雨の朝に携帯を手にしてベランダで腰掛けていた。
天気予報では、これから雨は上がり、でもまた降るようだ。
いつもの事だ。傘があってもなくても同じようなものだ。
私が考えることなんて、いつも同じようなことだ。
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錆びたベランダの鉄柵は毎日毎日見ている。
こうして雨のしずくが溜まっては落ちるのだって、何度も何度も見た。
それでもその日もまた、そうやって見ていた。
飽きずに見る、飽き飽きして見る。
ただぼんやりと携帯を持ったまま。
携帯のカメラは撮る時に音がする。
パシャって。
何回かシャッターを押していたら、その音でやっと少し目が覚めた。
我にかえると長くいすぎたようで、自分で自分が気まずい。
だから、もう一枚撮る。
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携帯のカメラも悪くないよ。ありがとう。