涙の違い・・貴方の為に

私は、目に涙をいっぱいためて、横たわっているのです。

「何とか言いなさい！」

「ごめんなさい。もう止めて！」

どうも、私の答え方が、気に入らないようです。
でも何がどのように気に入らないのか分からないのです

「もう止めてください！」

と言うのが、精一杯です。
しかし、気に入らない返事をするので、止めるわけが無いことも分かっているのです。
厳しい言葉で問われるのは苦手、上手い返事が出来ない事も判っているんです

「いやだぁ」

「ごめんなさい。」

「痛いよぉ」

「怖い」

「熱いよぉ」

口から出る言葉全てが、気に入らないようです。

「黙れ！」

そう言って、目隠しをしてきたのです
そして、

「うるさい口を塞ごう！」

と、猿轡をしました。
声が出ません。
前が、見えません。
見えないと言う事は、音で判断するしかないのです。
必死に、音を探します。

「怖いよぉ」
「もう許してよぉ」

心で願うしかないのです。
さっきまでの涙とは、違う涙が流れるのですが、
音を探すため、声が出せないのです。

「うっ」

お腹に熱い一滴が・・・
体を動かすと、貴方の足に触れた。
熱かった。
でも、何処にいるか分からない暗闇で、確かなものを手にしました。
どれだけ、嬉しいかわからない。
背中に大量の熱さを感じ、のけぞりながら、悲鳴か、雄たけびの様な声が出ました。
でも、手に触れる足から手を離す事だけはしなかった。
うるさいと、足から振りほどこうとしますが、はなれない私。

「ぐっ・・」

激痛が走りました。
頭を左右に振り、いやいやをする
そんなこと、見てい無いかのように、何かで打たれている

苦しいのか、痛いのか、悲しいのか分からない
疲労困憊

「よく頑張った！」

そう聞こえた。
その時、気が付いた。
私は泣き叫んで、自分の苦痛を和らげる事ばかり考えていたんだぁ
嫌なら、最初っから、一緒に居なければ良い
一緒に居ると言う事は、分かっていたんだ
答えるのが下手な事だって、ずっと前から分かってた。
一緒に居ると言う事は、受け入れるって事だよね
そうしたかったんだよね
猿轡を取ってくれた第一声

「満足できました？」

ちょっとだけ、分かった気がした。



これ、夢の話。
夢の中だけど、ちょっとだけ、お勉強になった夢でした。
貴方が居るから私が居る
私は、貴方の為に存在したい。