読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

有川ひろ著「物語の種」  

2024-10-10 | 有川浩
頂いた種題をもとに書かれた10篇の短編集。SNSで目にした保護猫に心を鷲づかみにされた主人公。ある日、事件が起きて・・・「SNSの猫」。
祖母を亡くした妻、父を亡くした旦那。二人の会話から見えてきたのは・・・「レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや」。
静岡生まれの旦那の実家にて、高知生まれの妻は何を思う?・・・「胡瓜と白菜、柚子を一添え」。
中学の社会の時間にクラスメイトが発したある意見に、主人公は痺れた。・・・「我らを救い給いしもの」。好きなものを好きなまま大きくなるっていいね。「確かに幸せな人は他人に悪意をぶつけたりしないだろう」(P78)「好きをどれだけ持っているかが耐久力になる」(P80)
小学生の夏休みに祖父の家に預けられた主人公の、ほのぼのハッピーな成長譚。・・・「ぷっくりおてて」。僕のヤモリ物語。
ある家電メーカーで出世街道驀進中の研究所長には、意外な秘密があった。・・・「Mr.ブルー」宝塚一色に染まっちまう人たちのひた向きさに吃驚。
ある夫婦の、40年にわたる結婚記念日の物語。・・・「百万本の赤い薔薇」
エステサロンに勤める主人公。コロナ禍で経営が傾いた店の 強欲な店長の元で働くことに悩んでいて・・・「清く正しく美しく」。 
祇園祭によさこい祭。コロナ禍で中止になっていた祭の復活は、やっぱり嬉しいもので。・・・「ゴールデンパイナップル」
 ある家電メーカーで働く主人公は、3歳年上の先輩のことが気になっていた。・・・「恥ずかしくて見れない」身も心も宝塚一色に染まっちまう登場人物たちのひた向きさが中心の物語。コロナ禍だからこそ生まれた短編集。
2023年5月幻冬舎刊  

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