もしかして・・近親相姦？

大きな膝に抱かれている幼い頃の記憶
それは、実際の記憶なのか、第三者的に記憶したものかは、分からない
私の中では、お気に入りの記憶

大好きなDadの膝
大きな手
Dadの頬ずりは、すべすべだったんだよ。
髭がほとんど無いからね
頬ずりすると、タバコの香りとお酒の香り
大きな背広のポケットから、何が出てくるのか凄く、楽しみだったなぁ

怖いけれど、好きだった。
私の中で、一番の理想の男性が、父親だったのかもしれない
怒ってくれるのは、愛情だってわかったのは、かなり大きくなってからだけどね

そんなDadの夢は沢山見た。
夢は進化するんだよ
仲良く遊んだDadが、何時しか、男としての香りを漂わせる夢

現実の世界では、絶対無いんだよ
でも夢の世界では、在り得るんだなぁ



Dadに甘える夢を見た
その日は、Dadとデートできると、喜んでいた。
デートと言っても、父と娘のデート
ショッピングして、散歩して、食事する

Dadは、デートに背広で来た。
お気に入りの、深緑の背広
何ともいえない優しい肌触りの背広
腕を組む時、その背広に触れるのが好き
昔だったら、しなかったし、Dadも嫌がっただろうけれど
最近のデートの時は、ぎゅっと腕を絡ませて、Dadにしがみつくように歩く。
傍から見たら、若い娘とおじさんだろうけどね
どんな風に見えたっていいんだぁ

「何か欲しい？」
そう聞かれても、特別欲しいものがある訳じゃない
「そう言わずに、何か選べばいい！」
その時、Dadのネクタイが欲しくなった。

「ネクタイ欲しい！」

「君が使うのか？」

「違う、Dadにプレゼントしたい。」

「自分の物は、自分で買うよ。」

「Dadのネクタイ欲しい。」

「え？」

その時、私は、無性に、Dadのしているネクタイが欲しくなった。
でも、それを欲しいと言ってしまうと、ネクタイが無くなる
そこで、ネクタイを買うから、今の欲しいと思った
しかし、その

「今つけている、ネクタイが欲しい！」

の、一言がなかなかいえないんです。
Dadの前で、ぽろぽろ涙が出てきちゃう。

「どうしたんだ？」

本当のことが言いたくてもいえない。
お店を出ようと言われ、近くの公園のベンチに座ったんです。
飲み物を買いに行ったDad
それを待っている間、置いていかれてしまったのではないかと心配になってしまった。
置き去りにされて困るような年でもないのに、そんな気持ちが凄くしたのね

両手に、飲み物を持ったDadが、こちらに向かって歩いてくる姿が、凄くうれしかった。
戻ったDadに

「抱っこして欲しいなぁ・・・」

Dadの驚いた顔

「小さい時みたいに、膝に抱っこして欲しいなぁ」

Dadの困った顔

「お家に帰ろう！」
そう言った、Dadの腕にしがみつき、家まで、歩いて帰った。
その間、何もしゃべらなかった。

お家に帰ってね。
抱っこしてくれたんだよ。
大きいと思った膝は、それほど大きくなかった。
でも、安心できる膝

膝の中でね
色々思ったんだよ。
でも、言葉に出来ないなぁってね

「いい子だな」
そういって、頭をなぜてくれたらね
想いが、噴出しちゃった。

背中に感じていたDad
もう我慢できないって、振り返って、向き合って抱きついたらね
それは、Daddyだった。
でも、Daddyと呼ばず、Dadと呼んだら
「なんだ？」って、返事した。

Daddyが、Dadなんだ
もう、想いをとめられないんだよ。
「キスして！」って、言いたいんだよ。
でも、Dadだもん
「どうした？」
と聞かれたって、言えないよ。
「抱っこ、嬉しい。」
そう言うのが、精一杯だった。

「Dadのネクタイ欲しい。」
そう言って、首にあるネクタイを解いたんだ。
シャツの中に見える、Dadの肌が、凄く気になった。
甘える振りして、Dadの香りを吸い込んだんだ
もちろん、その先を想像してね
でも、それ以上何もいえなくて・・・
悲しい気持ちだけが、どんどん大きくなって
咽こむ様に泣いたら、目が覚めちゃったぁ

ちょっと、残念
ちょっと、ほっとしてる



父親・・私は、Dadと呼んでいます。
主人の事を、子供たちは、Daddyと呼びます
その表現の違いが、父と主人の違い

私は、極端なDad complex(father complexも、和製英語だよね）
でも、Oedipus complexじゃ無いよ。
母親に嫉妬した事は無いからね。

でも、私の恋の相手は、何時も父親のように・・・
どこかに父親のにおいを探しているのかもしれないなぁと
思うことが、よくあります。
でもこれは、先日、貴方の子供になりたいなぁっと・・・
真面目に思った残像が見せた夢だよね

貴方の子供じゃなくて良かった。
夢が、夢ですまないね

夫婦と言う関係とは違う、危険地帯を想像してしまった・・・