生き様死に様。尊敬しますね。偉い人が居ましたね。
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こつこつためた5億円、大学に寄付した男性の思い「私は財産ゼロで終えます」
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こつこつためた5億円、大学に寄付した男性の思い「私は財産ゼロで終えます」
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2018年06月25日 08時50分
中本博雄さん
中本博雄さん
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九州大に5億円寄付した中本博雄さん
若い頃から一心に学び、働いた。ただ一つ、得られなかったもの。大学の学びを、学生たちに悔いなく送ってもらおうと今春、九州大に5億1600万円を寄付した。「お金は残すよりも、世間に役立たせたい」と話す。清貧を重んじ、こつこつとためた。
戦前に生まれ、旧満州から終戦翌年に引き揚げた。数学や科学が好きで小倉西高時代、恩師から九大への進学を勧められたが、家が貧しく父親の了承が得られなかった。それでも育ててくれた親への感謝の気持ちは強く、親が営む個人商店で「客の笑顔のため」に、27歳まで無給で働いた。
断ち切れない勉学への思い。独学を重ねて身に付けた知識を基に、静電気を利用したコピー機の試作機を作り上げ、米国と日本で特許を取得した。「失敗しても失敗してもあきらめない。執念を持ち続けて頑張れば道は開ける」。取得した特許は「大学の卒業証書みたいなもの」と笑う。
福岡市で創業した会社が成功。経営は次男に譲り、「これからは夫婦2人の生活費と病院代だけで十分」と言う。かつて進学を目指した九大への寄付を、妻稔恵さん(74)も快諾した。日本における寄付文化の醸成に貢献したい、との思いもある。
寄付の使い道について九大は奨学金制度「中本博雄賞」を創設し、来年度から20年間、学生たちの留学費や給付型奨学金に充てる。
「執念を持って勉学に励む若い人に渡した方がお金は生きる。私は財産ゼロで終えます」
福岡市内で稔恵さんと2人暮らし。80歳。体操や散歩で体力維持を図っている。
=2018/06/25付 西日本新聞朝刊=