読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

吉田修一著「罪名一万年愛す」

2025-03-06 | Weblog
ミステリーでもありファンタジー風小説。高度成長期45年前平凡な主婦が失踪する。東京の有名なレストランのウェイトレスは梅田丸百貨店の社長と会っていたと証言するが未解決のままであった。横浜で探偵業を営む遠刈田蘭平のもとに、一風変わった依頼が舞い込む。九州を中心にデパートで財をなした有名一族の三代目・梅田豊大から、ある宝石を探してほしいという。宝石の名は「一万年愛す」。25カラット以上のルビーで、時価35億円ともいわれる。蘭平は長崎の九十九島の一つでおこなわれる、創業者・梅田壮吾の米寿の祝いに訪れることになった。豊大の両親などの梅田家一族と、45年前の捜査担当した元警部の坂巻といった面々と梅田翁を祝うため、豪邸で一夜を過ごすことになった蘭平。だがその夜、梅田翁は手紙を残して失踪してしまう。東京の主婦と福岡の梅田翁。なんの接点もない2人がやがて絡み合う。明かされる日本の戦後の混乱期に起きた出来事。絶海の孤島に大型台風によって密封された登場人物たちの前からの失踪という謎仕立て。45年前の女性失踪事件との関連、私室に残されたDVD3作品「飢餓海峡」「砂の器」「人間の証明」。これは感動の愛の物語なのか。しかし違和感抱きながら読み進めて残念な方向に極まった作品と思います。ミステリーとして、意外性のない「意外な展開」、鬼気迫る状況のはずが緊張感に乏しい、読み心地が悪い結末とご都合主義に残念な読後感でした。
2024年10月角川書店刊

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