読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

堂場瞬一著「ポップ・フィクション」 

2025-01-05 | Weblog
「POP FICTION」とは「通俗」。大正時代1920から1930年、出版華やかなりし頃。徳川夢声、谷崎潤一郎、作家や文化人たちが侃々諤々の議論を交わしながら、面白いものを作ろうと奮闘し、100万部突破の上昇雑誌を作くろうとする様を描いた人間ドラマお仕事小説。主人公の「市民公論」編集部の松川は、担当した企画のせいで、筆者が帝大を追われることになり窮地に立たされていた。奔走する松川に、主幹は驚きの決断を下し対立し衝動的に退職する。同じころ、当代きっての人気作家・菊谷は、「書きたいものを書く」ための雑誌を立ち上げようとしていた。1年の浪人の後、菊谷が立ち上げた文芸誌「文學四季」のテコ入れに参加する。関東大震災を経験してそこでも菊谷と対立して退職。大衆雑誌「エース」創刊に誘われる。主人公、菊池寛、芥川龍之介や中央公論、文芸春秋、講談社・キングなどの雑誌は仮名になっているのを想像しながら一癖も二癖もある登場人物たちやり取りを読むのも楽しかった。
2024年10月文藝春秋社刊 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

篠田節子著「四っの白昼夢」

2025-01-03 | 篠田節子
コロナ禍がはじまり、終息に向かった。これは目眩? 日常の隣にある別世界。分別盛りの人々の抱えた困惑と不安をユーモアと活力あふれる文章で描く四つの中編集。
ミステリー、人間ドラマ、ホラー、ファンタジー。売れっ子イラストレーターの妻、音楽家の夫。30代の夫婦が不動産屋の仲介で移り住んだ理想の家。しかし夫が出張中のある夜、天井から異様な物音がする。気のせいかも、事故物件か。そしてある日、夫婦は隣家の秘密を知ることになる。・・・「屋根裏の散歩者」
酔い潰れ、夜更けの電車内でヴァイオリンを抱いて眠る老人が、慌てて下りていったさいの忘れ物は、なんと遺骨だった。有名なピアニストと再婚した「才女好き」と噂された公務員の男の、四十年に及ぶ家庭生活に、秘められたものはいったい何だったのか。・・・「妻をめとらば才たけて」。
 亡き父の後を継いだレストラン経営がコロナ禍で破綻に瀕している。家庭がきしみ始め、しっかり者の母が倒れ、妻は子供を連れて出て行く。負の連鎖の中でどん底の男が、はまった沼は、因縁付きの謎の植物。完璧なフォルム、葉の緑のグラデーション。マニアの世界は地獄より深かった。・・・「多肉」。知症の義母が亡くなりようやく見つけた葬儀用の遺影。素敵な笑顔のしかしその肩先には人の手が写り誰も知らない男が一緒に写っていた。背景からすると、近くの動物園で撮影されたようだ。慎ましく物静かで、実の娘息子にも本音を語ることのなかった人の心の内にあったものは何だったのか・・・「遺影」現実と非現実の裂け目から見えた、普通の人々の暮らしと日常の裏側。人の心の不思議と腑に落ちる人生のリアリティにあふれる力作です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小牧山で初日の出

2025-01-01 | Weblog
今年の初日の出は小牧城のある小牧山。木立ちが高くなり見難くなりましたが沢山の人と一緒に初日の出を拝みました。「今年も健康で無事に過ごせますように」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

逸木裕著「五つの季節に探偵は」

2024-12-31 | あ行
2022年第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞作。 「人の本性を暴かずにはいられない」探偵が出会った、魅惑的な5つの謎。高校二年生の榊原みどりは、同級生から「担任の弱みを握ってほしい」と依頼される。担任を尾行したみどりはやがて、隠された“人の本性”を見ることに喜びを覚えて・・・「イミテーション・ガールズ」。探偵事務所に就職したみどりは、旅先である女性から〈指揮者〉と〈ピアノ売り〉の逸話を聞かされる。そこに贖罪の意識を感じ取ったみどりは、彼女の話に含まれた秘密に気づいてしまう・・・「スケーターズ・ワルツ」。香道の教室で起きた龍涎香をめぐる盗難事件・・・・「龍の残り香」。リベンジポルノの被害者妹の兄からの依頼で別れた恋人の行方を探す・・・「ゴーストの雫」他に「開錠の音が」。「世間など関係なく、自分のルールを作ってそれに従って生きている人間」が最強だと思っている主人公は、必然的にそのような強い人間でもあるため、探偵活動を生きがいとしてライフワークとしている。高校・大学・探偵新人時代・女性探偵課の課長として16年間のエピソードが描かれている。そこまで暴かなくてもというシーンもあるが小さな意外な謎解きが心地好い。
2022年1月KADOKAWA刊   


