最近下記の損害賠償を求めた訴訟の判決が出た新聞記事をみました。これを見て、日本も既に米国並みの訴訟社会になってると改めて感じました。
米国ではごく当たり前のことで、特に珍しいことではありませんが、まだまだ日本でこういった訴えに対しての抵抗があり、批判もあるようです。
事故で怪我など損害をこうむった場合、誰かがその償いをしないといけません。Some one has to pay for damages.
2011年11月29日 読売新聞
雨水でぬれた床で転んで骨折したのは店側が転倒防止の措置を怠ったのが原因として、福岡県苅田町の女性(66)が衣料品量販チェーン「しまむら」(本社・さいたま市)を相 手取り、約1771万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、福岡地裁小倉支部であった。
岡田健裁判官は「客が滑って転倒する危険があったことは明らかで、滑りやすい状態が放置されていた」として、同社に約572万円の支払いを命じた。
2011年12月15日18時49分 読売新聞
家具製造販売大手のニトリ(本社・札幌市)が製造、販売した椅子の脚が折れる事故で転倒して骨折し、うつ病にもなったとして、北九州市の40歳代の女性が同社を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。
古賀寛裁判長は事故をきっかけにうつ病が発症したと認定したうえで、同社に約960万円の支払いを命じた1審・福岡地裁小倉支部判決を変更、約1580万円の支払いを命じた。
私も数年前訴えられました。自宅前の歩道を歩いていた老人が転倒して腰の骨を降りました。
写真のように車道の直ぐ横に芝生の緩衝帯がありそしてコンクリートの歩道になっています。これが米国の典型的な住宅街ですが、歩道の管理は住宅の持ち主の責任です。
転倒した老人は2軒隣に住む人です。奥さんが我が家を訪れ転倒したことをいってきました。
当方の保険会社の連絡先を伝え、私も直ぐ保険会社に事故の旨連絡しました。それから数日後裁判所から訴訟状が届きました。
それには事故に至った経緯、当方が歩道の管理を怠っていた、そして本人の損害賠償額と奥さんがこうむったという精神的苦痛の賠償額が記載されていました。
私の保険会社が事務的なこと、相手方の弁護士との折衝などをします。請求賠償額が高く、初めての経験でもあり、もし交渉が決裂して裁判になった場合のことを考えて、私の顧問弁護士にも事故の詳細を報告して逐次進展具合など連絡してもらうことにしました。
結果は裁判なしで、賠償額も私が持ってる保険内で折り合いがつきました。それでも全てが終わるまで、2年間かかりました。
興味深いのは、訴訟してきた隣人にこれをいった悪い感情も持ちえませんし、相手も私達に対して恨みも、敵対もないことです。
事故だからです。でその責任は誰にどれくらいあるか、そして損害賠償は誰がいくら払うのかといった事でたんたんと処理していきます。
自分の財産を守る為、保険を掛けておきます。お互い保険を持ってるので、自分が逆の立場になった場合でもある意味では安心でもあります。ただ相手がどの位の保険を持ってるかはわかりませんが、保険で十分でない時はその人の資産が的にされます。
先日、私の知り合いが娘さんが運転する車に同乗していて、娘さんが事故りました。
怪我しました。早速娘さんを訴えました。我々、日本人からすると、「親が子を訴える」!!??、何か変だと思われるかも知れません。
これは娘さんが加入してる保険会社に損害賠償を求める行為なわけです。米国では何の不思議さはありませんし、ごく当たり前のことです。が、弁護士を雇う、煩雑な書類をそろえたり、結構時間も掛かりますし、弁護士も成功報酬制をとってますので、勝ち目のない案件には手を出しませんので、そう簡単ではありません。