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カンヌ映画祭ー日本と韓国の受賞

2007-06-24 13:58:18 | 映画
「殯(もがり)の森」は、
受賞の翌日だったか、テレビでいち早く放映してました。不思議な映画でした。
ドキュメンタリータッチ、俳優さんも地元奈良のほとんど素人に近かった人たち、
日本の忘れられた風景と、世間に忘れられたグループホームの痴呆症の老人を映す、
30年も前に亡くした若い妻の幻影を追っているこの老人と、
子を亡くしたトラウマをもつ若い介護士との心が通う瞬間を、
監督の小型カメラが見つめている、といった映画なんです。

カンヌ映画祭の賞をとるのは、どちらかというとマイナーな作品、
これまで日本は最年少の男優賞に、柳楽優弥(『誰も知らない』)とか、
グランプリには『死の棘』(小栗康平)、古くは今村昌平の楢山節考、です。
アカデミー賞とはひと味もふた味も違う、フランス人の感覚、
日本のこと、自然に対する畏敬の念、神秘性を神が宿るととらえる宗教性、
それを描き出す監督の感覚もすばらしいですが、
それを評価する、異質なものを理解できるフランス人の文化水準の高さ、そういうものを感じます。
でも商業ベースには乗らない,渋谷シネマなどで、上映が始まりますが、どうでしょうね。

さて、日本ではほとんど報道されなかったのではないでしょうか、
カンヌの主演女優賞のこと、韓国のチョン・ドヨン、『密陽』という作品が認められたのです。
この女優さん、ヨンさまと「スキャンダル」で共演した(あるいは恋人宣言した?)といえば、
日本ではわかるのでしょうか。
33歳だそうで、映画の主人公と等身大、密陽はミリャンという 慶尚南道にある都市の名前、
映画では、ソン・ガンホと共演していい味をだしている、観客の内面に訴える静かなドラマだ…そうです。
目下韓国で上映中、そのなかで受賞となって、観客150万人を突破、
韓国では華やかなスター映画ばかりのなか、異例のことのようです。
日本では、ソン・ガンホの映画、で十分観客呼べると思いますが…。久しぶりに観たい韓国映画です。
さて、↑の写真(出処は中央日報です)、その女優さんですが、バックに写る人にびっくり、
70歳くらいになってしまっているのかしら、面影ある…、あのフランスの男優!!。


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