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

逸木裕著「彼女が探偵でなければ」

2024-12-28 | あ行
森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の「本性」を見抜きたくなるという性格で謎事に執着して生きてきた。気づけば二児の母となり、父が経営する探偵社サカキ・エージェンシーでは女性探偵課で部下を育てる立場に。時計職人の父を亡くした高校生・・・「時の子」、千里眼を持つという高校生・・・「縞馬のコード」、父を殺す計画をノートに綴る中学生の少年・・・「陸橋の向こう側」。クルド人問題・・・「太陽は引き裂かれて」、陶芸作家だった母と娘の物語・・・「探偵の子」。小学生、中学生、男子高校生の行動から生まれた疑問を中心に物語が進行。どの子供も、かなり一般的ではない考えを持ち普通ではない行動をする。そして、その理由・謎をみどりがときあかしていく。子どもたちをめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていくことに。痛切で美しい短編全5編。安易に結論ありきで調査するのではなく、自分が納得するまで調べ上げる。結果、本当の真実が見えてくるが、それはその真実は知りたくなかったことであっても。前作「五つの季節に探偵は」の続編にあたるらしい。前作より4年たった2022年夏~2024年夏の出来事。未読の為早速図書館で探してみます。2024年9月角川書店刊



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐々木譲著「左太夫伝」 

2024-12-23 | 佐々木譲
「武揚伝」「くろふね」「英龍伝」幕末伝小説の第4弾。主人公は欧米列強が開国を迫る中、蝦夷地を調査し、万延元年遣米使節団として世界を旅した仙台藩士・玉虫左太夫。薩長新政府に対抗すべく奥羽越列藩同盟成立に奔走し、命懸けで米国で見てきた「共和国」樹立の夢に挑んだ男の波乱に満ちた生涯を描いた感動作。まじめで向学心の旺盛な仙台藩士の玉虫勇八少年後の左太夫が、時に理不尽ないじめに遭いながら、生きるためには養子に入ったりしながらも、できれば長く学業の中に身を置きたいと願い江戸に出る。学業探究によって磨かれた左太夫の知性と観察力と記録力はやがて花開き、周囲から求められる人材へと成長する。しかし時代は激動の幕末、寄る攘夷と開国の大波に左太夫も仙台藩も翻弄されてのみこまれてゆく。幕末当時の仙台藩のおかれた事情が左太夫を通して描写されていて、なぜ奥羽越列藩同盟設立の立役者であった仙台藩が中途で脱退せざるを得なかったのか、それにより主人公が非業の最期を迎え歴史上から埋もれさせられたかがよく解る。ペリー来航や蝦夷地視察でのアイヌの様子や米国視察の様子が面白く興味深かった。47歳での切腹歴史の非情さ運命の烈しさに惜しい人材を無くした思いだ。
2024年8月毎日新聞社刊 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香能諒一著「砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌」

2024-12-20 | か行
シリーズ第5弾。事件の謎に挑む警視庁捜査一課強行犯係のベテラン刑事の活躍を描く3篇「砂時計」「日和見係長の休日」「夢去りし街角」。切なさと救い溢れる3つのラスト。マンションの一室で三十八歳の女性が死亡。大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態となり死に至ったようだ。テーブルには「疲れました。ごめんなさい」と印字された遺書らしきプリントも。自死と思われたが、所轄は警視庁捜査一課の大河内茂雄部長刑事に現場への臨場を依頼した。不自然なことが多かったのだ。部屋のパソコンからはここ数カ月のメールが消去されていたし、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文を入れていることもわかった。マンション住人からの聞き込みから、複数の男の出入りが確認され、事件当夜には男女の言い争う声も聞かれていた。大河内刑事は、被害者が中学生のときに父親が殺人を犯していたことをつきとめる。また被害者は二年前にも大量の睡眠薬を服用し病院に搬送されたこともわかった。捜査を進めるうちに、被害者のまわりでうごめく黒い影に存在に気づく・・・。小林係長が、浅草で妻と娘と家族三人で休日を楽しんでいたところ、若かりし頃の元寮長と渾名を冠せられていた懐かしいお婆さんに出会うことから、このストーリーは始まる。元同僚であった刑事の隅田川での不審な自死を伝えられ、事の真相を調べるように依頼されたのだ。小林係長は、家族との休日を楽しんでいたのだが、舟遊び・食事・買物などの最中に、ひょいと抜け出してはこの事件を調べてゆく。急に舞い込んだ私的捜査と家族との団らんという大切な行事の二つを同日にこなす、というアクロバティックな物語が見事に展開してゆく。『夢去りし街角』は、音楽を志す者たちの夢と日常を背景に、目黒川の花見で賑わう時期の殺人という難事件が切なさと救い溢れる3つのラスト。
2023年10月徳間書店刊


