私の好きな、いがらしみきお。いや、ご本人は存じ上げない。
1980年代に奇跡のように現れたマンガ家。
フランス映画『突然炎のごとく』をもじって言わせてもらえば
『突然怒涛のごとく』
思いっきり大波を浴びせて静かな海となった。
世の中のバランスとは、個人個人のバランスの集合だ。
太古の昔からバランスは寄ったり崩れたりしながらも保たれてきた。
しかし、もう、それは限界のようだ。
『Sink』 に描かれているのは、実にごく普通の風景。
もうコワイくらいにリアルな、よくある風景でよくある会話。
そのどこかに、だまし絵のように奇妙なものが埋め込まれている、。
気がつくのはごく少数の人間だけ。
あれ、なんかおかしいよね、でも、まあいいか。
おかしな事やおかしな物。
この世はモノに満ち溢れていて、もうその捨て場さえないくらい。
気がつかないけど何かが始まっている。
全2巻。
当初はウェブ上のみでの連載だった。当月の分のみ無料で見られた。
次が読みたくて読みたくて、まったくじらされた。
第1巻の扉ページ。
すでに怖い。
え、なぜ?なぜ?
なぜと言ったらいけないの?
なんで?どうして?
不条理ばかりに気がついてしまう。
まったく好き好きの分かれるマンガであります。
もしほんの少しでも興味を持たれた方は一読をお勧めします。
書店に無い場合は是非注文を。
〔関連記事〕 2008年9月15日 『かむろば村へ』
http://blog.goo.ne.jp/sirogoma99/e/63b8b24d86954c44891fc79b89a6402e