民主代表選前に細川護熙元首相が仲介役となって実現した小沢一郎・野田佳彦の会談。
そこで気になったのは、読売の記事にしか載ってないのですが細川氏が「小選挙区の見直し」に言及している事。
なぜ、細川氏が唐突に小選挙区の見直しの発言をしたのか少し気にになったので調べてみました。
そこで、まずは2つの記事を見てほしいのですが、
■20011年4月13日の細川護熙元首相への朝日新聞のインタビュー。
3・11 新たな文明創れ - 細川護熙元首相朝日新聞 (2011.04.13 朝刊 オピニオン・インタビュー)エヌのブログ より
>「小選挙区になって人材がいなくなったという人もいますが、そうは思いません。米国も英国も小選挙区だけれど、政治の人材がいなくなったという話は聞かない。吉田茂さんくらいから後は平和だったし、経済も順調だったから、政治のリーダーシップが必要とされなかった」
■2011年9月3日の読売新聞の記事。細川護熙元首相の発言。
細川元首相「野田、小沢両氏と3者会談した」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
>また、1994年に細川政権が導入した衆院小選挙区比例代表並立制度に関し、自民党一党支配を終える役割を果たした今、見直すべきだと明言した。
細川氏の小選挙区に対する考え方がガラっと変わってるのがよくわかると思います。
つまり、細川氏は一貫して「小選挙区の見直し」論者でもなかったという事になりますね。
で、やっぱりその原因は?となると、公明党が8月に衆院選挙制度改革として持論である「小選挙区比例代表連用制」を提案してるんですね。
時事ドットコム:「比例代表連用制」提案へ=衆院選挙制度改革-公明(2011/08/17-17:28
>2009年衆院選に当てはめると、小選挙区で圧勝した民主党の比例議席は87から約10に激減。自民党は微増にとどまる一方、公明党は21から約50に、共産党は9から約30に、それぞれ比例は大幅に議席が増加する。
これはなぜ、この時期に提案したかと言えば、どう考えても民主代表選を考えての事で、公明党は「これを飲むなら連立してもいいよ」というサインを民主へ出していたんじゃないか?と思ってしまいますね。
そして、そのサインを小沢、細川氏らにも出していて、そして小沢・野田会談へ・・・という流れになったんじゃないかと。
もっとも、会談前にだいたいの話の流れは決めていたように思いますけどね。
この時点での有力な候補は海江田か野田。前原はマスコミが推していただけですからね。
時事通信の記事では、2009年衆院選に当てはめると民主の比例議席は激減ですが、自民と選挙協力していた公明党の票が民主に流れると、比例で伸びなくても小選挙区では勝てるわけで大負けはしない。
今の自民・公明の協力体制でいけば、民主党は2年後の解散総選挙で大負けするかもしれませんから、それよりは公明党の「比例代表連用制」を採用して民公連立したほうが得策・・・と考えているかもしれませんね。
で、民主寄りなジャーナリストの田中良紹氏の記事を。
私は財政原理主義ではない (田中良紹の「国会探検」)2011年9月 3日
>小泉総理が郵政選挙で大勝した後、自民党と公明党の間では定員3人の中選挙区を150作る事が合意された。小沢路線の全面否定である。その合意が自公連立の背骨の部分にあった。ところが最近、公明党は中選挙区制を諦め、小選挙区比例代表連用制を言い出した。つまり自公連立の背骨はなくなった。
とまあ、今後の焦点は公明党の主張する「比例代表連用制」を採用するかどうかになるのは間違いないでしょうね。
これが、民主、公明にとっての生き残る道といってもいいんじゃないでしょうか。
で、小選挙区比例代表連用制になるとどうなるか?
今の民主・自民の2大政党政治ではなく、他の政党の議席も増えて多党政治になるという事のようですね。
これは脱原発等の観点からも、国民にとってメリットはあるように思いますが、どうでしょうかね。
電力会社とズブズブな民主・自民の支配よりは、多党政治になったほうがはるかにマシでしょう。
(Podcast)ぽぽんぷぐにゃんラジオ 2011年9月3日(土)