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐野広実著「サブ・ウェイ」

2024-12-18 | さ行
主人公は、地下鉄内での防犯のため、試験導入された地下鉄私服警備員として働く穂村明美。彼女は、二年前に地下鉄駅構内で起きた暴行事件によって恋人・要一を失い、その事件の真相をつかむために警備の仕事に就いていた。 勤務の中で、明美は乗客たちの様々な事情に触れていく。そして要一の事件の手がかりを掴むが・・・
東京メトロと都営地下鉄という別個の会社だが両方受け持つ逮捕権もなければ制服でないので事件の抑止にもならないが突発事態への初動対処と旅客のツアーコンダクターとしての位置づけで試験的に300人程採用された契約社員・架空の私服警備員という設定は面白い。
順法意識の欠如や無理筋の都合も気になったが、地下鉄の中での様々な事件・人間ドラマを通じて、自分自身の心のわだかまりと前向きに生きる意欲を取り戻す展開は感動です。もしこんな職業があったとしても大ぴらに出来ないからフィクションとして面白かった。
2024年9月PHP研究所刊



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天童荒太著「青嵐の旅人(下)うつろう朝敵」 

2024-12-15 | た行
文久3年(1862年)から慶応4年(1868年)の6年間の激動の時代を一般庶民の目線で描く歴史長編。幕末の幕府vs倒幕の争いに巻き込まれていくヒスイと救吉たち。藩士・大原観山の命で新選組の原田左之助を訪ねたヒスイと救吉は、旅の途上で、かつて山中で命を救った坂本龍馬と再会。その後、沖田総司ら新選組の隊士たち、長州の桂小五郎、高杉晋作ら新しい世を作らんと志す者たちと出会う。いっぽう、武士としての信念と現実の狭間で揺れる辰之進には、その心を試すように常に鷹林雄吾の影がつきまとう。情け容赦ない戦、愛する人龍馬の死、そして迎えた、故郷伊予松山最大の窮地、長州征伐にむかった伊予松山藩、錦の御旗から朝敵とされた松山藩の運命は。・・・やがて激動の時代を愚直に生き残った三人が見た希望の光は・・・上野の戦いに上京する船上で終わる。新しい視点の庶民から見た幕末の小説だと思う。主人公が一般人のヒスイらの視点でえがかれているため、長州も、薩摩も、土佐も、藩も幕府も俯瞰した客観視的に描かれて展開されているところが新鮮で面白い。内戦ともいうべき日本人同士の戦いの悲惨さや辰之進やヒスイの恋の心の揺れ動き模様も描かれ感動小説になっている。読み終わって新しくなった道後の温泉にもう一度入りたくなった。
2024年10月毎日新聞出版刊 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天童荒太著「青嵐の旅人(上)それぞれの動乱」  

2024-12-12 | た行
江戸幕府消滅。そして明治へ。激動の時代を一般庶民の目線で描く感動の歴史長編。舞台は、1862年(文久2年)幕末の伊予松山藩。代々続くお遍路宿「さぎのや」で育てられた孤児で戦を嫌う娘ヒスイと、同じく孤児で医の道で人を助けるとこころざしを持つ弟の救吉、2人の危機一髪の場面を救われたことがきっかけに知り合った若き青年武士青海辰之進達が主人公。ある日、ヒスイは遍路道で倒れ腹痛で苦しむ侍を偶然助ける。それは脱藩し国を出ようとしていた坂本龍馬であった。幕末の混乱の続く日々、それからある日、藩の郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと救吉に命が下る。戦を嫌い平和を願うヒスイはやがて救吉が戦場に送られることは必定とみて、男装の上看護人として弟に同道することに。・・・それはやがて京に上り長州との争いに巻き込まれていくとことに。平和を願う3人の前には藩士の鷹林雄吾が幾度となく立ちはだかってくる。龍馬と出会い新撰組らと絡む展開で話が進む。
2024年10月毎日新聞出版刊  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

落葉を踏みしめて天王山登山

2024-12-10 | 
岐阜県美濃市の天王山537m(二等三角点)に紅葉をみて大矢田神社から3年ぶり3回目の登頂。大矢田神社はヤマモミジ、イロハモミジの紅葉が残っていましたが登山道は落葉を踏みしめての登山。往復2時間!天気に恵まれて風も無く頂上からは360°の展望で良い汗かきました。歩行距離2.5k標高差408m帰りは武芸川温泉で日帰り入浴、蕎麦&ミニ丼を食べて帰宅。

