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花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

孤独な三毛猫 其の弐

2019-12-12 16:49:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
三毛猫の心は動き出した。
それまでは様子を窺うかの様な動物(人間)観察に近いものであった。
けれど三毛猫の心はその域を越える。
偶に話してると見え隠れする白狐の深い部分を知りたいと思う様になる。
自分も話しつつ振る。
白狐の人生観、考え方、在り方…
其れ等を知りたくて知りたくて…
話しを振る。
白狐は静かに語る。
三毛猫もその語りを聴き入る。
それに対して三毛猫は三毛猫の考えを意志を返す。
白狐も似た様な孤独を抱えている。
何処か冷めた感じがあるのはそれが理由。
しかし、三毛猫にはその部分が大いに分かるのだ。
上手くその孤独と付き合って生きてきた白狐。
三毛猫とはまた違う孤独との付き合い方。
こういう付き合い方もあるのだろう。
三毛猫はそう感じながら聴き入る。
心を重ねるのも心地いい。
大まかな目標を決めて後は成行任せなお出掛け。
食事も行き当たりばったりをやってみたり。
ノープランのぶらり旅みたいな逢瀬は三毛猫には縛りがなくて楽しい。
自由気儘に満喫するのだ。
白狐と同じ刻を過ごせる事を三毛猫は喜び噛み締める。
逢えば逢うほど、三毛猫は白狐に好意を強める。
けれどコレは未だ恋では無いのだろう。
そう、三毛猫は思う。
恋の手前か或いは恋をする準備なのか…
三毛猫には初めての経験故に判じれずに居る。
けれど三毛猫はこうも考える。
身体を許せた時点で恋になってるのか?
と、さえも。
なれど、恋にしては三毛猫の心は何処か冷静で心も身体も重ねるのが白狐と一緒に居たら自然。
と、認識しつつあるので何とも曖昧である。
何せ身体を許した際の状況も状況だった。
これがストレートに何かを言われてとか誘われてとかなら三毛猫も恋を意識したかも知れない。
だが、三毛猫も満更じゃなくなったのを白狐が見逃さなかった事から境界線を越えたが故に曖昧なのだ。
だからと云って流れに身を委ねた事も後悔は無い。
が、いつもならやらない事をやった自分に対して些か疑問を抱いたが。
けれど白狐と身体を重ねる事も三毛猫には心地よく身体を重ねるから知れる事もある。
偶に快楽に溺れ掛かるけれど。
三毛猫は今、白狐との日々をどんな事でも楽しんでいる。
時には驚かされ…
時には恥じらわされ…
時には憤り…
時には弱さを見せ…
時には大いに笑い…
そうして三毛猫は白狐が傍に居てくれる日々を過ごす。
白狐も自分と同じ様に楽しんでくれるにはどうしたら良いか…
そう、考えながら。

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