「極付 幡随長兵衛」
この演目、人気なんでしょうね、
たびたび上演されるのはそういうことなのでしょう。
男伊達の粋、とか、
江戸っ子の侠客のいさぎよさ、とか、
それが現代人にはスカッとする、っていいますが、
本当にそう?
ちょっと信じがたい。
(今回も最後の幕で、水野切腹の沙汰が下ったこと、カットでしたし…
この話って、実話だから驚きね!)
後味がすごく悪い!
…と、思ってました。
さて今月、團十郎の長兵衛がカッコ良すぎる!
きりりとした眉、きれい!
ちょっと見直しかも?!
長兵衛は、元は武家の出、身に付いた作法がふっと出なくてはならないのね。
梨園の團十郎には、自然に滲み出るもの。
裃に着替える作法の簡潔さ、(それをも見せてしまう歌舞伎の面白さね)、
とても控えめに女房お時(藤十郎)が着物のしつけに気がつき、引き抜く、
無言で見交わす間(ま)、こういうところたまらないわね。
長兵衛は、
殺されるのはわかっても、水野の屋敷に出向かなくてはならない、
身代わりを立てることは恥、自分を汚す、
たとえ不条理でも、死して名を残すほうを選ぶ、
ここなのね、真骨頂は、
「人は一代、名は末代」
市川宗家とダブルではありませんか。
「綺麗に命を上げまする」
という長兵衛最期のことば、
江戸っ子の心意気、とは解釈したくないなー、
虚しいのですー、
長兵衛のお時に残した、子は堅気にしてくれ、との言葉も虚しい、
旗本組も町奴も仕返しの連鎖になる、ことも、
わかっていたんですね。
この家業、自分自身の虚しさ、
ーー死に場所を選んだ、
そう考えると、この演目、生き残るなー、と思います。
歌舞伎舞踊、六歌仙の「喜撰」
重い演目のあいだに、舞踊というのは、ホントによく考えられた、と思います。
理屈抜きで楽しめます。
三津五郎さんは楽しそうに喜撰法師を踊ります。
祗園のお梶(時蔵)がどうして小町の見立て?
なんて野暮、
半襟が金襴だから、というのも、いいのよね。
お梶から受け取った手ぬぐいで踊る、
これが最高!
踊りの名手、との誉れ、三津五郎さんにはきっと…でしょう。
★山崎権一さん、幡随長兵衛劇中劇「公平法問諍」で上人役でした。
この劇中劇、なにがどう?筋書き知りたいなー。
(2008/5/2 初日観劇 歌舞伎座)
この演目、人気なんでしょうね、
たびたび上演されるのはそういうことなのでしょう。
男伊達の粋、とか、
江戸っ子の侠客のいさぎよさ、とか、
それが現代人にはスカッとする、っていいますが、
本当にそう?
ちょっと信じがたい。
(今回も最後の幕で、水野切腹の沙汰が下ったこと、カットでしたし…
この話って、実話だから驚きね!)
後味がすごく悪い!
…と、思ってました。
さて今月、團十郎の長兵衛がカッコ良すぎる!
きりりとした眉、きれい!
ちょっと見直しかも?!
長兵衛は、元は武家の出、身に付いた作法がふっと出なくてはならないのね。
梨園の團十郎には、自然に滲み出るもの。
裃に着替える作法の簡潔さ、(それをも見せてしまう歌舞伎の面白さね)、
とても控えめに女房お時(藤十郎)が着物のしつけに気がつき、引き抜く、
無言で見交わす間(ま)、こういうところたまらないわね。
長兵衛は、
殺されるのはわかっても、水野の屋敷に出向かなくてはならない、
身代わりを立てることは恥、自分を汚す、
たとえ不条理でも、死して名を残すほうを選ぶ、
ここなのね、真骨頂は、
「人は一代、名は末代」
市川宗家とダブルではありませんか。
「綺麗に命を上げまする」
という長兵衛最期のことば、
江戸っ子の心意気、とは解釈したくないなー、
虚しいのですー、
長兵衛のお時に残した、子は堅気にしてくれ、との言葉も虚しい、
旗本組も町奴も仕返しの連鎖になる、ことも、
わかっていたんですね。
この家業、自分自身の虚しさ、
ーー死に場所を選んだ、
そう考えると、この演目、生き残るなー、と思います。
歌舞伎舞踊、六歌仙の「喜撰」
重い演目のあいだに、舞踊というのは、ホントによく考えられた、と思います。
理屈抜きで楽しめます。
三津五郎さんは楽しそうに喜撰法師を踊ります。
祗園のお梶(時蔵)がどうして小町の見立て?
なんて野暮、
半襟が金襴だから、というのも、いいのよね。
お梶から受け取った手ぬぐいで踊る、
これが最高!
踊りの名手、との誉れ、三津五郎さんにはきっと…でしょう。
★山崎権一さん、幡随長兵衛劇中劇「公平法問諍」で上人役でした。
この劇中劇、なにがどう?筋書き知りたいなー。
(2008/5/2 初日観劇 歌舞伎座)
死に花咲かせてということこなんでしょうが、ああいう心意気、現実的に考えると本当にくだらない、オトコの勘違い!
でも、芝居としてカッコいい團パパがやると、そりゃもうウットリ(^^)v
何度見てもいいですよねぇ~。
どうも痴話げんかでやられたようで、
ちっともカッコいい話じゃなさそう…、
でも、それをお芝居にして、
イナセな江戸っ子気質にしてしまう、
これはもう、脱帽ですよね。