大矢田神社本殿、重文


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻生幾著「ピースキーパー SST海上保安庁特殊警備隊」

2024-12-08 | あ行
四方を海囲まれた日本。日本の危機は海からやって来る。今まで、海上保安庁が機密保持のために長らく秘匿してきた実在の隠密部隊スペシャルフォース「SST」の活躍を描いた海洋アクション小説。沖ノ鳥島沖で、中国の密猟船が突然自爆して海に沈む。さらに大量破壊兵器の調達に関わる男がクルーザーから謎の失踪を遂げ、数百名の乗客を載せたカーフェリーの爆破予告と、やがて豪華客船がシージャックされた報告が届く。この一連の出来事が一つに繋がった時、・・・。未曾有の危機に立ち向かう海上保安庁の特殊部隊「SST」を待ち受けていたのは、想像を絶する国際的陰謀だった。この国の取り巻く国際情勢は中国、ロシア、朝鮮、台湾、米軍と複雑化、開戦の大義を与えない為軍隊である自衛隊が対応できない事案を国交省管轄の海保が担当する設定は納得が行く設定ではあるが。特殊な言葉が飛び交う軍事作戦さながらの展開は登場人物の人物描写が中途半端で感情移入できず大きな感動にはなりませんでした。
「軍はピースキーパーにはなり得ません。それどころか戦争を導く。ゆえに我々、ピースキーパーたるSSTしかありえません」(P235)
2024年9月幻冬舎刊


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堂場瞬一著「守護者の傷」

2024-12-04 | 堂場瞬一
主人公は水沼加穂留・神奈川県警の巡査部長。捜査一課への配属希望は通らぬまま三十歳までキャリアを重ね、春の異動で警察が訴えられた民事裁判の対応をする部署「訟務課」へ。「違法捜査は本当にあったのか?」ほどなくして外部からも弁護士資格を持つ新人の新崎大也(だいや)がやって来る。淡々として同僚と関わらない新崎。なぜ弁護士が警察職員に? そんな折、強盗犯グループへの違法捜査を問う裁判が発生し、加穂留と新崎が担当することに。威圧的な取り調べはなかったという捜査一課の言葉を信じ、彼らを守ろうと公判にのぞむ加穂留。しかし法廷で、関与した警察官の「嘘」が暴露され敗訴する。やがて検挙成績を上げるためには違法捜査を辞さず犯人を”造り出す”ことも厭わない神奈川県警の[R]という”伝説”刑事とその因襲を守り権益を維持しようとする県警内派閥の存在が明らかとなり、良識ある主人公たちが、この集団と対決することに・・・。読んでいて昭和30年代袴田裁判やたくさんの冤罪を生んだ静岡県の違法捜査容認体質を思い出した。以前読んだ安東能明著「蚕の王」
だ。


2024年2月KADOKAWA刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貫井徳郎著「ひとつの祖国」

2024-12-01 | 貫井 徳郎
架空の日本を舞台に展開される。第二次大戦後ソ連に占領された日本人民共和国とアメリカに占領された大日本国に分断されていた日本は、その後再びひとつの国に統一され首都が大阪に設定されて四半世紀たった日本が舞台。東西の格差は埋まらず、東日本の独立を目指すテロ組織MASAKADOが暗躍する日本世界。意図せずテロ組織と関わることになった一条昇と、その幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見公佑の二人が中心になり展開される。SFなのか社会派?エンタメなのか、繁栄する西日本に対して、貧困にあえぐ東日本という設定にムリがあるし、過激派の描き方などリアル感なしの設定とご都合主義の展開とで最後まで違和感をもって読了。最後のエピローグも尻すぼみ何が言いたかったのかも不明で駄作感一杯感想。
2024年5月朝日新聞出版刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」

2024-11-29 | 映画
  • 2024年米アクション映画。原題GladiatorⅡ。リドリー・スコット監督作品。舞台は前作から10数年後、ローマ帝国への復讐を誓いグラディエーター剣闘士となって闘う、前作マクシマス(ラッセル・クロウ)を父に持つルシアス(ポール・メスカル)が群衆を巻き込みながら権力の座を狙う謎の男マクリヌス(デンゼル・ワシントン)、双子皇帝ゲタ(ジョセフ・クイン)とカラカラ(フレッド、フィキンジャー)と闘い英雄となって行く展開。将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により、すべてを失いマクリヌスの導きで剣闘士となるルシアスはローマに連れていかれ血が沸き上がり熱くなる闘いに沸くコロセウム(円形闘技場)の熱気と興奮の坩堝の中で激しい戦いに身を投じていく・・・。独裁と悪政による疲弊するローマ市民の描写や陰謀と、自身の運命に翻弄されながらも生き残るために闘うルシアスは圧倒的な強さは感じなかったが仲間を鼓舞し導く頭脳派剣闘士だった。ローマ帝国の歴史を知っていればもっと楽しめたかも。コロシアムでの闘いや海戦シーンなど大画面の迫力は十分楽しめた。陰謀家で悪役のD・ワシントンの賭けに誘い込み借金をさせ仲間に取り込んでいくやり方は現代にも通じる手口。大画面で歴史スペクタクルを堪能しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする