竹田克也 オフィシャルブログ 「王子活動中」

ミュージシャン&総菜屋「やきとり王子」こと竹田克也は、毎日東長崎で活動中!

「何がやりたいのか、わからない」と言われ続ける

2015-03-09 10:35:34 | 日記

SNSやブログを通じてちょくちょく活動報告などをしています。

音楽活動、お店、商店街、地域活動から政治的発言に至るまで様々な活動に参加したり、立ち上げたり、心と体が赴くままにここ数年は動いてきました。

ところが昔からの間柄の人たちからは「克也は何がしたいのかわからない」と言われます。

僕としては「何がやりたいか」は全て詳らかにお伝えしているつもりなんです。

何でそう思われるのかな~、とちょっと考えてみたのですが、おそらくそれぞれの活動が一貫性が無いように見えていて、「で、何が一番やりたいの?」という問い掛けなのだと思います。

僕の考えを簡単に書くとですね「何で一つにしぼらなきゃいけないの?」という事なんです。

「経済活動なんだからお店が一番大事」

これは一番よく言われます。

確かに生活の基盤となるお金はお店で稼いでいるので、お店が無ければお金で回している社会においては生きていくのが困難な場面が多いのは事実です。

しかし「お金を稼ぐこと」が一番大事なのですか?

この問いかけをずっとテーマにして考えてきたし、生きてきました。

そもそも何でお金を稼ぐのですか?生きていくための食事、衣服、住宅を確保する為ですよね。

でもそれだけじゃないと思うんです。

欲しいものを買う為、行きたいところに行く為だし、時には人を助ける為。

そう「使う」という事です。

その目的があるから賃労働には意義があるのです。

この時点で働く事が一番大事というロジックは崩れますね。だって働いているだけでは充足を得られないという事ですから。

ある人にとってはお金を稼いで一年に一回の海外旅行が大事な人だっていますよね。

僕には理解できませんが、高級な革ジャンを着る事に目的を抱いている人だっています。

 

僕たちの世界はお金を通じて循環させているに過ぎません。

経済的に見ても収入だけでは成り立ちません。支出もあるから循環します。

 

だからこそ自分が社会の中で何をしていきたいのか、どんな役割を担いたいのか、何が欲しいのか、そこを意識して生きる必要があると思います。

その上で何が一番大事かを決めるのは「自分自身」であり、各々の「一番大事」を尊重してサポートしあうのが社会の在り方だと僕は考えています。

簡単な事です。

僕はお店が「一番大事」な時だってあります。作った惣菜やお弁当を「美味しい」といって買い求めてくれる人たちに出来る限りの事をしたいと思っています。

でも妻や友達が「一番大事」になる事だってあります。もし家族や友人が本当に困っていたら手を差し伸べませんか?「仕事があるから」といって突っぱねますか?そんな事はしないですよね。

僕にとっては音楽が「一番大事」な瞬間も沢山あります。僕の中から音楽が湧き出てくる瞬間があります。それを形にしようとする事が僕が長年かかわってきた音楽に対する誠意であり、自分自身に対する誠意でもあります。それに出来上がった僕の歌で「癒された」と言ってくれる人も最近は増えてきました。音楽家としての僕を愛してくれる人達への誠意でもあるんです。

そういう内なる思いや、今いる環境に対して誠実に振る舞おうと決意した時から、必要な事をやりつづけているだけなんです。

そもそも長崎の町に戻ってきた理由は「地元で音楽をやる」為です。大きなメディアに依存しないでも、働きながら生活しながら音楽を続けていく方法を編み出すために戻ってきました。

たまたま両親が元気に働いている自営業のお店があったので、そこを基盤にしながら徒歩圏内でライブ活動が出来る場所がないかと思って扉をたたいたのが「BAR魂」というお店。そこで新しい友達が沢山出来て、音楽的なつながりが充実しました。

更にお店のゆーじマスターの繫がりで四谷三丁目「ソケースロック」のコバさんと仲良くさせてもらえるようになり、歌い手としてお声をかけていただけるようになりました。更に更に、ソケースで出会ったチャーリーさんに声をかけてもらって、江古田でビッグバンドを従えた昭和歌謡イベントにも出演させてもらえました。

僕のちょっとした決意で、以前の僕には計り知れないだけの凄い人たちと一緒に音楽の仕事が出来るようになった訳です。

そんな人たちと、東長崎にせっかくある駅前広場でライブイベントがやりたい、という思いが発端で「まちづくり会議 ながさきむら村議会」の設立に繋がりました。それまで使ってこなかった駅前広場で、「ラジオ体操」「ランチタイムコンサート」や「ひがしながさき祭」などのイベントを行う事が出来ました(僕自身が出演出来ていないのが悔しいですが…)。

そしてそこで生まれたコミュニティが、結局「やきとりキング」のお客さんになってくれているんです。

全てが一つの糸で結びついているんですよ、実は。

僕は常々思うんです。人間てそもそも「一つの事」はやっていません。

心臓が動き続けている間中、息をしながら目で情報を得て、歩いたり、こうして指先でキーボードをたたいて、思考を巡らせて、と全然一つの事だけなんてやってないんです。常に色々な事をしながら動いているのが人間ですよ。

なのに社会活動となると「一つの事をやる」に集約させようとするのは何故ですかね。

もったいないじゃないですか。せっかく産道を通って生まれてきて、無事に生き続けているんですよ。心がワクワクする事やらないでどうするんですか。

一つの事を成すためには、色々な事を通じて人と繋がらなきゃ出来ません。

やりたい事は「やりたい」て素直に言える社会。

少なくとも僕が関わっている人達を見ていると、そういう方向に少しづつ向かっているように思います。

時々気持ちが折れる事も無い訳じゃありませんが、折れたら治せばいいだけです。

これからも、骨となる部分がぶれないように、生きていきたいと思う今日この頃です。

まあ「何がやりたいのか、わからない」と言われ続けるのも、一つの役割と思って、ね。


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