと書かないといけませんね
ということで今回はソフトコンタクトレンズのフィッティングについて書きます。
ちょっと難しい話です。使い捨てコンタクトレンズのパッケージには規格が書いてますよね ベースカーブ(BC) 直径(DIA) 度数(S)
1day Acuvueなら BC 9.00 S-4.50D DIA14.2のように表記されています。
1day AcuvueにはBC(レンズのしなり具合)が9.00と8.50の2種類があります。
フィッティングとはレンズを装着した状態が良好かどうか?ということです。レンズの規格は各社が装用感を改善したり乾燥感を軽減できるように工夫をこらしているのですが全員に合うレンズを作ることは困難です。そこで眼科医がレンズを装着した状態を確認してずれていないか?はりついてしまってないか?など確認をします。
ハードコンタクトレンズは特にフィッティングを細かく調整する必要があります。レンズのベースカーブ(BC)を0.05mm単位で確認していきます。それはハードコンタクトレンズは涙に浮かんでいる状態で角膜上にあり、瞬きとともに毎回上下動しますのでしっかりあわせないと簡単にずれ落ちたりはりついたりしてしまうからです。
しかしソフトコンタクトレンズのフィッティングは結構簡単で角膜全体をレンズが覆いかぶせていればOKとされています。
写真にもありますが比較的簡単です。しかし比較的=100%OKではないということです
上の写真はジョンソンエンドジョンソンの1dayAcuvue moistを装用している目です。この商品にはBC9.00(ゆったりめ)とBC8.50(ぴったりめ)の2種類があります。
向かって左側の写真がBC9.00を装用しています。長年同じアイテムを装用されていて特に不便はなかったとことでした。正面視での状態のセンタリングは良好ですが上の方を見てもらうとズルズルっと下側にレンズがずれていることがわかりますよね。こういった状態を我々眼科医はフラット(フィッティングがゆるすぎ)といいます。
詳しく問診してみると、レンズを長時間装用しているとどうしても乾燥感・はりつき感があったということと時々ぼやけて見えるということがあったそうです。向かって右側の写真がBC8.50に変更して装用してもらいました。写真ではわかりにくいのですがフィッティングも改善し装用感も以前よりよくなったとのことでした。
BCを変更することによって乾燥感もやや軽減し視力の不安定さも自覚しなくなったとのことでした。
日常よく感じることですがソフトコンタクトレンズのフィッティングって簡単で大きなトラブルはないんだけど
不可可良優とわければ可~良の人が結構多くてもっとしっかり処方すれば優のフィッティングができるのではないかと思っています。
メーカーの出荷比率でいうと1day Acuvue moistのBC9.00は約85%程度だそうです。
当院で処方している比率ではBC9.00が50%。
ややフラットでゆるめのカーブで処方されている方が多いのでは?なんて思います。
よく眼科医は乾燥を軽減するために、レンズの含水率を下げる!とか分厚くする!とか酸素透過性をあげる!とか言われていますが最も基本的なフィッティングをしかりと診ていかないといけないと思います
さて、従来はソフトコンタクトレンズのBCを選択する場合に慣習的にハードコンタクトレンズと同様にレフケラトメーターの数値を参考にしていた眼科医や検査員が多いと思うのですがソフトコンタクトレンズのフィッティングはレンズ径とBCによるサグ高によってきまります。むしろレフケラの数値を見ずに2つの異なるBCのレンズを装着させてみてより良好なフィッティングのレンズのBCを選択するのが望ましいと思います。レフケラででてくる曲率半径は角膜の中央部のカーブを測定しているもので実際の角膜の非球面を考慮した数値ではありませんからね。
長々と書きましたが、レンズの定期検査を受けるときに毎回である必要はありませんが、角膜の状態、アレルギーの状態、度数の問題のみならずレンズのフィッティングもしっかりとみていかなければなりませんよね。
この長文のブログを最後まで読んでくださった人がいたら、大変マニアですね(笑)ありがとうございました
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大阪府 茨木市の眼科 白内障・緑内障・飛蚊症・コンタクトレンズ・加齢黄斑変性症 OCT設備もある
くぼた眼科 院長 久保田泰隆